M君と学ラン
私達の学校の制服は、男女ともに、少し変わった制服だった。
男子は学ランだった。
あんまり書くとどこの学校か分かってしまうので詳しく書けないけど
私は彼が大好きで、この学ランはM君が一番似合うとさえ思っていた。
朝の登校も一緒、休み時間も一緒、付き合いたての頃は同じクラスだったから授業中も同じ教室にいる。
トイレに行く時間以外はいつも一緒だった。
ある時、彼が言った。
「また、野球やりたい」
彼は腕を怪我していて、少年野球から中学も野球をやっていたけれど
高校に入って一年目は帰宅部、2年のはじめに骨折。
そして骨折からのダメージから復活した頃、やっぱり野球部に途中入部したいと思ったそう。
野球部に戻りたいと聞いたときは、正直・・今みたいに一緒にいる時間が無くなっちゃうと思ったけれど、私の弟も野球に時間を多く使っている生活で、なんとなく理解もできた。
なので、それから私はアルバイトの時間を増やしたり、
2年生の後半からは短大の推薦を取るために校舎で放課後も勉強をしたりと
時間の使い方を変えた。
彼がやりたいことを、やって欲しかったから。
彼がやりたいことをして、私も自分磨きができるなんて最高。
起動に乗り始めてからは、そう思えるようになった。
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