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国民年金だけだと年金額が厳しい!もっと増やす方法の一つ(国民年金基金)

おはようございます。
年金アドバイザーのhirokiです。

現在の国民年金からの給付である老齢基礎年金の金額は、原則として20歳から60歳前月までの480ヶ月間完璧に年金保険料を納めた場合は781,700円(令和2年度価額)です。

ちなみに40年間に足りない人は60歳から65歳になるまでの60ヶ月間の間に任意で国民年金に加入して、老齢基礎年金額を増やす事が出来る。

40年間完璧に国民年金納めた人は、月額としては65,141円。

国民年金のみ加入という人は主に自営業者、学生、主婦、フリーター(働き方によっては厚生年金に加入)などの人。

厚生年金はサラリーマンや公務員(公務員は平成27年10月の被用者年金一元化で厚生年金に統合)が加入して、主に65歳から老齢厚生年金と老齢基礎年金を受給します。

厚生年金と国民年金の違いは何かというと、まず国民年金はどんな人も平等の定額の保険料を負担して、定額の年金を受け取る。
保険料を納めた期間によって金額は変化するので、加入に比例した年金。

納めた期間が同じなら給付も同じ額になる。

厚生年金は人によって過去の給与により、年金額もバラバラ。
つまり報酬に比例する。

なお、20歳から60歳までは厚生年金に加入してる人も国民年金に同時に加入してる状態なので、国民年金からの給付の上に厚生年金が支給される。

よって厚生年金は国民年金だけの加入である自営業などの人よりも基本的に手厚い。

それにしても、完璧に40年間国民年金に加入して保険料を納めても月額65,141円にしかならないとしたら自営業の人は老後の生活が厳しすぎますよね。

何か増やす手は無いのか?

国民年金のみの加入の人は、付加年金というのがあります。

付加年金は国民年金保険料(月額16,540円)と合わせて、毎月400円支払うと1ヵ月につき200円の年金になる。

たとえば、付加年金の保険料を最大40年間(480ヵ月)納めたら、200円×480ヵ月=96,000円の年金になる。
そうすると老齢基礎年金781,700円+96,000円=877,700円(月額73,141円)となる。

ちなみに付加年金はサラリーマンや公務員、国民年金保険料を免除されてる人、専業主婦(サラリーマンや公務員の扶養に入ってる人)などは加入する事はできないので注意。

自営業者は付加年金に加入して増やす事はできるけど…それでも大した額にはならないですよね^^;

じゃあ他に増やす方法は無いのか?というと、ある。

いくつかありますが、よくテレビとかで宣伝されてる国民年金基金というものがあります。

毎月の保険料は加入した年齢によって違い、受け取る年金額は加入した年齢によって異なる。

本日は国民年金基金について見ていきましょう。

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1.昭和29年7月10日生まれの女性(今は66歳)
・(令和2年版)何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!
https://ameblo.jp/mattsu47/entry-12563651891.html

・絶対マスターしておきたい年金加入月数の数え方。
https://ameblo.jp/mattsu47/entry-12564534484.html

18歳年度末の翌月である昭和48年4月から民間企業に勤め始め、昭和59年9月までの138ヶ月間は厚生年金に加入。
この138ヶ月間の平均給与(平均標準報酬月額)は26万円とする。

なお、20歳到達月である昭和49年7月から昭和59年9月までの厚年期間は国民年金に同時加入とみなされる(ここから老齢基礎年金の計算に含む)。

昭和59年10月からは公務員の男性と婚姻し、寿退職の後に専業主婦になる。

公務員やサラリーマンの専業主婦は国民年金に強制加入する必要は無かったので、昭和61年3月までの18ヶ月間は国民年金に加入しなかった(ただし任意に加入はできた。加入しない場合は年金受給資格期間最低10年の期間に組み込むカラ期間にはなる)。

昭和61年4月からは専業主婦も強制的に国民年金に加入する事になり、国民年金第三号被保険者として国民年金の被保険者となる(個別に保険料をを納める必要は無い)。

昭和61年4月から平成5年6月までの87ヶ月間は国民年金第三号被保険者。

この3号被保険者中の平成3年4月から国民年金基金というものが設立され、さらに基金の保険料を納めれば将来の年金が増えるという事だったので加入を考えたが、国民年金第三号被保険者は対象外という事で断念した。

平成5年7月に夫が公務員を退職した事で、扶養から外れてしまったのでこの女性は自ら国民年金保険料を納める国民年金第1号被保険者となった。

毎月国民年金保険料を納める必要があったが、ここからあの国民年金基金にも加入が可能になるので、基金加入を申し込んだ。

申し込み当時の年齢は39歳だったので年金月額はベースが月額15,000円(35歳までに加入していたら2万円。45歳以降に加入したら1万円)。

加入する際はまず1口目のA型(保証期間15年有り)もしくはB型(保証期間無し)を選べって言われた。
A型もB型も終身で月額15,000円が受け取れるが、保証期間があるかないかの違い。

