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「宗教(キリスト教以外)」関連書レビュー

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キリスト教以外の「宗教」関連書のレビューを集めました。 後日、整理の予定です。
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#文芸批評

サミュエル・R・ディレイニー 『ノヴァ』 : オリエンタリズム的「文学性」の勘違い

書評:サミュエル・R・ディレイニー『ノヴァ』(ハヤカワ文庫) サミュエル・R・ディレイニー…

年間読書人
1か月前
11

大谷能生 『〈ツイッター〉にとって美とはなにか SNS以後に「書く」ということ』 : …

書評:大谷能生『〈ツイッター〉にとって美とはなにか SNS以後に「書く」ということ』(フィ…

年間読書人
2か月前
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ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 『たったひとつの冴えたやりかた』 : 「強く気…

書評:ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた』(ハヤカワ文庫)…

年間読書人
3か月前
11

岸政彦 『断片的なものの社会学』 : ラノベ的な「ライト学問」

書評:岸政彦『断片的なものの社会学』(朝日出版社・2015年刊) 本書は「紀伊國屋じんぶん大…

年間読書人
3か月前
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中井英夫論 「眠り男の迷宮・迷宮の夢」 : 『中井英夫全集[12]月蝕領映画館』月報 …

 【旧稿再録:初出は、2006年1月17日刊行『中井英夫全集[12]月蝕領映画館』。2005年後半に…

年間読書人
4か月前
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青島もうじき 『私は命の縷々々々々々』 : 二つの「挑戦状」

書評:青島もうじき『私は命の縷々々々々々』(星海社FICTIONS) 若い読者には、いささか敷居…

年間読書人
4か月前
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奥泉光 『東京自叙伝』 : 東京から日本全土に拡散した「地霊の呪い」

書評:奥泉光『東京自叙伝』(集英社文庫) 私が偏愛する作家の一人、奥泉光が2014年に刊行して話題作となり、同年の「谷崎潤一郎賞受賞」を受賞した作品『東京自叙伝』である。 私が奥泉に惚れ込んだのは、第2著作で第1長編となる『葦と百合』(1991年)を、刊行後しばらくした時期にたまたま読んで、すっかりその「異様な世界」にハマったせいだ。 『葦と百合』が、どういう作品だったかというと、言うなれば、中井英夫『虚無への供物』や竹本健治『匣の中の失楽』に連なるような「幻想ミステリ

カート・ヴォネガット・ジュニア 『タイタンの妖女』 : 「無意味の意味」の快楽

書評:カート・ヴォネガット・ジュニア『タイタンの妖女』(ハヤカワ文庫) カート・ヴォネガ…

年間読書人
5か月前
14

白川静・梅原猛 『呪の思想 神と人の間』 : 「白川学」 とは何か。

書評:白川静・梅原猛『呪の思想 神と人の間』(平凡社ライブラリー) 白川静は、『字統』(…

年間読書人
5か月前
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加治伸行 『 論語 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』 : 単なる「理想主義」に…

書評:加治伸行『論語 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』(角川ソフィア文庫) いまさ…

年間読書人
5か月前
22

「文芸批評」的に読むとこうなる。 : 平田雅彦・平田悠悟 『38万人を診た専門医が教…

書評:平田雅彦・平田悠悟『38万人を診た専門医が教える 自分で痔を治す方法』(アチーブメン…

年間読書人
5か月前
21

フィリップ・K・ディック 『流れよわが涙、と警官は言った』 : アイデアSFではなく…

書評:フィリップ・K・ディック『流れよわが涙、と警官は言った』(ハヤカワ文庫) 1981年に…

年間読書人
6か月前
17

オクテイヴィア・E・バトラー 『血を分けた子ども』 : 人種と被支配と性愛

書評:オクテイヴィア・E・バトラー『血を分けた子ども』(河出書房新社) オクテイヴィア・E…

年間読書人
6か月前
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木澤佐登志 『闇の精神史』 : 〈最後の選択〉の合理性

書評:木澤佐登志『闇の精神史』(ハヤカワ新書) 「闇の精神史」というのは、文字どおり「精神のあり方としての闇の思想、の歴史」ということだ。 軽く言えば「黒歴史」とも言えようが、「闇の精神史」が軽くはなく、実に「重い」のは、「黒歴史」の方は「みっともない過去を恥じる」という反省的な意識から主体的に語られるものなのに対し、「闇の精神史」で語られるものは、現在進行形の「自覚されない黒歴史」であるためだ。 「闇の精神」というのは、それを相対視する、本書著者など他者による「評価」で