好きリスト

谷川俊太郎の、詩を読んだ。

「好きリスト」

ただただ、好きなものが羅列されたその詩は、谷川俊太郎の好きなもので溢れていた。

ただの羅列なのに、とても目を惹かれた。

私は自分が何を好きか、説明できるかわからなかった。

何となくの好みで生きてきた人間なので、改めて羅列するという行為がとても衝撃的だった。

自分の好きなものは、なんだろう。

私は水色が好きだ。

色んな色が並べられていると、どうしても水色に手を伸ばす。

幼少の頃から好きな色で、プリキュアだったらホワイトが好きだし、ランドセルも水色だった。

ギターも水色で、部屋も水色(にしたい)。

私が自信を持って言える「好き」だ。

私は食べることが大好きだ。

白いご飯が特に好きで、それに合うおかずだったら何でも食べる。

肉、魚、野菜、全部好きだ。

嫌いなものが無い、だから突出して好きなおかずもない。

最後の晩餐はこれ!と言った食べ物が無いので「好き」の自信がない。

私は音楽が好きだ。

メロウな音楽や電子音が沢山入った音楽が好きだ。

しかし、友人や恋人にオススメされた音楽に強く惹かれる傾向にある。

その結果、私の好きな音楽のほとんどが、誰かしらからがオススメした音楽だ。

自分から音楽を開拓することもあるが、途中で諦めてしまったり、飽きたりする。

音楽は好き!と言えるが、雑食で友人からオススメされた曲ばかりを聴くので「好き」を熱く語れる自信はない。

私は恋人が好きだ。

初めて異性と付き合うことになった相手、興味本位でのお付き合いだったが、相手の魅力に惹かれて、相手の考えに惹かれて、今日まで続いている。

(伝え方はたまに間違えてはいるが)意見をはっきりと述べ、影で努力をし、私が知らない世界のある程度の知識を持つ。

人にプレゼンするのが得意で、趣味も合うため話していて楽しい。

笑った顔や低い声も魅力的だ。

私の些細な変化にも気づき、褒めたり心配したりしてくれる。

しかし、気分屋で、良くも悪くも自身の考え方を曲げない。

ドタキャンもよくするし、LINEの返事も適当、気分が乗らないとあまり会おうともしない。

「誕生日を祝う理由がわからない」と言って誕生日さえ祝ってくれない。

誕生日は祝う物で、それが当たり前に生きてきた私にはその考え方が理解出来ずに本当にショックだった。

彼は彼なりに大切にしてくれているのはつたわるが、私も意見を我慢している部分がある。

その意見の伝え方が分からずに積もって、不満となって心に刻まれている。

とても魅力的で、一緒にいる時間はとても楽しい恋人だが、ふと1人になった時に「このままでいいのか」と、考えることがあるので、本当に「好き」と言えるかはわからない。

私はギターが好きだ。

高校からはじめた唯一の趣味だ。

当時好きなアイドルが憧れていたバンドに惹かれ、練習をした。

そこそこ弾けるようになって、文化祭で発表した。

あの時はとても青春だった。

大学では自分の出来なさと、高校とは比べ物にならない周りのバンドへの熱量に圧倒され、少しだけギターが嫌になった。

でも、その場の雰囲気と周囲の暖かさで、なんとかギターを続けた。

ギターを弾きたいのでそこにいるのか、そこにいたいからギターを弾いているのかわからなくなることが多かった。

不安定なままだとどっちにも格好がつかないと考え、ギターと距離を置こうと思ったが、同時に今まで居た場を離れることになるため、今もなあなあで続けている。

こんな私がギターを「好き」だと言い切るのは、本当にギターが好きな人に申し訳ない気持ちになるので、簡単に言えない。

こんなに好きなものを羅列しても、結局最後に出てくるのはネガティブなことばかりで悲しくなった。

こんな性格が嫌になる。

でも、改めて自分を見つめ直すキッカケになった。

高校の自分に想いを馳せたり、恋人の好きな部分を改めて考えることができた。

自分を見つけるきっかけの1つとして、このnoteでゆっくりと綴っていけたらいいな、と考える。

自分の人生の主役は自分らしい。