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カタシロ プレイログ【by INTP】

以前、自己記録のために保存してあったものを発掘したので、こちらにも載せておく。
プレイしたのは数年前。
プレイヤーとGM(旧い友人)、ともにTRPG初心者。
ほぼ遂語。
※今後プレイする可能性のある方は、読まない方がいいです。



【PC】age:22 女性
    HP 15/15 MP 13/13 SAN 65/65 INT 180 技能(略)

初日
医者に対しては特に感想なし。病室にしては部屋が異様であることに少し言及。状況は受け入れる。

【囚人のジレンマ】
回答:黙秘
「優しいでしょー。自白でもよかったけどね、自白してほしかった?」
「いや…君は私と初対面だろう。私が保身のために自白するとは考えなかったのか?」
「相手が誰とかはあんまり関係ないかも。あ、相手のためを思ってってわけじゃなくてね」
「でも私は自白を選び、君は黙秘を選んだ。君は懲役10年だ」
「お医者さんも5年でしょ」
「そうだな。…君は自分の刑期を短くしようとは考えないのかい?」
「全く考えなかったわけじゃないけどね。二人の利益が最大になるのは互いに黙秘した時でしょ。さっきお医者さんも言ってたけど、初対面の私たちがお互いの思考を読んで選択するのは難しいよね。どうせ懲役をくらうには変わりないなら2年か10年か、最小になるか最大になるか賭けたってだけかなあ。今回は負けちゃったけどね」
「君はなんというか、変わった考え方をするんだね」
「そうなの?」
「私は自分の刑期を短くすることしか考えなかったなあ」
「じゃあ黙秘してよ笑」
「初対面の君をどこまで信用していいかわからないからね」
「共犯なのに?んー、まあ仕方ないかあ。私たちは何の共犯なんだろうねー」
「どうだろうなあ」
「笑 じゃあ檻の外で待っててね」


隣部屋の子どもとの会話
お互いの状況を話す。子ども自身のこと、病室について、医者が父親であることを聞く。
他の患者が過去にいたことを聞き、数値との関連を思いつくが特になにもせず。
子どもに警戒はしなかったが、医者には何かあるんだろうなとだけ考える。


2日目
視覚に異常。
「わーお。サイケデリック、ではないか。寝てる間に勝手に手術したの?やば、インフォームドコンセントはこの世界にないのね。まあいいけど。いや視覚に異常でてるからだめだな。これ治る?」
隣部屋の子どもについては敢えて話題に出さなかった。医者から話出したら、子どもの話と齟齬がないかを見ようと思った。

【テセウスの船】
「船を見る人にとってテセウスの船だと思えれば、テセウスの船でいいんじゃない?船にとってはどうだか知らないけど」
「船にとってか…」
「今回は無機物だから船自身の考えることはわからないけどね。人間だってさ、細胞は周期で入れ替わるし、義足や義手だって必要なら利用するでしょ。でも私たちが義足の彼を見る時、義足を含めた全身をもってそれが彼だと認識するはずで、足の部分だけ彼ではないとは思わないじゃない?私は義足をつけたことないから、彼にとって義足を自分の一部と思うかどうかはわからないし、個人差はあるだろうけど」
「なるほど。しかし、テセウスの船は一部ではなく全てのパーツが入れ替わっているわけだが…」
「割合の問題ってことだよねー。お医者さんはどう思う?」
「私かい?そうだな…私にはとても難しい問題だなあ」
「だよねー。でもあなたはお医者さんだから、移植が必要な患者さんとかもたぶんいるわけでしょ。どこまで中身を入れ替えたらその患者さんだと言えなくなるのか、みたいな、そういうこと考えたりしない?人間版テセウスの船」
「そうだなあ。たしかに私の仕事にも関わる問題だ。だからこそ、私には答えを出せなくてね」
「そっかー。楽しいね、こういうの話せるの」
「こういった思考実験は好きかい?」
「うん。私はね、船なら最初に答えたとおり見る人がテセウスの船だと思えれば、それはテセウスの船でいいと思うけど、もしこれが人間だったらね、一番大事なのは脳だと思うんだ。ガワがどれだけ変わったって、考えてる脳が一緒ならたぶんその人だと思って接すると思うよ。水槽の脳なんて思考実験もあるしね。あれは趣旨が違うけど。さっきは割合の問題って言ったけど、生き物を対象とするなら、逆に脳以外のパーツが全部同じものだとしたら、きっと別物と思って接するだろうね」
「脳か…」
「うん。究極に言えば、人間、好きな人なら脳だけになっても愛せるのかもしれないよ。他の生き物にはできないことだろうね。面白いね、人間」


資料について、1日目に見た数字や思考実験との関連を思いつくが、アイデア失敗によりそれ以上の追究はできず。
隣部屋の子どもとの会話
前の患者たちの様子について聞く。みんな3日くらいで帰っていった、という証言にやや不穏さを感じる。
どちらが先に退院するかの競争を持ちかけられる。先に治った方は病室に遊びにきて、二人とも治ったら外で遊ぼうと話す。子どもは目が見えないとのこと、今日視覚に異常が出たことから、医者は目の移植(他のパーツも?)を試みているのではと考える。


