見出し画像

【試着の旅】シンデレラシューズは存在するのか③

シューフィッティングサービスを受けて自分の足の問題を知り、手持ちの靴で履き続けられるものはないという現実を突き付けられました。それでもどうにかして履けないかと試してみるものの気分が上がらず、通勤に必要な最低限の靴を残して処分しました。

残った靴を並べてみる

通勤用に残した4足のラインナップはこちらです。

➀黒のプレーンなローヒール(5㎝):冠婚葬祭でも履ける
②黒のスクエアトゥパンプス(5㎝):デザインがお気に入り
③白っぽいパイソン柄ローヒール(3㎝):色柄が好き、コーデのアクセントになる
④茶色のローヒール(3㎝):雨の日用(撥水仕様)

少ない靴で過ごそうと思ったら必然的にベーシックな色か、お気に入りのものが残りました。でも②は踵が大きくてパカパカするので中敷や靴バンドなしでは履けないし、③は中敷きもバンドも不要だけれど靴擦れや足指が痛くなります。

足に合う靴がすぐに見つかるとも思えないので、それまで考えもしなかったスニーカー通勤を試してみることにしました。(詳しくは後ほど)

意外と違和感がなかったので、このスニーカーを通勤靴に加えてみます。すると、履くシーンや色でまとめることができました。

:ローヒールをメインとしてお気に入りスクエアトゥパンプスも履く
:パイソン柄ローヒールとスニーカーをボトムスによって履き分ける
:雨の日がメインだけど天気の良い日もコーデによっては履く

➀はほとんど履いていません。季節(春夏)的なこともあるのかもしれませんが、もともと白やベージュといった淡い色の靴を履いていたこともあり、よく履いているのは②です。ワイドパンツにはスニーカーを合わせているのですが、テーパードパンツにはスニーカーよりパンプスを履きたいので足に合わないパイソン柄ローヒールに替わる白またはベージュのような淡い色のパンプスを買おうと決めました。

秋になったらブーツの出番なのでパンプスやスニーカーを履く季節としては春~夏がメインです。そう考えると通勤用としての黒い靴は不要かもしれないと思い始めています。

いよいよ試着の旅へ

シューフィッティングサービスを受けて、私の足に合うのは一般的に売られているものよりも足幅の細い、いわゆる幅狭靴と呼ばれるものだと分かったことで探す範囲が限定されました。こうしてようやく試着の旅に出る準備ができました。

先日のあきやさんの講演会でも「いい(高い)靴を履いてみましょう」とのお話がありましたが、試着には
➀購入のための最終確認としてGOサインを出すための試着と
②即購入を目的とせず経験値を上げる(自分の求めるアイテムの解像度を上げる)ための試着があると思っていて、ここでは➀の意味の試着です。

➀デパートの店頭にあった幅が細めの靴
合わないだろうとフィッターさんに言われてはいたけれど、探しやすいので店頭に並んでいる靴を見に行き、目を惹かれた色、デザインとも素敵な「幅が細め(Bワイズ相当)」の靴を試着させてもらうことから旅を始めました。フィッターさんの見立て通り私の足には合わず、店員さんに中敷きを足してもらってもしっくりこないので諦めました。

②セミオーダー店
S・M・Lなど、足幅をいくつかに分けて販売しているお店(実店舗やネット店の期間限定ポップアップ)に行き、試着させてもらいました。
それで分かったのは、どのお店でも一番細いとされている靴を履いても今ひとつピッタリしないこと。シューフィッティングサービスで試着させてもらった3Aワイズの靴ほどの密着感がなく、程度の差はあれど踵がパカパカしていて購入候補にはなりませんでした。

③幅狭靴のオーダーメイド店
何店舗かの靴屋さんを巡って「幅狭」と言われる靴を見た後で、本命の試着に行きました。

実店舗はないので、現物を見るために毎月行われる予約制の試着会に参加しました。サイズを計測してもらい、希望の種類の靴(一回の試着会に一種類)で合いそうなサイズ(ワイズ)の靴を試着するという流れです。

シューフィッティングサービスを受けたときには(7.5㎝ヒールの場合)旧モデルで3Aワイズでしたが、計測と前後のサイズ(足長・足幅)を履き比べた結果、新モデルでは2Aワイズが一番合っていることが分かりました。

靴の種類によってサイズ・ワイズが違う可能性があるので、購入前の試着をお勧めされています。私の場合も、別日の試着会でローファーを試着させてもらったらAワイズが一番しっくりきました。

あとはデザインを決めて注文するのみ、となったところで(その場でネット注文できます)迷いが生じてしまいました。というのもポインテッドトゥが好みな私にとっては、試着会で目にしたローファーの方が注文しようとしているアーモンドトゥのパンプスより「好き」や「なりたいに近いデザインだと思われたからです。

一般的な靴もそうですが幅狭靴はより一層、履き慣らしが大切になります。それだけしっかりと向き合う必要があるので一度に2足買うつもりはありません。またハイブランドの靴ほどではないけれど履き捨てするにはもったいない価格な上に、注文してから出来上がるまでに約2ヶ月という期間があるのです。待っている間に「やっぱりパンプスよりローファーにすれば良かった」と後悔するのではないか等、あれこれ考えてしまって決断ができず、改めてじっくり検討するためこの時点での購入(注文)を見送って翌月の試着会で気になったローファーを試着させてもらうことにしました。

