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「保守派・右派」思想・政治・宗教関連書レビュー

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保守思想、政治保守、保守派、エセ保守、キリスト教保守派、宗教右派、ネトウヨ 、右翼思想、真正右翼、街宣右葉などの関連書のレビューです。
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記事一覧

D・W・グリフィス監督 『國民の創生』 : 「映画の父」の深き呪い

映画評:D・W・グリフィス監督『國民の創生』(1915年・アメリカ映画) 悪名高き、歴史的傑作…

年間読書人
12日前
20

堤未果 『国民の違和感は9割正しい』 : 人は案外、学ばない。

書評:堤未果『国民の違和感は9割正しい』(PHP新書) 退職して隠居生活に入って、丸2年が…

年間読書人
2週間前
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山本おさむ 『赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD』 : 「赤いイデオロギー」という理想

書評:山本おさむ『赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD』(全10巻・ビッグコミックス) 文句な…

年間読書人
1か月前
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カール・テオドア・ドライヤー監督 『裁かるるジャンヌ』 : 「神と戦う」映画作家

映画評:カール・テオドア・ドライヤー監督『裁かるるジャンヌ』(1928年・フランス映画) こ…

年間読書人
1か月前
12

ジョン・フォード監督 『怒りの葡萄』 : アメリカが人道主義を掲げていた時代

映画評:ジョン・フォード監督『怒りの葡萄』(1940年・アメリカ映画) 本作は、ノーベル文学…

年間読書人
1か月前
19

デニス・ホッパー監督 『イージー・ライダー』 : 「無意味な死」と キリスト教的含意

映画評:デニス・ホッパー監督『イージー・ライダー』(1969年・アメリカ映画) 子供の頃、こ…

年間読書人
2か月前
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ジュリアン・デュヴィヴィエ監督 『アンリエットの巴里祭』 : 潮目の変わる場所で

映画評:ジュリアン・デュヴィヴィエ監督『アンリエットの巴里祭』(1952年・フランス映画) 非常に興味ぶかい作品だ。だが、この作品の「興味ぶかさ」に気づいた映画評論家というのは、案外いないようだ。たぶん、作品そのものしか見ていないからだろう。 ましてや、一般の映画ファンで、本作の「含意」を考えた者など「いない」と断じても、大筋で間違いではあるまい。 本作が「軽く」扱われてしまうのは、この作品自体は、深刻なテーマを扱っているわけでもなければ、何か「新しいこと」をやっているわ

スタンリー・キューブリック監督 『博士の異常な愛情』 : 踊る阿呆を見る阿呆

映画:スタンリー・キューブリック監督『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを…

年間読書人
3か月前
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ジャン・ルノワール監督 『大いなる幻影』 : 「理想」という大いなる幻影

映画評:ジャン・ルノワール監督『大いなる幻影』(1937年・フランス映画) 戦前の「戦争映画…

年間読書人
3か月前
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適菜収 『維新観察記 彼らは第三の選択肢なのか』 : 「維新の会」は、あなたの想像…

書評:適菜収『維新観察記 彼らは第三の選択肢なのか』(ワニブックス「PLUS」新書) 今や「…

年間読書人
3か月前
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黒澤明監督 『椿三十郎』 : 「昭和」の理想と、そのジレンマ

映画評:黒澤明監督『椿三十郎』(1962年・モノクロ映画) 本作は、大ヒットした「『用心棒』…

年間読書人
3か月前
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ジョナサン・グレイザー監督 『関心領域』 : 本作のレビュアーたちも、きっと同じこ…

映画評:ジョナサン・グレイザー監督『関心領域』(2023年、イギリス・ポーランド・アメリカ合…

年間読書人
3か月前
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小津安二郎監督 『戸田家の兄妹』 : 「肉親でさえ冷たい」という怒りの、真の矛先

映画評:小津安二郎監督『戸田家の兄妹』(1941年・モノクロ映画) 本作は、小津安二郎が「日…

年間読書人
3か月前
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マルコ・ベロッキオ監督 『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』 : 何が「元凶」なのか?

映画評:マルコ・ベロッキオ監督『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』(2023年、イタリア・フランス・ドイツ合作) 本作は、実話である「エドガルド・モルターラ誘拐事件」をもとにして作られた映画であり、特定の原作があるわけではない。同事件に関するヴェットリオ・メッサーリの著作(未訳)を読んだ、マルコ・ベロッキオ監督が、この歴史的な事件に興味を持ち、自分でもいろいろ調べて書き上げたオリジナル脚本を映画にしたのが本作なのだ。 本作の宣伝文句にもあるとおり、ベロッキオと