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「ミステリ・SFなど(純文学系以外)」関連書のレビュー

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もとより文学におけるジャンル分けは恣意的なものとならざるを得ないが、ここでは「娯楽性」に主眼を置いた、小説やマンガ、映画などの作品を扱ったレビューを紹介します。
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記事一覧

北村紗衣教授に関する提言 : 蓋句智女の呟

与那覇潤氏のnote記事「嘘でも他人を「ミソジニー」呼ばわりすることの意外な効用」によると、…

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北村紗衣 『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』 : 子供騙しな子供向けフェミニズム

書評:北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入…

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ポール・W・S・アンダーソン監督 『イベント・ホライゾン』 : 「才能」の質

映画評:ポール・W・S・アンダーソン監督『イベント・ホライゾン』(1997年・アメリカ映画) …

年間読書人
10日前
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ウディ・アレン監督 『カイロの紫のバラ』 : 弱者への温かな眼差し

映画評:ウディ・アレン監督『カイロの紫のバラ』(1985年・アメリカ映画) ウディ・アレン監…

年間読書人
2週間前
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「表象文化論」とは何か? : 蓮實重彦、松浦寿輝、、、北村紗衣…

「表象文化論」という言葉を、ご存知だろうか。 若い人なら知っているかもしれないが、高齢者…

年間読書人
2週間前
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安彦良和 「描く人、安彦良和」展 : 私自身の「回顧展」

展覧会評:「描く人、安彦良和」展(兵庫県立美術館) 先日、兵庫県立美術館で開催中の「描く…

年間読書人
4週間前
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川野芽生 『無垢なる花たちのためのユートピア』 : 個人の尊厳と 種の滅亡

書評:川野芽生『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社) 2021年刊行の第1歌集『Lilith』で「現代歌人協会賞」を受賞し、その次に刊行したのが、第1小説集たる本書『無垢なる花たちのためのユートピア』である。 つまり、川野芽生は、歌人にして小説家であり、さらに言えば、かなり先鋭な批評家でもあって、決して「耽美華麗な幻想を描く作家」などという、オタクな「村落」的枠組みに収まるような人ではない。 第2著書となる本書の刊行以降、この2年の間に、第2歌集『星の嵌め殺し

リー・アイザック・チョン監督 『ツイスターズ』 : 決してひとりでは見ないで下さい…

映画評:リー・アイザック・チョン監督『ツイスターズ』(2024年・アメリカ映画) 特に論じる…

年間読書人
1か月前
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ジョン・ヒューストン監督 『マルタの鷹』 : 「非情」とは、こういうことさ。

映画評:ジョン・ヒューストン監督『マルタの鷹』(1941年・アメリカ映画) 本作も、本来なら…

年間読書人
1か月前
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藤本タツキ 『さよなら絵梨』 : 「さよなら、またね」

書評:藤本タツキ『さよなら絵梨』(ジャンプコミックス・集英社) テレビアニメにもなった『…

年間読書人
1か月前
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ゴダールの本質を、わかりやすく説明しよう。 : ジャン=リュック・ゴダール論

ついに、ジャン=リュック・ゴダールという映画作家の本質が、理解できた。そう確信することが…

年間読書人
1か月前
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押山清高監督 『ルックバック』 : リアルとフィクションの「幸福な出会い」

映画評:押山清高監督『ルックバック』(2024年) 評判に違わぬ傑作である。アニメ作品として…

年間読書人
1か月前
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吉田健一 「饗宴」ほか 「日本幻想文学集成16」 : 朗らかで自由で頑固だった、 酒好…

富士川義之編『日本幻想文学集成16 吉田健一 饗宴』(国書刊行会) 吉田健一を初めて読んだ…

年間読書人
1か月前
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フランソワ・トリュフォー監督 『ピアニストを撃て』 &『あこがれ』 : トリュフォーの「嘘と真」

映画評:フランソワ・トリュフォー監督『ピアニストを撃て』&『あこがれ』(1960年・1958年、フランス映画) フランソワ・トリュフォーという作家の特質が、かなりハッキリと見えてきた。本稿では、それをご紹介しよう。 本稿も、一応はいつものパターンで「映画評」としており、もちろんここでも『ピアニストを撃て』と『あこがれ』の2作を論評しはするのだけれども、本稿の目的は、「作家主義」という建前における作者であるフランソワ・トリュフォーという「作家」を論じることにある。つまり、本稿