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話しかけられ体質。

コンビニが好きでよく立ち寄るが、家の近所のコンビニにはお昼から夕方くらいまでのパートさんであろうおばちゃんがいる。

コロナ禍の前のエピソードにはなるが、私はコンビニのレジ横にあるおでんが大好きだった。
風が冷たい、寒い季節になるとコンビニおでんを食べたくなる衝動に駆られるので、これまたコンビニに立ち寄る機会も増える。



そんなある日も”おでん食べたい衝動”に駆られて私は上着を羽織りお財布だけ持ってコンビニにおでんを買いに出掛けた。

レジでおでんを頼むとおばちゃんは、テキパキとほっかほかの銀色のおでんが煮えている鍋の上にかぶさっている透明の蓋を開けて、大きい方のおでん専用のカップとお玉を持ち、私がどのおでんを取れと指示してくるのかを待ち構える。

大根、たまご、餅巾着、糸こんにゃく、ロールキャベツ、ちくわぶあたりを私はよく食べる。


お出汁を並々に注いでもらって、小さい袋のお味噌を二つもらう。
岐阜出身の私はやっぱり味噌おでんが一番好き。コンビニで薬味としてもらえるそれは実は求めている味のお味噌とは若干違うけど、絶対に貰う。



「おでん、ありがとうね〜。美味しいわよねえ」

突然、話しかけられた。人見知りな私はコンビニでレジの人に話しかけられるなんて初めての体験だったためびっくりして反射的に愛想笑いをした。

「えへへ、、」

としか言えない私に嫌な顔一つせず、おばちゃんは

「気をつけて持ってってね、ありがとう」

と優しく声をかけてくれた。


一人暮らしだとどうしても人と会話する機会が少なくなる。
友達や家族に電話をする気にもならない日だった時には、下手をすれば一言も声を発していない時すらある。
全く知らないおばちゃんとのたったそれだけの会話がすっごく嬉しくて、心が温まってマスクの下でにまにましながら帰った。



また別の日、家の近所の違うコンビニで、新作のポテチを見つけてレジに向かった。
CMで見て気になっていて、実際に見つけたら買おうと決めていたのり塩味に七味をまぶした絶対に美味しいだろうなと確信のやつ。


レジには、パートさんであろうおばちゃん2。
商品をレジに出しポテチをスキャンして、そのポテチの袋をよく見た後、セルフレジにお金を投入する私の顔をまじまじと見て言った。

「これ、美味しそうねえ」

食べてみたいと思っていたのだろうか、そのかわいい一言に思わず少し吹き出してしまった。
前回の反省があって、突然話しかけられてもびっくりして黙らない事を頭の片隅に置いていた私は返事をする。

「そうですよね!美味しそうでつい買っちゃいました!」

よし、思った通りの会話ができたぞ!と心の中でガッツポーズ。
私が返事をすると、やはりさっきの「美味しそうね」というセリフは思わず口から出てしまった言葉だったのか少し恥ずかしそうににっこりと笑いながら頷き、

「ふふふ、ありがとうございました〜。」

と言ってくれた。



それだけの会話もポテチのおかげで生まれたのが嬉しくて、新作のポテチに感謝した。
またもや私はマスクの下でにまにましながら帰った。マスク必須の時代でよかった。



私が話しかけられやすい体質なのか、おばちゃんたちの気遣いなのかは分からないが、地元から離れて10年経った今も寂しさに駆られることがある私にはすごく便利な体質を持ったなと思う。

東京で暮らし、知らない人との会話が生まれにくかったり、ご近所付き合いがない生活の私にはこんなにも他愛ない、何でもない会話がとても嬉しかったりする。

話しかけられ体質に生んでくれてありがとう、まま。

🤗


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