加藤隆 『キリスト教の本質 「不在の神」はいかにして生まれたか』 : 身も蓋もない「本当の話」
書評:加藤隆『キリスト教の本質 「不在の神」はいかにして生まれたか』(NHK出版新書)
まず、メインタイトルがシンプルに『キリスト教の本質』である。
新書のわりには「大きく出たもんだなあ」というのが第一印象だ。しかも、サブタイトルが『「不在の神」はいかにして生まれたか』とある。この言葉を額面どおりに受け取るなら、著者は「(キリスト教の)神」は「存在しない」と言っているのであり、このサブタイトルの意味は「(キリスト教は)いもしない神を、いかにして捏ち上げたのか」ということに