マガジンのカバー画像

「純文学・文芸評論」関連書のレビュー

505
主に「文学・文芸評論」関係書のレビューを紹介しますが、分類は目安に過ぎず、「ミステリ・SF」系の作品も含みます。
運営しているクリエイター

2021年12月の記事一覧

佐々木チワワ 『 「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』 : 一億総〈ぴえん〉化…

書評:佐々木チワワ『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』(扶桑社新書) 「ぴえん」…

27

若松英輔・ 山本芳久 『危機の神学 「無関心というパンデミック」を超えて』 : 通…

書評:若松英輔・山本芳久『危機の神学 「無関心というパンデミック」を超えて』(文春新書) …

8

若松英輔・ 山本芳久 『キリスト教講義』 : 聖フランチェスコ vs 教皇イノケンティ…

書評・若松英輔・山本芳久『キリスト教講義』(文藝春秋) 本書の内容は、宗教に興味のある人…

8

施川ユウキ 『バーナード嬢曰く。 6』 : 〈承認と否認〉をめぐる 葛藤の果てに…

書評:施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』第6巻(REX COMICS・一迅社) 施川ユウキの作品はほ…

11

やまだ紫 『性悪猫』 : どこか寂しくも温かい 〈人生の物語〉

書評:やまだ紫『性悪猫』(青林堂→小学館) 1970年代後半に執筆され、1980年に単行本化され…

10

野呂邦暢 (著)、 岡崎武志、 古本屋ツアー・イン・ジャパン (編) 『野呂邦暢 古本…

書評:野呂邦暢(著)、岡崎武志、古本屋ツアー・イン・ジャパン(編)『野呂邦暢 古本屋写真…

7

折口信夫 『死者の書・身毒丸』 : 〈同性愛者という貴種〉 の流離

書評:折口信夫『死者の書・身毒丸』(中公文庫) 「死者の書」と「身毒丸」。いずれも、読みやすい作品ではない。 松岡正剛が「千夜千冊」で『死者の書』を採り上げ、絶賛しながらも、次のように書いている。 松岡正剛が「読んでみろ」とすすめる相手なのだから、それなりの読書家たちなのだろうが、そうした人たちをしても、一読で理解するのは困難なのだから、私たち一般読者が、一読でわからないのは当たり前。むしろ、一読でわかったようなことを言っている人の方が、じつは(松岡正剛を含めて)怪しいの

アラン・ベネット 『やんごとなき読者』 : 〈読書〉は、 娯楽か?

書評:アラン・ベネット『やんごとなき読者』(白水Uブックス) 「読書は、娯楽なのか?」と…

7

豊崎由美の〈正直さ〉を 断然支持する。 : 飯田一史の 「俗情との結託」をメッタ斬り…

「書評家が本紹介TikTokerけんごをくさし、けんごが活動休止を決めた件は出版業界にとって大損…

93

前野隆司 『霊魂や脳科学から解明する 人はなぜ「死ぬのが怖い」のか』 : 本当は、…

書評:前野隆司『霊魂や脳科学から解明する 人はなぜ「死ぬのが怖い」のか』(講談社+α文庫)…

7

植木雅俊 『100分de名著 2018年4月 法華経 あなたもブッダになれる』 : 〈法華経…

書評:植木雅俊『100分de名著 2018年4月 法華経 あなたもブッダになれる』(NHK出版) 本冊…

12

浜崎洋介 『小林秀雄の「人生」論』 : 「小林秀雄の伝統主義」を解説する 〈伝統主…

書評:浜崎洋介『小林秀雄の「人生」論』(NHK出版新書) 「権威者」の解説者には、よくよく…

11

人恋うる 〈小さきもの〉への愛 : 安野モヨコと 庵野秀明

書評:安野モヨコ『監督不行届』(祥伝社)、『オチビサン』(朝日新聞出版) 言わずと知れた…

21

折口信夫 (東雅夫編) 『文豪怪談傑作選 折口信夫集 神の嫁』 : 〈情〉の人・ 折口信夫

書評:折口信夫(東雅夫編)『文豪怪談傑作選 折口信夫集  神の嫁』(ちくま文庫) 日本の民俗学を確立した三巨人、柳田國男、南方熊楠、折口信夫。一一その中で、折口信夫にだけは長年、手を付けかねていた。 私は熊楠ファンだし、妖怪はもとより民俗学そのものにも興味があるから(宮田登や小松和彦も読んでおり)、当然、柳田國男もいくらかは読んでいる。読まないわけにはいくまい。 また、そこまで来れば、折口信夫も何冊かは読んで、あたりくらいは付けておきたいと思っていたのだが、いつからだか折