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一人の時間が好き、なはず。

私は昔から一人が好きで、家族と過ごしている時間であっても気になる本やゲームがあれば家族がどんなに楽しそうな会話をしていようと、同じ空間で一人の時間を過ごすようなマイペースさを持って育ってきました。

でも地方にお仕事で行った時の前乗りのホテルのシングルの部屋や、一人旅行はちょっと苦手。

それはなんでかというと極度にお化けが怖いから。
どんなに小さな物音だって自分の発した物音でない限りビビり倒します。

特にホテルなんかだと冷蔵庫の音とか空調の音とか、客室の廊下を通る他のお客さんの足音とかが定期的にする。その全部が怖い。どうしても怖い。
その物音のする場所まで見に行く勇気もなければ、その場で固まってしまうほど…。

先日、ロケに前乗りをした日があった。18時頃には無事にチェックイン。マネージャーさんにもホテルに到着したことを連絡。何ら滞りない。

さて…ここからはシングルの部屋に翌日の早朝まで一人きり。
まあ、私ももう26歳になったし、大人だし10代の頃の全国ツアーの時に数え切れないほどホテルには泊まったし、全然余裕だろうな何故か根拠の無い自信を持って臨んだ。


しかし現実はエレベーターを登ってすぐ私の前に現れた。
エレベーターを出た真正面には大きなピッカピカの鏡。そこに映る私。まず自分に驚いた。人がいるのかと思って驚いた。それは自分です。予想外の場所にある鏡ほどどきりとするものはない。

ホテル特有の歩きにくいフカフカな、ちょっと薄暗い静かな廊下も本当に怖い。いつどの部屋から人が出てくるか分からないし、もしかしたら気が付かない内に人が後ろに立っているかもしれない…
部屋を探す時間も巻きたい、のに部屋番号を探すのもいつも手こずる。

無事に部屋に入れたら次は、クローゼットやシャワールームにトイレ、あらゆるドアを開けて回る。もうそれは「隣のトトロ」の古い家を全力で駆け回るメイちゃんよろしく真顔で勢いよく開けていく。閉まっている扉の中に何も無いことを自分で確認しないと怖いのだ。

その様子を他の人が見たら、お化けより真顔でガンガン扉を開けていく私の方がよっぽど怖いだろうなと書いていて思った。

ホテルから見えた夜景がものすごく綺麗だった。

部屋の安全(?)を確認した後、大人になった私は荷物を置いてスマホと財布と鍵を持ってあらかじめロビーで聞いておいたコンビニに行くことにした。
ホテルにはサービスの水もお茶もコーヒーもあったけれど、チェックイン後に好きな物を買いに行けるのは、なんか大人だからだ。

10代の頃のホテルといえばチェックイン後は本当に大人しく、時には
メンバーとガールズトークをしながら朝まで部屋にいることがスタンダードだった。当たり前だ、危ないし。


コンビニに行くにはさっき苦労して通ってきた廊下やエレベーターを戻ることになる。でも、どうしてもコンビニに行きたい。大人になっていることを実感したい。

意を決して部屋の外に出た。迷わずにコンビニに辿り着いた。


ホテル泊の日、一晩でどのくらいの量の飲み物(ソフトドリンク)やおつまみ(お菓子)を自分は消費できるのかあまり計ったことがない。残ったら持って帰ればいいじゃないかと思うと思うが、翌日にあまり荷物を持っていきたくない。

そんなことを考えながら選んでいると中々買うことが出来ず、なんと40分くらいコンビニの中を徘徊していた。店員さんにチラチラ見られていた。迷子だと思われないか不安だった。

今思えば、10代の頃はメンバーが買っていくものを盗み見て自分も同じものを買ったりしていた。グループ卒業後も言うほど旅行経験があるわけじゃない、一緒に行った姉や友人の真似をして買っていた。
私は一人では何も決められないのか…と少し落ち込んだ。大人になったことを自覚したくて行ったコンビニ相手に落ち込むことになった。


その日は結局、水と朝飲む用のコーヒーと、免疫を高めてくれる飲むヨーグルトとお菓子数点と果物のゼリーを買った。
買って帰った後、部屋でやることがなくてゼリーとお菓子を全部食べた。明日撮影なんだから控えないとと思いながら全部食べた。
…買いすぎたな、と反省した。


ホテル宿泊問題は更に続く。
シャワーの時間だ。シャワーの時間ほど背後が気になることはないと思う。洗面台にはでっかい鏡もある。メイクする時には便利な大きな鏡もこんな時ばかりは憎い。半目の状態で一生懸命お化けのことを考えないようにシャワーを浴びる。

ちなみにドライヤーの間も半目でやり過ごす。ドライヤーの音がうるさい間は翌日の台本を頭の中で反芻しながら気を紛らわす。


やっとのことでベットに入る、パリパリのシーツが落ち着かないけどフッカフカのベットはやはり気持ちが良い。唯一ホテル泊の好きな点かもしれない。
電気は全部消さないと眠れないので本当に眠たくなるギリギリまで薄灯をつけていた。無音を避けるために流していたテレビを消してから音速で布団の中に潜り、周りをあまり見ないようにして眠気が来るのを待った。

なかなか来ない…

と言うよりはやはりホテル特有の小さな物音が聞こえてきて気になって眠りにつけなかった。


結局、その日の睡眠時間は1時間ほどだった。



大人になるにつれて、椎茸が食べられるようになったり、我慢する癖がついたり、お金に関する知識がついたり色んなことが出来るようにはなってきているけれど、大好きな一人時間は同じ空間に人がいたり安心できる家の中で実現できる贅沢な時間なんだな、と心底感じた1日でした。


最後まで読んでくれてあがとう!
今の髪型こうなってるよー!
一週間お疲れ様でした😉






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