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「宗教(キリスト教以外)」関連書レビュー

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キリスト教以外の「宗教」関連書のレビューを集めました。 後日、整理の予定です。
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2021年6月の記事一覧

末木文美士 『日本思想史』 : 〈叩き台〉としての 日本思想史

書評:末木文美士『日本思想史』(岩波新書) 著者も「はじめに」に書いているとおり、本書は…

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えらいてんちょう(矢内東紀)『「NHKから国民を守る党」の研究』 : YouTubeばかり…

書評:えらいてんちょう(矢内東紀)『「NHKから国民を守る党」の研究』(ベストセラーズ) …

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プラ・アキラ・アマロー (笹倉明) 『出家への道 苦の果てに出逢った タイ仏教』 :…

書評:プラ・アキラ・アマロー(笹倉明)『出家への道 苦の果てに出逢ったタイ仏教』(幻冬舎…

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ジュディス・バトラー 『分かれ道 ユダヤ性とシオニズム批判』 : 引き受けと〈超克…

書評:ジュディス・バトラー『分かれ道 ユダヤ性とシオニズム批判』(青土社) ごく短期間な…

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山本七平 『池田大作の日本人の宗教心』 : 〈かくれ棄教者〉 山本七平の 棚上げ信仰…

初出:山本七平『池田大作の日本人の宗教心』( さくら舎 ) 山本七平が「キリスト教カトリッ…

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賀茂道子 『ウォー・ギルド・プログラム GHQ情報教育政策の実像』 : 日本人として…

書評:賀茂道子『ウォー・ギルド・プログラム GHQ情報教育政策の実像』(法政大学出版局) …

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京極夏彦 『地獄の楽しみ方 17歳の特別教室』 : 京極流〈式神返し〉 あるいは、 デプログラム

書評:京極夏彦『地獄の楽しみ方 17歳の特別教室』(講談社) 私たちが「オリンピック」と呼び慣わしている「世界運動競技会」のことを、本書の著者・京極夏彦は「運動会」と呼んで見せている。 これは一種の「呪い」であり、「洗脳」行為の一種だと言っても良いだろう。 京極夏彦はどこかで「言葉とは、すべて呪である」というようなことを書いていたが、そのとおりで、言葉が意味を伝える道具である以上、それは自ずと、語り手の現実認識(解釈)を他者に伝え、影響・感化を与えるものなのだから、言葉と

西尾潤 『マルチの子』 : 弱き人のための〈叙述トリック〉

書評:西尾潤『マルチの子』(徳間書店) 著者は、「第2回大藪春彦新人賞」を受賞し、受賞作…

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礫川全次『日本人は本当に無宗教なのか』 : 〈習俗〉は破壊されたままなのか

書評:礫川全次『日本人は本当に無宗教なのか』(平凡社新書) 著者の博覧強記ぶりには驚かさ…

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佐藤優『日本国家の神髄 〜禁書『国体の本義』を読み解く〜』 : プロテスタントの〈…

書評:佐藤優『日本国家の神髄 〜禁書『国体の本義』を読み解く〜』(扶桑社) 本書は、いく…

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村上重義『国家神道』 : 〈フランケンシュタインの怪物〉的エセ宗教

書評:村上重義『国家神道』(岩波新書) 名著中の名著であり、すでに古典である。1970年の初…

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ディズニーアニメ 『ファンタジア』: その影響力と 杉野昭夫

映画評:ベン・シャープスティーン監督『ファンタジア』(ディズニー) クラッシックの代表的…

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ある〈ネトウヨ 〉との対話

昨日は、noteを始めて、最初となると「ネトウヨ」さんとのやりとりをしました。 私が一方的に…

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ジャン=ガブリエル・ガナシナ 『虚妄のAI神話  「シンギュラリティ」 を葬り去る』 : エセ知識人の 権威主義的〈被害妄想〉

書評:ジャン=ガブリエル・ガナシナ『虚妄のAI神話 「シンギュラリティ」を葬り去る』(ハヤカワ文庫NF) 本書は「シンギュラリティ論のうさん臭さ」を批判した批評書だが、残念ながら、著者自身が自負するほど科学的なものではなく、むしろ人文学的な「美意識論」に過ぎないものとなっている。 私自身、完全に人文的な人間ではあるのだが、だからこそ、著者の自己愛的な議論の独善性が、鼻ついて我慢ならない。 著者の「肩書き」を過信し過大評価している方もおられるようだが、それは著者自身が本書に