植木雅俊 『法華経とは何か その思想と背景』 : 釈尊 「最高の教え」としての 〈法華経〉
書評:植木雅俊『法華経とは何か その思想と背景』(中公新書)
「法華経」と言えば、現代では「日蓮」を思い浮かべる人が多いだろう。そして「日蓮」と言えば「法華経こそが最高の教えであり、末法の世においては、他の教えで人々を救うことはできない」として他宗排斥を唱えた人であり、その意味で「創価学会」による戦後の「折伏」弘教を連想し、その押しつけがましさに、嫌な気持ちになる高齢者も少なくあるまい。また、日本の近代史を勉強している人なら、戦前戦中には日蓮の人気が高く、戦争推進者の中に少