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「君の名は希望」が生んでくれたもの。

最近この曲のタイトル通りに、色んな人の色んな状況に希望を贈れていた事を改めて知る機会があった。
そのお話をしてくださった方に許可をいただいたので少し聞いてほしい。

君の名は希望は乃木坂46の曲であり、私自身の初めての選抜曲でもある。とても思い出深い大好きな曲。

今でも忘れないのは選抜発表の瞬間。
自分で選抜かアンダーかを確認しにいかなければならない方法で、重たい空気が部屋中に漂っていた。

当時の私は選抜入りの経験はなく、自信も底を付いていたように思う。
選抜に入っていないかもしれない現実を自分で引きにいかないといけない状況で心は結構ギリギリの状態だった。

でも、自分じゃないメンバーの結果が出続けて、消去法で自分の立ち位置を知ることは絶対に嫌だと強く思った。

自分から動いた結果、私は選抜メンバーとしてこの曲に参加できることを知った。

自分で掴んだ結果だ、と思えた。


それから約9年。
姉の職場の先輩である、ある1人のお母さんに会うことになった。
不登校を経験していた私の話を聞きたいと言ってくれていて私の話でよければ…とお会いすることになった。

姉は私のことを芸能の仕事である事はお話ししていたようだが、アイドルをやっていたことはわざわざ伝えていなかった。
私と会うことを決めてくれたその方は、前日に私の名前を検索して眠れなくなったという。

それはただ単純にアイドルを好きな方だったわけではなく、乃木坂の事も詳しくは知らなかったそう。

彼女が当時、乃木坂を知ったきっかけはラジオで流れてきた「君の名は希望」だったそうだ。

話を聞くと出産後にメンタル面での不調から辛い思いを経験していたそうで、暗い部屋で「君の名は希望」を聴き良い曲だなと思ってその時の乃木坂について詳しく調べていた。
後にも先にもこの曲だけにハマっていたのだというから本当に驚いた。

そんな辛い経験を乗り越えた彼女ははっきりとその時のことを覚えていてくれ、私の名前も目にしていたことを思い出したと真っ直ぐに私の目を見つめながらお話ししてくださり、救われていたと何度も何度も語ってくれた。

本当の意味で「君の名は希望」が繋いでくれたご縁だった。

握手会に参加してくださっている方以外からこんなお話が聞けることはあまり経験がなく、この仕事を選んだことを、乃木坂のメンバーとして活動していたことを誇りに思えた。

本当にたまたまの偶然ではあるがこんなことがあるんだな、と思った。



そのお話を聞いて、私は思い出した。本当に色んな事を思い出した。
メンバーみんなで全国に握手会やライブで回ったこと。各地で本当にたくさんの人が私達に会いに来てくれたこと。

握手会で沢山の方が会いに来てくれていた。
みんな思い思いの感想や感動を伝えてくれて、白いパーテーションの中で待っている私に、ずっと応援してくれている人たちが楽しそうに話題を提供してくれて幸せな気持ちを抱えていた。
同時に体力的な疲れも、話し続けるしんどさももちろんあったけれどそんな事は全部忘れてしまった。

今になって分かる事だけれど、握手会に来てくださっていたみんなにはみんなのそれぞれの人生があって事情があった。それを話してくれる方もいた。
10代の私には抱え切れないほどの悩みや事情を持ったまま、アイドルと言う存在に希望を見出してくれていた。

それだけのことを今でも鮮明に思い出して感じられるくらいにみなさんの気持ちを受け取っていました。

なんて幸せな仕事を選んだんだろう、改めてそう思いました。


今回の出来事で会ったことも無い、顔も知らない誰かの希望になれることなんてそうそう経験できることではないなと思い知らされた。
当時はただただ自分の夢を追っていただけで、自分がいるグループが与える影響とかそんな事は全く想像もできていなかったな…と感じた。

後悔があるとしたら卒業を境に出会わなくなった人たちが数え切れないほどいて、その機会を経験できなかった事だろうか。

逆に言えば、私が在籍していた当時に出会えて今でも繋がっている皆さんとは本当に深いご縁なんだろうなと思う。

感謝してもしきれないです。本当にありがとう。😊


卒業してからは自分の将来に対して色々悩んだりもするけれど、アイドルであった自分にしか作れない道をきちんと自分の手で作り上げようと心に決めました。

私の経験は私だけのものであり、誰かのこれからの希望になり得るかもしれなくて…だから表現をすることや伝えることを辞めずに生きていきたい。

経験に勝るものはないと、その気持ちで一歩ずつ、また誰かの希望になれるように。


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