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うつ治療中の私が既往歴オープン就活を実際にやってみた話

書くことに慣れるという意味で、全く技術と関係ないですが、就活の話をしてみます。ちょっと長いけど、最後まで読んでくれたら嬉しいです。
体験談なので、きちんと私の状況を明らかにしながら書いていきますね。

恐らく普通の就活体験談は有識者の先輩方が実用的な記事を書いてくださっているでしょう。
それでは、私じゃないと書けない内容と思しき就職活動の話をします。

ちょうどひと月前くらいには多くの方が決着つけてると思うので、来年度に向けて準備しているひとの参考になればいいな。

私の就活基本ステータス

就活スタート : 3月
就活終了 : 4月
職種 : インフラエンジニア/ネットワークエンジニア
業界 : IT系
最終学歴 : 大学院卒業見込み
勤務地 : 東京
応募方法 : 学校推薦なしの自由応募縛り
その他備考 : 精神障害者としての既往歴あり(公表して就活)<=ここメイン

就職活動が億劫で出遅れた

まず、私は3月に入るまで一切就職活動の準備をしていませんでした。

2020年の就職活動は3/1解禁だった、というのはニュースを読んでご存知の方が大部分でしょう。
恐らくしっかり就活準備をされる方は2018年の年内にインターンに行ったりして、年末からSPI対策をしたり、企業研究をしたりして臨んでいるのではないでしょうか。

しかし、私はと言えば、やりたくないことの負荷が体調にダイレクトに来る脳が状態異常のバッドステータス持ち。
やりたくなくてずっと先延ばしにしていました。
休学していたこともあり、卒業要件がやばいので、なんなら新卒というカードを投げ捨てて卒業してからゆっくり就活しようかと思っていたくらいです。

そんなわけで、意識の低い状態から私の就活はスタートしました。

自分で動けないなら誰かにやってもらおう精神

積極的に就活に挑めなかった私がまずはじめにやったことは次の2つです。

①エージェント登録
②就活ナビサイト登録

おしまい。
本当にこの2つだけ。

そして私は1ヶ月を就活に費やすことになります。

エージェントさんとの面談を5件~6件

エージェントに登録すると、まず担当さんとどんな就活にするのかについて相談します。
この時点で全くなにも浮かんでなくてもエージェントさんが聞きたいことを主体となって聞き出してくれるので、準備しようにもよくわからないという人も面談は乗り越えられます。

このとき、私はダメ元でめちゃくちゃな注文をエージェントさんにお願いしましたが、エージェントさんは「無理」とは言いませんでした。
その条件がこちら。

①勤務地は首都圏、転勤なし
②エンジニア一本
③残業は20時間/月以内
④完全週休2日
⑤研修は3ヶ月以上しっかりしてくれるところ
⑥既往歴あっても大丈夫なところ

まずIT業界でそんなところないやろと思いながらも注文してみるもので、送ってくれるばしばし希望にあった求人を送ってくれました。

面談は一箇所を除いて電話、時間は10分~60分でした。

話した結果半分の担当さんに匙を投げられる

結構時間をかけてエントリーシートや履歴書を共有しながら話をしていくのですが、半分くらいのエージェントさんとはそれっきりになりました。

というのも、やはり私の「既往歴」と「学歴」が致命的だったんですね。

心療内科でのうつ既往歴と2年の休学、大学院卒業見込み。

これの何が問題かというと問題だらけなのですが、主に次の2点です。

①わざわざ「うつ病経験あり」という爆弾持ちを雇いたい企業はいない
②休学2年+修士課程2年で年齢が高すぎる

半分以上のエージェントさんは、聞き出しておきながら「既往歴があると聞いてしまったからには先方に伝えないわけにはいかないが、そうなるとうちの求人ではほぼ見込めない」と言われました。

この時点で、「隠せばよかったかな……」と後悔しはじめます。

実のところ、結構手当たり次第就活エージェントに登録しましたが、実質私と二人三脚で就活を頑張ってくれたエージェントさんはたった一社でした。

既往歴オープンにこだわった理由

ハードモードなのがわかっているのになぜ既往歴をオープンにしたのかというと、理由はいくつかあります。

①隠していたことが企業に知られたとき「内定取り消し」があり得る

健康状態について虚偽の申告をしていると、それを理由に内定を取り消されるリスクがあります。
内定が出るまではよかったけど、いざ入社前となって健康診断系の書類を見て「やっぱりうちでは…」という前例をはてなのエントリーかなんかで読んだこともあり、「怖いな」という気持ちがありました。

