うさまるに弟子入りしたら健やかになった話
前置き
聞かれると困る質問というのは誰にでもあるものだが、自分の場合は「尊敬している人は誰ですか?」である。
はっきり言うと、そんな人はいないのだ。
「あの人の他人を巻き込む力は強いな」とか「彼女の仕事へ前向きな姿勢はすごい」とか「彼の問題の大事なところを見抜く力がすごい」など、人のすごいところは見つけられるのだが、それが尊敬なのか?と考えるとどうにも違う気がする。
尊敬や憧れというからにはその人に近づくことを求められるように思う。
直接的に尊敬という言葉は使われていないが、「職場の人で目指してる人は誰ですか?」の質問はまさにその類である。尊敬するからにはなんかこう周りに自分の未来の行動を宣言しているように感じる。
私が「尊敬する人」に特殊な警戒感を抱くのは、長所は短所の裏返しであるという理由もあるが、かつて「憧れた人」に近づこうとして自滅した過去があるからだ。
詳細はカットするけれど、近づこうと思うほどに離れていく感覚と、その憧れの人に見向きされないことが辛かった。
うさまるのすごいところ
過去、その辛かった時に癒やされたのが、今回の主役の「うさまる」である。
うさまるはポテチが好きななうさぎの男の子。
好奇心旺盛だけどすこし怖がりで、よく遊び、よく泣き、のびのびしている。
あと身体もよくのびる。
LINEスタンプやショートアニメをみていて気づいたうさまるのすごいところ。
感情を素直に出す
疲れたらすぐ休む
他者(うさこ)にちょっかいかけられてもマイペースで動じない
うさまるは、嬉しいことがあるとほっぺを赤くして踊ったり「ありがとう」とすぐに感謝できる子。スキンシップ多めでハグが好きらしい。
つらいことがあると、よく泣いたり、しなやかボディを床にぺたーっとして落ち込むのだが、何がどうつらいのかは語らない。「ピエー」と鳴くぐらいである。
相方のうさこは、うさまるのよく伸びるほっぺたをつねったり、お耳をぺちぺちするのが好きなのだが、うさまるは特に動じることもなくうさこの好きにさせている。
(※うさこは別にうさまるが嫌いなわけではなく、うさまるといると普段よりのびのびできるらしいので、たぶん構ってほしいのだと思われる)
私はうさまるに尊敬の念を持つようになった。
LINEスタンプではよく泣くので、うさまるにもつらいこともあるだろうけど、たいていはマイペースにのほほんとしているからだ。
うさまる的生活
というわけで、タイトルの通り、うさまるを先生として生活してみることにした。
アニメと現実では違うところも多々あるので、実践したのは次のこと
店員にはありがとうと言う
つらいときはすぐ布団に潜り込んでごろごろする
SNSで人間の嫌な部分を見てしまった時は「これは人間界の話で、いまの僕はうさぎなんだ」と思い込む
これがなかなかどうして効果があった。
感情は素直に出すので、「挨拶しておけばよかったな」とか「やだって断ればよかった」と悶々としなくなる。
周りは人間で、自分はうさぎなので、他人と比べることが減る。相手がすごい場合でも「うさぎだから真似できないや」となるし、相手が嫌な場合は「お布団こもって震えとこ」となる。
おかけで、必要以上に過去や未来のことを考えないようになり、今の感情がどうなのか?で暮らせるようになった。
弟子入り(一方的な関係
尊敬する存在を現実の人間、とりわけ身近な人にするのと違って、うさまるを尊敬することで良い点は、尊敬している存在からあれこれ指図や操作をされないことである。
うさまるが私に対して「ああしろ」「こうした方がもっといい」と言ってくることはない。
うさまるは、ただ自分の行動によって背中を見せているだけである。
人生訓を語ることもなく、マイペースに過ごすうさまるを見て、お弟子である私が勝手に学んでいるのである。
尊敬は嫉妬の裏返しであり、尊敬は諦めの裏返しでもある。身近な人を尊敬の対象にしなくて、私の場合は良かったと思う。
おわりに
うさまる先生に弟子入りしよう!とみんなにおすすめしたいです。
けれど、人によってはちいかわちゃんやコウペンちゃん、あるいは別の推しがいると思うので、みんなそれぞれ自由に信仰しましょう。
あとは、、
職場や面接で「誰を尊敬してる?」と聞かれた時に「うさまるです!」と答えた場合の空気に責任は持てません。
適当に松下幸之助かドラッカーか、質問してきた相手の名前を挙げておいた方が利口だとは思います。
わたしはうさまるって答えますけどね。
気遣いできる優しいお方です。
お金を稼ぐということが大変だということを最近実感しています。サポートいただけると幸いです。