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出来ないを超えて

社会人になって、四国に転勤という形で移住した。

大学に入学した時の私が聞いたらきっとびっくりするし、あり得ないと感じるだろう。
なんなら、海外を目指し始めた高校受験中の私だったら失望すら覚えるだろう。

夢も希望もへったくれもなかった中学生の私に楽しそうな未来をくれたのは“海外”だった。

日本なんて脱出して、知らない土地で暮らそうと国際系の高校、大学と進んだ。

留学運がないのかもしれない。

高校の修学旅行は、英語が使えるマレーシアだと思っていれば、イスラム情勢の関係で台湾になるし。(楽しかったけれど)

アメリカの短期高校訪問では、桜が見れると思って行ったら10年に一度の大雪が降って、アメリカまで行って雪遊びをした人になり。

そして留学必須の学部に入れば、コロナで二転三転、海外なんてほとんど触れずに終わってしまった。

そんな私を釘付けにしたのは、何を思ったか、日本の、“田舎”だった。

留学の代わりに何かできることを探した時に、コンビニもスーパーもない、人口400人しかいない福島の村でのインターンを見つけた。

最初はオンラインだったし、経験値の代わりでしかなかった。
しかし、村に行ってみると、すっかり田舎に憧れるようになってしまったのである。

もちろん、1ヶ月ほどあった滞在、およびその後の中で、田舎の嫌な面を見たり聞いたり感じることはあった。

それでも、喧騒とした都会にうんざりした私にとっては、別の国の留学先のようだった。

その後は日本の田舎を少し周り、住んでみようと思ってしまった。

元々中小企業やNPOに進路を考えてた私が、

せっかくなら、全国転々と住んでみたい!と思い全国展開大企業にのみこまれ、配属先を、適当に、高知に決めた。

人生よく分からない。

今の所高知は楽しい。

大学4年間を振り返ると、出来ないことの方が多かったし、あと8年は大学生でいたいと思った。
コロナ禍で失われたものもたくさんあると思う。
その傷や辛さは人と人で比べられるものではないと思うし、誰かが勝手に乗り越えなきゃいけないというのは残酷だろう。

人生は戻れないが、進むことはできる。
この悔しさはきっと忘れない。

それでも、福島の友人たちに出会わせてくれてありがとう。いろんな田舎で色んな人に出会わせてくれてありがとう。

中学生、高校生の私へ
私はもう少し日本で頑張ってみようと思います。

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この文章は、「#いまコロナ禍の大学生は語る」企画に参加しています。
この企画は、2020年4月から2023年3月の間に大学生生活を経験した人びとが、「私にとっての『コロナ時代』と『大学生時代』」というテーマで自由に文章を書くものです。
企画詳細はこちら:https://note.com/gate_blue/n/n5133f739e708
あるいは、https://docs.google.com/document/d/1KVj7pA6xdy3dbi0XrLqfuxvezWXPg72DGNrzBqwZmWI/mobilebasic
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また、これらの文章をもとにしたオンラインイベントも5月21日(日)に開催予定です。
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