木澤佐登志 『闇の精神史』 : 〈最後の選択〉の合理性
書評:木澤佐登志『闇の精神史』(ハヤカワ新書)
「闇の精神史」というのは、文字どおり「精神のあり方としての闇の思想、の歴史」ということだ。
軽く言えば「黒歴史」とも言えようが、「闇の精神史」が軽くはなく、実に「重い」のは、「黒歴史」の方は「みっともない過去を恥じる」という反省的な意識から主体的に語られるものなのに対し、「闇の精神史」で語られるものは、現在進行形の「自覚されない黒歴史」であるためだ。
「闇の精神」というのは、それを相対視する、本書著者など他者による「評価」で