泣けないあなたへ、泣きたくなったあなたへ

昨日、久しぶりに大声を出して泣きました。
最近いろんなものに人生や生活を阻まれ、ストレスによる発作を何度も起こしたりしていたのです。

ここ数週間は、ちらほら泣くこともあったけど、人前では笑うことしかできなくなっていました。
感情が麻痺している感覚だったのです。
誰もがそういう経験があるんじゃないでしょうか。
人に「大丈夫?」と言われると、咄嗟に「大丈夫だよ」と本当は辛いのにその気持ちを隠してしまうこと。
生きているのに死んでいるみたいな感覚に陥ってしまうこと。
感情を人前で出したらいけないと思っているうちに、ひとりでも泣けなくなって、もはや何が辛いのかわからなくなって、感情が一周してしまう経験はありますか?
今、あなたはどんな気持ちですか?

涙には「コルチゾール」と呼ばれるストレス物質が含まれていて、それを流すことで体内の浄化、心の健康に良いとされているそうです。
でもこの社会、特に日本は「我慢することが美徳」とされ、世の中に感情までもをコントロールされる人は少なくありません。
例を挙げると、緊急入院をしたお母さんと、突然離れ離れになった子どもが涙を我慢して生活することを、人は「いい子」とか「偉い」とか言いがちです。
それは本当でしょうか。
本当の美と言えるのでしょうか。

わたしは昨日までにたくさんの葛藤を、この数週間で経験しました。
一銭も受給できない年金や、転院できない病院、もちろん仕事でも葛藤がないわけじゃないし、プライベートもうまくいかないことだらけ。
そんな日々を過ごしていて、日に日に顔色は悪くなっていきました。
「大丈夫?」ときかれて「大丈夫だよ」と答えていたわたしは、全然大丈夫じゃなかったのです。

この数週間、わたしは「この世界から隔絶した生活を送りたい」とずっと思っていました。
もう疲れた。もう苦しい。病気の体を抱えて生きていくのはしんどいし、でも当たり前だけどこの気持ちは誰にもわからなくて、でもひとりで全部を抱えていくのは辛い。
そんな日々を送っていて、ある日感情が抜け落ちたように、笑うことしかできなくなり、誰に相談していいかわからなくなって、わたしの人生というステージに、たったひとりの自分しかいなくなってしまったのです。

世の中には「泣いててもしかたないから泣かない」という人もいるけど、泣くってすごく大事な感情だと思います。
泣くことで悲しみを全て洗い流せるなら、泣いたほうがよっぽどいいし、泣いてるその瞬間前を向けなくても、泣くことで全部がリセットされて、前を向くきっかけになるからです。

わたしみたいに声をあげてわーっと泣けなくても、泣く手段はなんでもいいです。
映画でも、本でも。
でも1番いいのは、人の前で泣くことです。
これはわたしの持論ですが、涙は絵や音楽と同じで人に見られて初めて昇華すると思っています。
本当に人前で泣くことができないならひとりで泣いても全然それはいいと思うのですが、わたしの場合は人前で泣くことで自分の抱えた荷物を半分相手に委ねられるから、人前で泣きます。
実際ひとりで泣いても、誰も掬い取ってくれる人がいないから、虚しいだけだってことに、ひとりで泣いている日々を送って気づいたんです。

泣くことで人に迷惑をかけるんじゃないか、困らせるんじゃないかと思う人もいるかもしれません。
でもお互いにお互いの前で泣きあうことができるくらいの関係性が1番いいと思っています。
日本では人に迷惑をかけるなと教えられるけど、インドでは、人に迷惑をかけていいから自分も人を許しましょう、と教えられます。
お互いに泣きあうことは相互扶助です。

わたしは昨日母に話を聞いてもらって、「辛かったね」と共感されたことでとんでもなく涙が出ました。
次に母が辛い時、わたしも母の涙を受け入れたい。
相手の涙を許すことも、また自分の涙を許すことにつながります。

大人だから泣かないとか、子どもだから泣いていいとか、そんなのも結局勝手に作られた概念でしかなくて、大人も子どもも同じ人間なんだから、誰が泣こうが自由だと思います。
いいんです、泣いても。
泣くことは心のデトックスです。
泣くことで見える景色や、泣いたから得られるものだってたくさんあります。

泣けないあなたはよく頑張ってる。もう頑張らなくていいよ。

これから前を向いて、また歩き出すために、積極的に涙を流していきましょう。

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