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"ニッポンの社長"人気は正しいのか?キングオブコント2024予選を見て、令和ロマンを思い浮かべて考えたこと

※アンチではなく、ニッポンの社長も含めお笑いが好きで、個人的な笑うツボへの疑問を綴ったものです。

お笑いファンたちのキングオブコントは、夏から始まっている。

今年は約3年ぶりに、2回戦、準々決勝、準決勝(1日目)を見に行った。

私が好きだと思ったコント師たちはこちら。

・ファイヤーサンダー ★決勝進出
・相性はいいよね ☆個人的に一番ハマったので人気になってほしい
・モシモシ
・さすらいラビー
・サルベース

残念ながら1組しか決勝に残らなかったが、私の記憶には深く残った。
レベルの高さを痛感するとともに、これを機に応援したくなった。


一方で準々決勝と準決勝の両方で見たニッポンの社長への評価が、会場とSNSともにとても高かったように感じた。

両日同じネタをしていて、よくテレビやYouTubeで見る2人のネタを見られることは嬉しく笑った記憶もあるのだが、見終わった後にハマった感覚にはならなかった。

しかし帰路で見るSNSでは「ニッ社さすが」「めちゃウケてた」など、その日出た組の中でもトップレベルの評価を得ていた。そして決勝進出を果たしていることから、プロの審査員たちにもハマっていることが伺える。

なぜ私は、ニッポンの社長のネタに違和感があるのか?


考えて出た結論は、「彼らのネタはパワー系だったから」だ。


私が両日見たネタは、端的にいうと「道具を持った辻さんに、ケツさんが最終的にしばかれまくる」ものだった。
※決勝でやるかもしれない可能性を考慮しぼかします…

そこで起きる笑いは、何かの言葉の綾や話のオチなどではなく、「ケツさんがしばかれる」タイミングで起きていた。

これはいわゆる「人が痛がっている、痛めつけられているのを笑っている」という状況に見えてしまった私は、ハマれなかったのかもしれない。

それが審査員にもウケていたことにふと疑問を抱いた。

そして私にとって、「パワー系のネタ」を評価する審査員(構成作家など)が多いという事実と、地上波のテレビで「罰ゲーム」「ドッキリ」リアクション系の番組が多いことが結びついた。

ラヴィットが大好きで毎朝見ているが、「ビリビリイス」で罰ゲームを毎回実施している。ドッキリGPや水曜日のダウンタウンなどでも、「爆発イス」「落とし穴」などが常連コンテンツとしてある。また、かつてのめちゃイケなどでは「数取団のお仕置き」「加藤浩次VSアイドルの喧嘩」など、地上波にとって「人が痛がる、困るリアクション」は重要視されているような気がした。

このコンテンツを作りたいと思う人、そしてそれを見て面白いと思う人が多いから、地上波でのコンテンツは今も続いている。そしてそこに私がハマりきれていないだけなのだ。

※参考)地上波コンテンツ制作者たちが考える笑いのラインに関する記事



そんな「パワー系お笑い」「痛みを伴うコンテンツ」にハマりきれない私にとって、新たな希望的存在に感じたのが「令和ロマン」だった。

彼らは「仕事を選んでいる」「地上波に出ない」「体を張る系はあまりしない」などと揶揄され、新しい世代のお笑い代表格のようなポジションを背負わされているように見える。

しかし彼らが仕事を選んでコンテンツに出てくれることで、「賞レース優勝者は体を張る仕事で武者修行」「リアクションができない芸人は使われない」という先入観が崩されたように感じた。

お笑いはリアクション・体を張るだけではなく、「トーク」「自分たちで作るYouTubeなどのコンテンツ」の面白さでも勝負して生き残れる、ということを見せてくれているように感じた。


キングオブコント予選でのニッポンの社長を見て、

・私の笑いのツボが「パワー系」ではないこと
・一方で世の中には「パワー系」がウケる場がたくさんあること
・笑いに正解はないが、令和ロマンが突き進む新しい芸人像にも期待

というのが私が感じたことである。

生で予選を見たことで、自分の笑いのツボがはっきりと分かってすっきりした。


あの準々決勝と準決勝を見ていた人の中で、このような気持ちになった人はどのくらいいるのだろうか。


しかし冒頭にも書いた通り、私はニッポンの社長が出るコンテンツが好きだし、無限大ホールの近くで見かけたときは嬉しかったし、去年の決勝でのネタも笑ったのを覚えている。彼らが、今回のような「ザ・パワー系ネタ」だけではないのも理解している。

そして笑いのツボは違えど、あの数のハイレベルなコント師たちとの戦いを勝ち抜いてきた決勝進出者たちはあまりにかっこいい。

今年の決勝戦は何度も予選に通ってきた分、より一層楽しみである。



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