妊娠中に虫歯が見つかった!麻酔・レントゲンは赤ちゃんに影響がある?!
妊娠中に虫歯が出来てしまった!!あなたならどうしますか?
母子手帳には、妊娠安定期(おおむね4-8か月)に歯科治療をしましょうと記載がありますよね。また無料歯科検診券が配布される地域もあるため、妊娠中に検診に行き虫歯に気づくケースもあるのではないでしょうか?
今回妊娠中に虫歯が見つかった場合、治療を行う判断はどのようにしたらよいか、について紹介していきます。
妊婦の虫歯治療における麻酔とレントゲンは危険?
医学的には局所麻酔、歯科で取るレントゲンの被ばく量においての胎児の奇形、流産の危険性はないと考えられています。
小さなレントゲン1枚をとった場合の被ばく量は、「日向ぼっこ2.3時間程度」。口の中全体のレントゲンは、「飛行機でアメリカ旅行往復程度」。局所麻酔の量は、「帝王切開時に使用する麻酔量と比べると1/100以下」と言われています。
妊娠いつぐらいが治療するのに安心なのか?
妊娠している場合に虫歯の治療を受ける場合は、「妊娠4~8か月ごろに治療するのが安心です。
その他、以下では妊娠期間ごとの目安を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
妊娠初期 0~3か月 初期は胎児の諸器官が作られる大切な時期です。ほかの時期に治療を受けたほうが安心です。
妊娠中期 4~8か月 このころに治療を受けるのが安心です。麻酔が必要な虫歯や抜歯含めてだいたいの治療は可能です。
妊娠後期 9~10か月 治療は可能ですがお腹が大きくなり仰向けに長時間座っているのが辛い時期です。
妊娠7か月の時、詰め物が取れてしまったことがあります。歯医者に予約の電話をすると「産婦人科の担当医師に治療の許可をもらってから治療に来るように」と伝えられました。妊婦検診時に確認をし、麻酔を使用した治療も安心して受けることが出来ました。
歯科医師は何で判断しているの?
まずは痛みの有無と虫歯の進行度合いです。
痛みがない歯周病治療、クリーニングは妊婦でも行うべきであり、歯周病になると歯周病菌が発生。歯周病菌は早産、低体重児出産のリスクを高めることがわかっています。
進行度とは、以下のように考えます。
第一の死 歯を削る
第二の死 神経を取る(抜髄)
第三の死 抜歯
第一と第二が境界線と言われ、出産を終えた半年後に虫歯の歯が神経を取る状態まで進んでしまうか否か?で歯科医師は判断します。
最終的な判断は歯科医師か患者本人がするもの?
歯科治療後に何らかの原因で流産や早産があった場合、原因を探そうと女性が自分を責めたり家族に問われてしまうケースがあります。最終的な治療のは判断は妊婦自身が行うべきでありそれまでに疑問に思うことは担当医師に納得がいくまで質問し説明を受けて治療に臨むことが大切です。
妊娠中の歯のトラブル
筆者も妊娠中、歯のいろいろな問題に悩まされました。妊娠が直接的に虫歯につながることはありませんが、妊娠による関連事象がトラブルを引き寄せていることはいえます。
ひどい吐きつわりー歯茎のただれ、脱灰(歯の表面からミネラル分が溶け出した虫歯一歩手前の状態)が見られます。
食べつわりー食事回数増加、不規則な食事時間による口腔内環境の悪化は起こります。
ホルモンバランスの変化、睡眠が深く取れないストレスー歯の食いしばり、歯ぎしりの症状が現れます。
産後に治療すればいいか!!
産後に治療を先延ばしてしまう気持ちもわかります。
母乳育児の場合、授乳間隔の調整や直接的に赤ちゃんに影響が出る内服薬(鎮痛剤、抗生剤)の使用に配慮が必要です。
近くに頼れる人がいない場合、複数回にわたる治療に通うことが難しくなります。
ホルモンバランスの急激な変化により痛み止がきかなかったり炎症が収まらないケースも経験しました。
身重と呼ばれる妊婦さんですが・・・実は産後に比べたら身軽かもしれません。ご自身がきちんと納得して適切な時期に治療を受けることが重要でしょう。
※当記事は二児のママであり歯科医師である先生にご回答いただいたものです。
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