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しろたえ

スアーっていって四角いチーズケーキをいただきたい。

それは虎屋の小型羊羹くらいの大きさで、小さくてかわいい


中学一年生のとき、先生が私たちのことが大好きすぎて
しろたえのチーズケーキをくれた。

となりの子と半分こして食べてといったそれは、
綺麗に半分こにできた。

味は、おいしかっただろうが、あまりチーズケーキに思い入れはないので
感動はしなかったが、
銀紙の感触と上に乗ったピスタチオをどちらサイドに切り込むかが記憶に残っている。

そして、17年後?しろたえのお店に初めてはいった。

そこは小さいお家という表現がはまる小さいかわいいお店だった。

お茶をしたら1300円くらいかしらと心して入ると、
まずショーケースからケーキをひとつ選んでよ、と。
そこから2Fの喫茶室にご案内しますスタイル。

チーズケーキを食べる気持ちだったが、チョコレートケーキに気持ちを持っていかれた。
そう、私にとってチーズケーキとはそのくらいの存在なのだ。

そして、お値段はというと一つ200円〜300円台のリーズナブルな価格。

さぞお飲み物は800円くらいするんでしょうと思いきや、400円。
席についてそうそうにオーダーをきく定員さん。

まわりを見渡すとケーキを2つ頼んどる!

これがしろたえスタイルなのかと納得した5テーブルばかりの小さい喫茶。

洒落た音楽もかかってなかったような。

古い椅子とテーブルに恋したような。
これは複製できないのだ。

この古い家具もそっけないを飛び越えた。ケーキはおにぎりですばりの接客とか。
ケーキも焼き菓子もここにとっては日常なんやと思った。

長居をしようとかでなく、立ち食いそばのようにケーキをいただき、紅茶をひとくち。

ここは、赤坂のまちにとって、まちのおにぎり屋さんみたいな存在やと思った。

あの頃たべたチーズケーキは今どんな味なんやろう。

たぶん、半分こがちょうどいい。今も昔も私にとっては、半分このチーズケーキが、しろたえのチーズケーキなんだ。

次はお友達ときて、半分こしようと思う。

2021.05.20
nengyuan


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