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ウルトラマンZ 第4話感想(ムダ話多め)

ウルトラマンZ第4話。個人的につまらなくはなかったけど、若干の失速を感じなくもなかった、といったところです。

ともあれ前回に引き続き、今回も感想を書いてみようと思います。

なお、いつものとおり、現時点では第4話をYoutube公式チャンネルで見られます。

まだ未見の人は、以下の文章を読む前に見ちゃって下さい!


【以下、ネタバレありの感想】



第4話「二号ロボ起動計画」感想


3話までが脚本:吹原幸太/監督:田口清隆のお二人でしたが、4話は脚本:鈴木智/監督:辻本貴則のお二人。

この違いによるものなのかは分かりませんが、3話までに比べて正直ちょっと見劣りする面もあったかなと思います。
とりわけ、特撮面では3話までのグレードより明らかに下という場面があって、例えばテレスドン登場時に手前にある自動車がミニチュア丸出しであることなど(4:20)。
とは言え、なかなか素敵な特撮もありましたが。例えばテレスドンが建設中と思しきビルの背後に現れ、人々が逃げ惑うシーンなど(5:13)。

演出については(例のSTORAGEのユルさ描写などの点で)、対象年齢がごく微妙に下がったような気もします。

お役所あるある

さて、ストーリーですが。

せっかく出来上がったウインダムですが、充電に問題が。5分動かすための充電が4日がかりとのこと。

その大本の理由はユカ隊員によると、
「上からのお達しでパーツごとに別の会社に発注したりするから。そのせいで接続がうまくいかず送電ロスが発生しているんです。」

まぁ、実にお役所あるあるですが、こういう機微ってそっち系に縁のない人には全くピンと来ないかもしれないので、一応解説いたします。
……こんなところでやることか?という気も少々ありますが、突然の社会学習も時にはいいのではないでしょうか。
以下は基本的にリアル日本の話ですがZ世界もこの点は似てるのでしょう。きっと(^_^;)。

お役所が何かを買うというときは、それがなんであっても入札するのが原則です。それによって、最安価に物を買えるし(税金の無駄遣いを避ける)、あくまでも価格勝負だから、企業と役所の癒着も防げる(購入先がコネで決まったりしない)というわけです。

しかし、世の中そうシンプルでもなく。
あれこれの思惑からそれに縛りがついたりするんですね。

(この先は太字のところだけを適当に読み流していただければと思います。)

ちょっと申し訳無いですが、たまたま分かりやすかった神奈川県庁の資料をここでは引き合いに出させていただきます。
(しっかりとした資料を出してくれるのは、裏表のない良い自治体であります。)

「神奈川県の官公需について」

ここの中の「令和2年度中小企業者の官公需の受注機会の確保・増大のための施策の要点」
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/32810/r2-youten.pdf
……という資料の内容をここではちょっとだけ覗いてみますが。

いわゆる「官公需法」というのがありまして、

この中で、国等は、物件の買入れなどの契約をする場合、予算の適正な使用に留意しつつ、中小企業者の受注機会を増大すべき責務を有することが明らかにされています。

というわけで、

物品等の発注に当たっては、価格面、数量面、工程面等からみて分離・分割して発注することが経済的合理性・公正性等に反しないかどうかを十分検討し、可能な限り分離・分割して発注を行うよう努めること。

物品等の発注に当たっては、真にやむを得ないと認められる場合を除き、直接の銘柄指定はもとより原材料等の間接の銘柄指定等を行わないこと。

……と、現実の神奈川県庁だとこんな縛りがあるわけです。

話は長くなりましたが「STORAGE」もお役所である以上はこの種の縛りから自由ではないということでしょう。

話を戻して

テレスドンは初代ウルトラマンの怪獣(第22話)。地底人によって飼われていたような設定でした。

なお、後で出てくるジラースも同じく初代ウルトラマンより(第10話)。ゴジラの着ぐるみにエリマキをつけただけと良く突っ込まれる怪獣です。
【2020/7/13追記。この回が無料公式配信となりました。下の方でご紹介します。】

「ジオフロント」というエヴァンゲリオンを思い出させる単語が出てきました。
政府の肝入りで開発中の地下都市とのことですが、この話のみの単発の設定なのか、後々ストーリーに絡んでくるのか?

本エピソードで動き出した感のある「敵側?」の動き。ただ、この辺どうも平成ウルトラの文脈を掴んでいないと理解できない要素があるらしく。
とりあえずスルーするしかありません(恐らく、この先のレビューでも)。
先に書きますと、ラストの描写とかも、さしあたりスルーです。

でも、スチームパンクな設備から怪獣メダルが生み出されることは分かりました(^_^;)。

ハルキくん、今回の変身じゃ正体バレバレになってしまう気が……。目がバッテンのセブンガーはかわいいですが。

先に登場の怪獣のパーツが、その後に役に立つというのはなかなか面白い展開。

ウインダムは元ネタ(ウルトラセブン)の時とは違い、スピード型のロボットとなっていました。

とりあえず今回はこんな感じです。
……ではなく。


元ネタの動画

【この項は2020/7/13加筆したものです。】

今回も例によって元ネタ回の公式Youtube配信がありました(^_^)。

期間限定と思われますので、未見の方は今のうちにぜひどうぞ!

『ウルトラマン』第10話 「謎の恐竜基地」
……ジラース登場回。

私は「テレスドン」回になるものと想像していたのですが、ハズレでした(笑)。

この回登場の「ジラース」の着ぐるみは元々「ゴジラ」である、というのは怪獣ファンにとっての常識です。
(つまり「ゴジラ」+「襟巻き」=「ジラース」)。
といっても、あまりそういうことを「常識視(?)」しすぎないほうが良いと私は思ったりもしていますが。ウルトラマンとか怪獣モノとかに興味を持ったばかりの人にとっては、こんなの単なる知識マウントにしか見えないかもしれないですものね。

もちろん、興味のある人はいろいろネットで調べると良いと思います。単に「元ゴジラ」というだけではなく、どのゴジラ映画用の着ぐるみだったとか。まことに「微に入り細を穿つ」驚くべき情報量のサイトがきっと見つかることでしょう。