見出し画像

287.仮面ライダー夢

2022.2.3
高校生の私。
始業時間ギリギリに教室に入る。

定員6人くらいの小さな教室。
前の席のふたりが、特撮ヒーロー物の話をしている。
13人のライダーが出てくる話。
ああ話に加わりたい。
私の推しカップルの話がしたい。

前の席のふたりは主人公と六角精児の話をしていた。
六角精児は確かに物語の中盤を支える大事なキャラクターなのだが私の推しカップルはそれじゃないのだ。


(番組始まる)
暗い廊下のパイプ椅子に腰かけてうつむいている六角精児。
彼はこれから改造人間にされる。
何故こんなことになってしまったのかと、六角精児は考えていた。
社長秘書の洋子に騙されたのだ。
今、思えば全て洋子の描いた筋書きだったのだ。

あのヒ素入り菓子事件。
(ここで新聞一面に踊る大きな見出しと連行される六角精児の写真)

回想
「社長! 上場記念パーティー中止てどういうことでっか!」
「上場は取り止めや」
「そんな!」

六角精児は仕手筋の大物だった。
菓子メーカーのワンマン社長に取り入り、ひと山当てようとしていた。

社長に面会させてくれと社長秘書の洋子に取り次ぎを頼むのだが、
「おかえりになってください」とにべもない。

六角精児の目の前で、これ見よがしにホウキで廊下の掃除を始める洋子。

「嫌な洋子さん」
社長夫人と、ふたりの娘。
着飾ってお茶を飲んでいる。
「つんけんして」
「パーティーのためにお洋服を新調したのに」

お茶を勧められる六角精児。
社長一家に取り入った彼は、夫人や娘たちからも「面白いひと」と好かれていた。

「パーティーはなくなってしまったけれど、お母様の淹れたお茶を飲みましょう」

笑いながら、紅茶をひとくち口にした長女。

「へんな味!」
そのままぱたりと倒れる。
洋子がホウキで掃き集めていたごみの上に。



それが日本中を震撼させた、ヒ素入り菓子事件の始まりだった。



続きはそんなに気にならないが、「私」の推しカップルが誰と誰だったのか気になる。







昼食。ツナ入りたまご焼きとレタスのサンドイッチ。ヤマザキ春のパン祭りが始まってしまったw

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?