保証期間中に死亡すると、残りの保証期間分の年金が遺族に支払われるというもの。

じゃあA型にした。
女性は加入時に39歳だったので月々保険料は約14,000円だった(男性は約12,000円と低め。女性より平均寿命短いから)。

しかし…月額15,000円の年金では物足りないからもう少し増やしたかった。

というわけで、2口目以降を検討した。

2口目以降は種類が多くて、A型、B型、1型、2型、3型、4型、5型と7種類ある。

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※注意
都合上、1型から5型というように数字で表記してます。
本当はアルファベットの数字が用いられてます。
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ざっと違いを説明すると、2口目のA型B型は1口目のものと同じですが、金額が月額5,000円。

1型は65歳から15年間の有期年金(保証15年)、2型は65歳から10年の有期年金(保証10年)、3型は60歳から15年の有期年金(保証15年)、4型は60歳支給の10年有期年金(10年保証)、5型は60歳から5年の有期年金(5年保証)。

2口目以降の年金額はA型から5型までの7種類すべて月額5,000円。

というわけで、フルに増やしたかったので加入できるだけ加入した。

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※この女性が選んだ種類。

1口目終身A型15,000円(保険料約14,000円)、2口目から5口目まで終身B型5,000円×4個=2万円(保険料約19,000円)、6口から11口まで2型65歳10年有期年金5,000円×6個=3万円(保険料約12,000円)とした。

将来受け取る国民年金基金は月額65,000円で、毎月納める保険料は45,000円。
なお、基金保険料は毎月68,000円まで組む事はできる。

支払った保険料は全額社会保険料控除として所得税や住民税を節税する事はできる。

将来受け取る年金は、国民年金や厚生年金と同じく公的年金等にかかる雑所得扱い。

ちなみに国民年金基金加入中は付加年金には加入できない。
あと、有期年金額は終身年金額を超える事はできない。
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・全国国民年金基金HP
https://www.zenkoku-kikin.or.jp

平成5年7月から国民年金保険料とともに、基金にも加入して60歳前月の平成26年6月までの252ヶ月間国民年金に加入(国民年金第一号被保険者)。

さて、この女性の受給する年金額を算出する。

まずこの女性の生年月日を見ると60歳から老齢厚生年金(報酬比例部分)を受給する。
・厚生年金支給開始年齢(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/yougo/kagyo/kounen-kaishi.files/kaishi.pdf

・60歳からの老齢厚生年金(報酬比例部分)→26万円×7.125÷1000×138ヵ月=255,645円(月額21,303円)

65歳になると国民年金から老齢基礎年金と国民年金基金からも支給が始まる。

・老齢基礎年金→781,700円÷480ヵ月×(厚年123ヵ月+3号期間87ヵ月+国年1号期間252ヵ月)=752,386円

・国民年金基金→1口目終身A型15,000円+2口目から5口目まで終身B型2万円+6口から11口まで2型65歳10年有期年金3万円=65,000円(年額780,000円)

・老齢厚生年金(差額加算)→1,630円(令和2年度定額単価)×138ヵ月ー781,700円÷480ヵ月×123ヵ月(20歳から60歳までの厚年期間)=224,940円―200311円=24,629円

あと、夫に20年以上の共済期間があったから夫の共済年金に付いてた配偶者加給年金から、この女性の老齢基礎年金に振替加算年額56,900円(この女性の生年月日による金額)が加算された。

・加給年金と振替加算(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html

よって65歳からの年金総額は老齢厚生年金(報酬比例部分255,645円+差額加算24,629円)+老齢基礎年金752,386円+振替加算56,900円+国民年金基金780,000円=1,812,660円(月額151,055円)

※追記
基金の2型は65歳からの10年有期年金(この女性は月額3万。年額36万円)なので、10年後の75歳になると年金総額1,812,660円ー36万円=1,452,660円(月額121,055円)に減額する。

あと、基金は積立の年金なので、国民年金や厚生年金のように毎年の物価や賃金変動の影響は受けない。
なので、インフレすると金額の価値が下がるリスクがある。

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7月22日第147号は「失業手当と年金が同時に貰える計算事例と、65歳前の特老厚と失業手当も同時に貰ったような形になるお得ケース」

7月29日第148号は「働き続ける事で大損をしてしまうタイミングと、働き続ける事で逆に大損を回避する事例」

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7月8日の第145号は、「7月になると所得を確認しなければならない20歳前障害基礎年金の取扱変更と、年金計算総合事例」を発行しました。

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