吐き気

 3,4日ほど前から時々、先の事を考えると吐き気を催すようになった。先の事というのはタスクが待ち構えている翌日の事で、そのタスクが十中八九積み上がっているであろう翌週の事で、或いは特にめぼしく明るい展望の無いもっと先の将来かもしれない。
 何を吐き出そうとしているのだろう。常時空腹である事にはとうに慣れている。珈琲に混ぜた大量の砂糖ではなさそう。煙草の煙でもない。即席麺でも家畜の餌に見えて仕方ないフルーツグラノーラでもない。何が出てこようとしているのか。忍び難い自我か不平不満か、その両方か。
 なぜこんな事になったのか。辛うじて細々と長らえてきた成長期が終わり、もはや勝手に成長してくれる心身とは疎遠になった。自発的にどうこうしないと伸びるものも伸びない。伸びしろすら生まれる気配を徐々に潜めていく。取っ手のない引き出しにしまわれていく。傍観している間に二度と姿を見せてくれなくなるだろう。変わっていない事への不安と恐れがこの吐き気の出処だろうか。現状に改善の余地は大いにあれどはっきり認識できる程度に自己愛は居座っている。本心では変わりたいと思ってくれてるのかもしれない。

 いい加減いい歳してこんな事言ってんのもなって思う。成長しない。

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