2022年3月の記事一覧
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荒井献・ 大貫隆・ 小林稔・ 筒井賢治 編訳 『新約聖書外典 ナグ・ハマディ文書抄』 : 創作としての 〈キリスト教〉の成り立ち : 聖書外典の意味
書評:荒井献・大貫隆・小林稔・筒井賢治 編訳『新約聖書外典 ナグ・ハマディ文書抄』(岩波文庫) 「宗教」というものの「成り立ち」を考える人は、ほとんどいない。 それは「宗教」というものが、「世界の真理や真相」を語るものであるかのように自己申告しているため、「最初から、それ(結論としての真相)を知っていた」という印象を受けがち(与えられがち)だからだ。 しかし、現実は違う。 「宗教」は、徐々に(あるいは、時に素早く)作り上げられていった結果として、今ある「まとまった形」や「
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末木文美士 『死者と霊性の哲学 ポスト近代を生きぬく 仏教と神智学』 」 反近代・反世俗としての 〈霊性主義〉 ・ 末木文美士の逸脱
書評:末木文美士『死者と霊性の哲学 ポスト近代を生きぬく仏教と神智学』(朝日新書) 嫌な予感が当たってしまった。 本書著者の末木文美士は、一流の仏教学者である。その末木が、昨年(2021年)11月に増補版として刊行した『増補 仏典をよむ 死からはじまる仏教史』(角川ソフィア文庫)について、私は「仏典と対座する〈真剣勝負の書〉」と題するレビューを書き、仏教各派に偏りなく真っ向対座するその姿勢に好感を持ち、きわめて高く評価した。 しかし、その後に気づいたことなのだが、私はそ