小麦色の健康、隣の芝は青い
日サロに通いたいとずっと思っている。
元々肌が白くて不健康そうに見えるのがコンプレックスで、放っておくともはや「顔面蒼白」という感じで生きている。世界の全てに絶望していた中高生の頃は何もかもが嫌になって保健室へ行くと毎日顔色が悪いのでまず体調不良を疑われなかったし、新婚旅行のハワイでは一週間肩を出して過ごしても境界線すらつかなかった。
羨ましく聞こえるかもしれないけれど至って真面目に悩んでいて、周囲が地肌よりワントーン明るいファンデーションを選びがちな中、わたしはツートーンくらい落とした色味のものを縋るような思いでもう何年も使っていた。デコルテと馴染ませるのに失敗すると顔が浮いてしまい、その日一日は「なんか面白い子」として過ごすことが確定する。白浮きならぬ黒浮き?さすがに30歳にもなった今はもう諦めて、大人しく地肌の色と合うファンデーションを使うようになったらバチッと顔がキマる日が増えてうれしい。何事も身の丈(?)に合ったものを選ぶのが大事ね。
陽の光の祝福を浴びた小麦色の肌だったらもう少しシュッとして見えただろうし健康的な姿に自信を持てたかもしれないな、と無いものねだりをしてばかりだ。いつだって最強つよつよおねえさんを目指しているのに、見た目がめちゃくちゃ弱そうなので箱入り娘だと思われがちなのが気に食わない。舐められたくない。
いつだったかNetflixでダラダラ見ていたフレンズで、モニカに紹介してもらってロスがスプレー式の日サロに通うんだけど機械の説明を聞かないから表側だけ何回も焼いちゃう(背中側は白いまま)っていう回があって、爆笑しながら観つつもそれ以来俄然気になっている日焼けサロン。
実は過去にも何度か調べたことはあったのだけど、心の中の天使と悪魔が今日に至っても論争を続けている。今どき日サロ?肌への負担は大丈夫?でもそういうのに軽々しく通えるくらいには稼げるようになったんじゃない??いやいやそこらへんのビーチで素っ裸になって寝とけば???(てきとう)(埼玉にビーチはないね)
今通っているジムの奥にはtanning roomがある。やっぱり健康体と小麦肌はセットの概念だ。
いつまでも青白い顔をしたまま、今夜も口紅が落ち化粧が崩れるような時間まで働いている。しばらくジムも行けていない。ヘルシーバチイケおねえさんになれるのはいつになるんだろう。
2023.03.23