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現実は小説より奇なり

私には息子がいる。

社会人になって5年目だいぶ仕事にもなれ
色々と任されるようになった。

そんな時上司の勝手な行動が目に付くようになった。

仕事を部下に指示するのは当たり前だが
その上司はその間何をしているかわからない。
席を空け、時折コソコソと電話をしては戻ってくる。その挙句部下がやった報告書も自分がまとめたように報告する。

何か困ったことがあっても、部下を助けることなどせず自分で処理するように言い、自分に問題が起これば上司へ連絡をし助けけてもらう。

一事が万事がこの調子だ。

こういった上司は自分より上で必ず役に立つ人間を味方につけておく。

人に媚びるのが上手。

季節季節の贈り物は欠かさない。
これだけで、どれだけの人間が騙されたのだろう・・・

課長は君たちと違って気がきいて仕事が出来る人だね。

印象操作の出来上がり!まんまと上層部を味方につけた。
課長の手にかかれば簡単なことだろう。

その結果

あの課長がいなきゃ部はまわらない。

とまで言わせてしまうようになる。

実際仕事はほとんどやっておらず、上司が急に休んでも誰も困らない。
部はまわるのだ。

◇◇◇

こんなことが続き部下から不満が出た。

皆、課長の奴隷ではない。
そんな気持ちを汲み取ってくれた人が一人いた。

その人は外部からの出向で、課長よりは地位が上だった。

色々策をたててくれたが課長は耳を貸すことはなく腹いせに心の病気になったと休職を2週間した。
その間に何が起こったかはわからない。
だか、課長が休職から復帰するころ
出向上司はクビになった。

下々が知らない力関係がここにある。



◇◇◇


「すげー話じゃない?」

「この話聞いて俺○○さん(出向上司)に申し訳なくなっちゃたよ」

そう語った息子の目には怒りで満ちていた。そして続ける

『母さん、現実は小説より奇なりだよ。』

『俺はね、皆がちゃんと役割を果たして、上司は上司らしく、部下は部下らしく仕事ができればいいんだよ。』

「誰か一人が得をするんじゃなくて・・・」

その通りだ。何も間違ってない。
聞いていた私も腹がたった。

正直者は馬鹿を見る。

ではなく

正直の頭に神宿る

でなくてはいけないと思う。


だが、この課長はこのまま出世していくのだろう。
自分に都合の悪い人間を排除しながら・・・

いつか気づく時がくるのだろうか・・・


それを知るには随分先の話しになるだろう

#ショートショート
#フィクション








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