井上光貞監訳 『日本書紀』 : 『日本書記』は 〈問題篇〉である。
書評:井上光貞監訳『日本書紀』(中公文庫)
本書・現代語訳版『日本書紀』は、どのような「動機」で手に取るのかによって、おのずと「楽しめるか否か」が変わります。
現代語訳なので、「文意」を読みとること自体は難しくありません。しかし、本書は「娯楽小説」ではありませんから、「歴史小説」や「時代小説」を読むようなつもりで読もうとすると、かなり「退屈な読み物」とならざるを得ない。
それは、全体として統一感のある『古事記』に比べても、「文学として読むのはつらい」という趣旨の断りを、監