3日目
視覚が正常に戻る。この病室の前患者たちは3日くらいで退院したとの話から、夜の間に何か起こるかと思っていたので若干拍子抜け。医者から子どもの話は出なかった。
「今日は何の話するの?」

【臓器くじ】
「これは初めて聞いたなあ。んー…、社会全体で見たら利益率はいいよねー。単純計算で5倍でしょ?まあ現実社会で実現は難しいだろうけど」
「ほう。君は社会を基準に考えるんだね。では、君はこの臓器くじという仕組みについて良いことだと思うかい?悪いことだと思うかい?」
「良いこと悪いことっていうのはわかんないな。それは誰にとって?私かあなたか、移植する人かされる人か。私は善悪の判断はしないけど…いずれの個にとっても立場によっても時代によっても変わってしまうだろうからね。そんなものは善悪とは呼べないから、だからとりあえず個の集合である社会を基準に考えてみたんだけど…」
「じゃあ、君がこの仕組みが適応される国にいたらどうだい?」
「あー、私自身は社会の利益や貢献度に興味ないからなあ。その時に不都合が想定されたら賛成はしないけど、たぶん何もしないだろうな」
「何もしない?自分が選ばれるかもしれないのに?」
「んー…何かするって、デモとか抗議文送るとか国を出るとか、そういうこと?まあこの仕組みが適応された経緯によるところもあるけど、健康な人間1人を犠牲に5人を確保するのが必要な状況、そのための費用や時間やらを考慮したうえで尚これを実行する状況が想像し辛いからなあ」
「君はこれまでの3日間を通しても、なんだろう、客観的というか、他人事というか、あまり自分を軸にして物事を考えない人のようだね」
「そうなのかもねー。そっかー、そう見える、そう見えたんだね、お医者さんには。でも今楽しいよ。楽しいって思うのかどうかは、私の軸になり得るかも。この仕組みができた国にいて私が楽しいと思わないなら、住む国を変えるかな。それでもどこにも楽しい場所がなかったら…んー、どうしよっかな あ、でもちゃんと1回で死に切りたいし、もしくじで選ばれたら逃亡して海に飛び込んじゃうかも。まあ、こういうのって実際状況に置かれてみないとわからないよねえ」
「そうか…そうかもしれないなあ。ありがとう。君と話せて楽しかったよ」


子どものいる隣の部屋へ続く扉を抜ける
「ハロー 〇〇くんいますかー?」
ベッドに横たわる自分の姿を見つける
「わー え、私2人いるの?すご」
声のするベッド脇を見る
「ガチの水槽の脳じゃないですかー。伏線回収しちゃったよ」

【最終場面】
医者登場 事情を聞く
「移植かと思ったらもっとすごいの来たな…あ、しかもそっちが生身なの」
「あー数字、なるほどね。適性率ってそういうことかあ」
「へー、完璧かあ。ほんとに?まあ人間の体だって不具合は出るしね」


「君にお願いがある」
「息子のために君の体を譲ってくれないか」


「この子は、急に大人の体になっちゃうのか。性別まで違うし」
「この前さあ、船にとってはどうだろうねって言ったじゃん。この場合の船は私かあ。面白いね」
「この子は知らないの?だよねー、そりゃそうだよねえ」
「ふーん、んーーー…、じゃあ、いいよ。あげる」
「でも本人にほんとに訊かなくていいの?…そう、それってお父さんの自己満足にならない…いや、まあ、みんなそうかあ」
「これの不具合とか起きたら診てくれるんでしょ。あとなんか人体と違うところとかってある?この手術って病院外の組織とかに公開される?改造できる?」
「手術が終わったら、同じ顔とお話ができるってことかあ。なんか楽しそうだね。〇〇くんがどう思うかわかんないけど。遊ぶって約束したもんなあ。また話せるの楽しみにしてるねー」


「断られると思っていたが、本当にいいのかい?」
「断られると思って訊いたの?」
「そりゃあ、まあ、普通は体をくれなんて言われたら断るだろう」
「じゃあ普通じゃなくてよかったねー」
「さっき君に安全だとは言ったが、疑ったりはしないのかい?」
「それお医者さんが言っちゃうー?今疑ったって仕方ないし、これもう人形なんでしょ。言われるまでわかんないくらいには現状問題なさそうだし。生身だって人形だって死ぬ時は死ぬし、それがこの決断で早まったかどうかももうわかんないわけだし。息子さんはわかんないけど、私は恨んだりしないから半分は安心していいよ。もう初対面じゃなくなったけどさ、今度は二人とも黙秘で現状最大の利益で良くない? 〇〇くんが元気になったらさ、外で3人で遊ぼうね」


医者に感謝を述べられ、終了。




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