⑤スニーカー
最初にお話した通り、通勤でスニーカーを履くつもりはなかったのですが、ローファーの試着会に行った時に目にしたこの光景をきっかけにスニーカー通勤を試してみようと思いました。

手持ちがあるので今はその時期ではないけれど、次に買うとしたらシューフィッティングサービスで履き心地に感動したこちらを選ぼうと思っています。

⑥ハイブランドの幅狭靴
ハイブランドの靴の中にも幅狭靴として名前が上がるものがあることを旅の準備段階で知りました。しかし今回の試着の旅にハイブランドの靴は候補に加えませんでした。

あきやさんの名言「靴は自己評価」から考えれば通勤靴としてハイブランドの靴を履いてもいいように思えますが、なんだか恐れ多いというか「高嶺の花」に思えてしまい、私の思う通勤靴とは違う気がしたからです。

幸運なことに私は靴の持つ魔法にかかったことがあるので良い靴の力を知っています。「履ける(足に合う)靴を早急に手に入れる」という喫緊の課題を終えたら、ハイブランドの靴バージョンの試着の旅で魔法にかかってみたいです。

改めて自問自答し、購入

リストアップしたお店に行き、気になる靴はすべて試着しました。そこで気付いたことは「ポインテッドトゥへの憧れ(こだわり)」でした。

通勤、つまり職場へ向かうことは社会人としての武装をするということで、それには直線でキリッとした印象のポインテッドトゥがピッタリだと思っているのです。
また仕事とは対極の気持ちであるカジュアルさをトゥの丸みに感じていることにも気づきました。

このご時世もあってか職場の服装がオフィスカジュアルから完全自由化となり、例えばTシャツにGパン出勤でも良いことになりました。その結果、執務室内を見回すと休日に自宅でくつろいでいるような服装で出社している人もいます。
でも私は、そのスタイルでは仕事モードになれそうにないのです。
通勤にスニーカーを履くという選択肢がなかったのも同じ理由で、仕事をするスタイルにしてはカジュアルに感じられるからだと気付きました。

試着した中で一番足に合っていて、買うとしたらこれだと思うシュープレモさんのパンプスでさえもアーモンドトゥだというその一点で購入ボタンを押せない自分に驚きました。

しかし二度目の試着会で気になったローファーを履かせてもらったところ、直線的なデザインに魅力を感じつつも「これは二足目以降に買うべきものだ」と分かりました。ローファーを試着したことで、今私が買うべきなのは通勤用としてメインとなるパンプス(ヒールのある靴)なのだと痛感したのです。

仕事に向かう姿勢として、定義が難しいのですが、きちんとした装いがしたいのです。それに気づいたらパンプスを履いて颯爽と歩く姿が私の「なりたい」だと思えたのです。

歩きやすさを考えればローヒールだけれど、高いヒールの靴を履きこなす格好良さに憧れて、この機会を逃したら履く(選ぶ)ことはないだろうと思ったのでラウンドトゥではあるけれど7.5㎝ヒールの購入を決めました。

それまで履いたことのないヒールの高さですが、7.5㎝もあるとは思えない安定感が決め手でした。さらに安定感を増すためにブロックヒールでオーダーしました。

画像1
(ブロックヒールのイメージとしてサンプル画像をお借りしています)

そして履き慣らしを

注文して約2ヶ月ほどで、待ちに待った靴が届きました。
同封されていた手引きに従って、自宅で10分程度の履き慣らしからスタートします。予想通り足を入れるにも一苦労で、入った後も「これで大丈夫なの?」と思うほどの狭さでした。

だんだんとその感覚に慣れて家の中から近所への外出で試し履きをし、最終的には予備の靴を持って会社まで履いて行きました。幸い、途中で履き替えることなく歩けたのですが「電車などでずっと立っているときに辛い」ことと「歩くと踵がパカパカする」ことに気づきました。

体重がかかっているときはDワイズの足なので、2Aワイズの靴を履けば窮屈で辛いと感じるのは当然のことだと受け止めています。また踵がパカパカするといっても、それまでの手持ちの靴で起こる「足が靴の中で安定せず前後に動く」というのではなく「踵の部分だけがスポンと抜けてしまう」という感覚です。

再調整サービスを受けることができるので相談させてもらうつもりで申し込みましたが、予約日まで時間があるので自分なりにできることはないかと試行錯誤しつつ履き慣らしを続けていました。例えば7.5㎝という高さのせいで前滑りしているのかと思って滑り止めになる中敷きを入れてみましたが、圧迫されることで余計辛くなってしまいました。

再調整会の前に

試着と自問自答の末に見つけたパンプスの履き慣らしを続けて「そんな試行錯誤の末、足に合う靴が見つかりました」と、このnoteを終えるつもりでしたが、そう簡単にはいかない事態に陥りました。

再調整会を前に、履き慣らし中に転んでしまったのです。

足が上がらなかったのか右の爪先部分のソールとアッパーの接着面がバックリと剝がれ、革も擦れて傷が付きました。受け身を取り損なった右手の平と右ひざに擦り傷ができ、左足を捻りました。(翌朝には左手首も痛めていることが判明しました)

転んだことがショックですぐに立ち上がることができず、たまたまその場に居合わせた人に心配顔で「大丈夫ですか?」と声をかけられるという状況になるほど頭が真っ白になりました。


時間が経って傷は消えましたが捻った痛みはまだ癒えず、気持ちの整理もできていません。落ち着いたら、その後のお話を書こうと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?