考え方の違い

大学2年生の春、高校生からしていたバイト先が潰れた。同年の秋に新しくアルバイトを始めた。

高校から続けていたバイト先は、同じ地元の人と同年代が多くて、バイトが終わっても店長も一緒になってトランプをしたり賭け事をするようなお店だった。仕事自体は楽しくなくて、人手が足りないから朝から夜中まで働くこともあったけど、とにかく一緒に働く人が良くて、好きで、この人たちのために頑張ろうと思えた。

新しく始めたバイト先は、アルバイト同士もそんな仲良くなさそうで、社員との距離も遠くて「あー、前のバイト先は楽しかったなあ。みんなで残ってワイワイしてたのが恋しいなあ」って思ってた。それをぽろっと、大学の友達に話した。

「今のバイト、全然楽しくないんだよね。みんな仲良くなさそうだし、なんか、こう、嫌だなあーみたいな。、」

「ふーん。でもそれ、自分から近寄ろうとしてないだけじゃない?自分からグイグイいけば、変わるんじゃない?」

と、友達は答えた。

そのとき、ハッとした。

確かにわたし、ずっと受け身で待ってたな。

話しかけてよ。わたし、新入りだよ?この場所のこと、何も知らないんだから、知ってるあなたたちからこっちに来てよ。みたいな。

で、友達のその言葉を聞いて、確かに。そうじゃん。って。わたしが大きな壁を作ってしまってたんだ。って。ちょっとだけ自分から距離を詰めることにしてみた。まあ、しばらくの間は猫の皮を被ってたんだけど。それもだんだん見抜かれて、「実は猫かぶってるでしょ?笑」って。「そうです、被ってます笑」って。

それだけが理由じゃないけど、バイトはそれから楽しくなったし仕事内容も好きだったし、今でもあそこでバイトできてよかったや。って思える場所になった。後輩たちはいつも飲み会とかに未だに誘ってくれるし、遊びに来て!って言ってくれるし、先輩たちともしっぽり飲んだりすることもある。きっと、あの年の秋の自分は、こうなるなんて思ってなかった。

周りの友達からは、もっとキラキラしたお洒落な場所の方が似合うよとか言われてたけど、キラキラしてなくて活気もそんなにないけど、それでもわたしはあそこが好きなんだなあ、今でも。


わたしにあの言葉を言った友達はきっとこのことなんか覚えてもないだろうし、わたしのうじうじした性格を「なんでそんなうじうじすんの?」って思うような子で、そういった部分がわたしにはないところだから、羨ましいなあとも思う。

でも、あの言葉を言われなかったら、多分ずっとわたしはうじうじしたまんま「もう辞めちゃお!」ってバイトを辞めてたと思う。ああほんとに、友達に感謝。考え方の違いを、まじまじと実感したよ。


で、この言葉を思い出すたびに、今わたしが仕事に対して辞めたいと思ってる理由の一つは、これで解決できるよなあと思えて。でも、その一つの部分が解決したところで、ほかの部分で感じるストレスを全てないことにできるかって思うと、それはむりで。この職場の人間関係も苦手だし、仕事内容もどうしても好きになれないけど、誰とでもそつなく接することができるから、働く人たちの苦手な部分に目を瞑って、何も考えず無になって働けば、きっと、ここにい続けることは、わたしはできる。

でも、それって本当に正解かな。

わからないな。

周りの人たちは、

辞めてしまっていいと思うよそんな場所。

って言ってくれる。だって、嫌な部分しか言わなかったら、そういうしかないよね。

職場の上長に退職したいと伝えた時、気持ちはわかったけど本当に辞めたいと思ってるように見えないって言われた。

だって、それは、ここで働いてる現役の人に悪いことなんて言えないから、言いようにいいように言うしかないじゃん。

でもそんなこと言われたら、あれ?わたし何が嫌で、辞めたいんだっけ。って振り出しに戻る。でも、仕事が原因で毎日泣いてたのも事実で、精神的に参ってたのも事実だから。もうわかんない。主軸がないんだね。

はあ、なんでこんなウジ虫なんだろう。

スパッと決めれないんだ。

周りの目とか、そうゆうの、気にしないフリをしながら、めちゃくちゃ気にして生きてきたから。

こわい。



めちゃくちゃ頭の中でいろんなことを考えてしまって、自分に関する物事を難しく考えてしまう。はあ、面倒くさい性格だな。

ほんとに内向的で、内省的な人間だけど、ありがたいことに周りはみんな正反対の性格をしてる子が多いから、違う!なんでわかってくれないのさ!と思う時もあるけど、そんな周りの子たちに救われる。いつもありがとう。



てゆうかわたし、なんでこんな考え込んでしまうようになったんだろう。

高校のときは、全然、こんなことに時間を使ってなかった。あの頃放課後何をしてたとか全く思い出せないのもこわいけど、でも、毎日必死に、友達に合わせながら、恋をしながら、勉強もしながら、頑張って生きてた。あの頃もしんどいことはあったけど、こんな風に物事を難しく考えてはいなかった。毎日が無敵だった。ズンズンズンズン迷うことなく、前を見てた。楽しいことしかなかった。くるしいことがあっても、全部全力に向き合って、ハッピーにしてた。

友達と恋愛ごとで喧嘩をして、もう友達でいれないわっていわれた時も、泣いて泣いて、それでも追いかけた。ごめんね、こういうことが嫌だったけど、でも、友達でいれなくなるほうが辛いって。そうやって、ひたむきに目の前のことに全力だった。

いつからだろう。わたしには無理だなあって諦めるようになったの。それが大人になるってことなんだとしたら、ずっと子供でいたいな。あの頃の、世界を目の前のことをキラキラした目で見れてた頃の自分に、戻りたいな。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?