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「宗教(キリスト教以外)」関連書レビュー

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キリスト教以外の「宗教」関連書のレビューを集めました。 後日、整理の予定です。
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2022年3月の記事一覧

ギレルモ・デル・トロ論 : 『ナイトメア・アリー』を中心に

映画評:ギレルモ・デル・トロ監督『ナイトメア・アリー』 本稿のメインタイトルとサブタイト…

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畑中章宏 『廃仏毀釈  寺院・仏像破壊の真実』 : 〈皇室における廃仏毀釈〉と 私た…

書評:畑中章宏『廃仏毀釈  寺院・仏像破壊の真実』(ちくま新書) 「明治新政府の推し進め…

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八代嘉美・海猫沢めろん『死にたくないんですけど iPS細胞は死を克服できるのか』 :…

書評:八代嘉美・海猫沢めろん『死にたくないんですけど iPS細胞は死を克服できるのか』(ソ…

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坂本勝監修 『図説 地図と あらすじでわかる! 古事記と 日本書紀』 : 内容充実の …

書評:坂本勝監修『図説 地図とあらすじでわかる! 古事記と日本書紀』(青春文庫) 書店の新…

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瓜生中 『よくわかる山岳信仰』 : 政治的フィクションに 汚されない 〈生活に発する…

書評:瓜生中『よくわかる山岳信仰』(角川ソフィア文庫) 日本の信仰は「山」に始まると言っ…

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佐高信『池田大作と宮本顕治 「創共協定」誕生の舞台裏』 : 〈中立的第三者〉など…

書評:佐高信『池田大作と宮本顕治 「創共協定」誕生の舞台裏』(平凡社新書) 「創価学会(…

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荒井献・ 大貫隆・ 小林稔・ 筒井賢治 編訳 『新約聖書外典 ナグ・ハマディ文書抄』 : 創作としての 〈キリスト教〉の成り立ち : 聖書外典の意味

書評:荒井献・大貫隆・小林稔・筒井賢治 編訳『新約聖書外典 ナグ・ハマディ文書抄』(岩波文庫) 「宗教」というものの「成り立ち」を考える人は、ほとんどいない。 それは「宗教」というものが、「世界の真理や真相」を語るものであるかのように自己申告しているため、「最初から、それ(結論としての真相)を知っていた」という印象を受けがち(与えられがち)だからだ。 しかし、現実は違う。 「宗教」は、徐々に(あるいは、時に素早く)作り上げられていった結果として、今ある「まとまった形」や「

ダンテ 『神曲』 : 信仰と現実の狭間で

書評:ダンテ『神曲』三部作(平川祐弘訳・河出文庫) 世界文学の最高峰。泣く子も黙る、ダン…

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小松和彦 『聖地と日本人』 : 〈怖さ〉を知らない 「楽しい学問」

書評:小松和彦『聖地と日本人』(角川ソフィア文庫) 日本において「聖地」と考えられている…

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電子掲示板「アレクセイの花園」が本年8月1日で、二十年余の歴史に幕を閉じます。

2001年1月1日に開設した、私(田中幸一・アレクセイ・年間読書人)の電子掲示板(BBS)「アレ…

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岡本亮輔 『宗教と日本人 葬式仏教から スピリチュアル文化まで』 : 〈信仰なき宗…

書評:岡本亮輔『宗教と日本人 葬式仏教からスピリチュアル文化まで』(中公新書) 本書は、…

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中村圭志 『西洋人の「無神論」 日本人の「無宗教」』 : 明晰な理性の書

書評:中村圭志『西洋人の「無神論」日本人の「無宗教」』(ディスカヴァー携書) 著者の本を…

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フェミニズムにとっての〈理想の男性像〉とは?

書評:石川優実 責任編集『エトセトラ VOL.4 特集:女性運動とバックラッシュ』(エトセトラブ…

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末木文美士 『死者と霊性の哲学 ポスト近代を生きぬく 仏教と神智学』 」 反近代・反世俗としての 〈霊性主義〉 ・ 末木文美士の逸脱

書評:末木文美士『死者と霊性の哲学 ポスト近代を生きぬく仏教と神智学』(朝日新書) 嫌な予感が当たってしまった。 本書著者の末木文美士は、一流の仏教学者である。その末木が、昨年(2021年)11月に増補版として刊行した『増補 仏典をよむ 死からはじまる仏教史』(角川ソフィア文庫)について、私は「仏典と対座する〈真剣勝負の書〉」と題するレビューを書き、仏教各派に偏りなく真っ向対座するその姿勢に好感を持ち、きわめて高く評価した。 しかし、その後に気づいたことなのだが、私はそ