②体調にマッチした企業じゃなかったら続けられない

就活で重要なのは「内定」ではありません。
入社したあときちんと働けるかどうかです。

それを鑑みれば、無理に隠し通して入社しても、きつい仕事を任されたり、休みがなかったり、配慮してもらえなかったりで結局退職…という悲しい結末もないとは言えません。

配慮を求めないにしても、病気について共有しておいて不具合が発生するのと、突然入社後不具合が起こることのほうが自分にも企業にも優しくないわけですね。

③ホワイト企業判別機として期待

精神障害の既往歴がある人間を知った上で雇ってくれる企業ってどんなところだと思いますか?
使い潰す気満々のめちゃくちゃブラックな企業か、すでにフォロー体制の整っているめちゃくちゃホワイトな企業のどちらかです。

ある意味極端になるので、企業を選びやすいかもなぁと考えました。

既往歴を隠して就活できるのか?

できないことはありません。
そもそも伝えなければ相手にはわかりません。戸籍謄本に既往歴書かれるわけじゃないので。

ただ、自分の健康状態について申告する書類の提出を求められます。
企業によってタイミングはまちまちですが、ここで虚偽を書く勇気があるかどうかですよね。

完治していて病院に通っていない場合であれば書かないという選択肢もあるかもしれませんが、私は現在進行系で治療中です。
健康状態の申告が虚偽だと判明した場合、最悪内定取り消しまであります。

私はいろいろ考えた結果「リスクが大きすぎる、隠すのやめよう」と決断しました。

実際どのくらい足かせになったのか

①説明会の時点で切られる企業も少なくない

ちょっと大きめの企業だと、説明会の時点で健康状態の書類を書かされます。エントリーシートと書類だけで一次面接に進めるかどうか決まるわけですね。

まあ、落とされますよね。

②後ろめたい気持ちがにじみ出る

面接で後ろめたい、やばいと思っていることを悟られるとあまり心象がよくなかったりします。正直に話してみると、突然面接官の態度が白けたりします。

でも実際そこまでしんどくなかった

そんなわけで、ハンディキャップ多すぎなのに適当に就活をはじめてしまった私ですが、3月上旬から始めて4月に入る前に内定が決まりました。

内定が出た企業は面接でも「フォロー体制があるし、負担がかかってつらくなったら早く休職してしっかり休んでから復帰してくれるほうが会社としても嬉しい」と社長自ら言ってくださるところでした。
実際働いていないのでどうなるかわかりませんが、本当に面接で救われた気持ちになれたので、いい就活できたなあと思います。

既往歴オープンで就活するポイント

①履歴書は細かく書かなくていい

履歴書に「既往歴あり」とか「病気療養のため休学」とか細かく書くと、面接に進む前に足切りされます。当然ですけど、既往歴のある有能な人材と既往歴のない有能な人材なら既往歴のないほうを選ぶので。

私は面接に進んだ結果として「既往歴があるって言ってるけど普通に会話できるし積極的な人物だな」と思ってもらえることが多かったので、面接に進みさえすれば概ねスムーズでした。

なので、虚偽にならない程度にざっくり「何年何月~何年何月まで休学」とか書いておいて、質問されたときに軽く話せばいいと思います。

②書類で落とされても凹まない

書類で落とされたからと言って既往歴のせいなのか人物像がマッチしないからなのかがわからないので、気にしすぎないようにしましょう。
体感として面接の前に既往歴バレしたところは全落ちだったので、まあ仕方ないと割り切りました。

③選択肢が多い解禁序盤の中小を狙う

大企業に絞ると、内定が出るまで長期戦になります。最長で7月くらいまでは行くのでは……?と、弟の就活(弟は大企業縛り)を見ていて感じました。

しかし、中小はとにかく短期決戦が多いので、大企業のお祈りメールをもらってから中小に切り替えてもほとんど席が残っていません。
最初から中小を狙うのが私のおすすめです。

内定取れやすいだけではなく、中小やベンチャーは割と柔軟に社内の体制を変えるところが多いので、配慮してもらいやすかったり、「最近働き方改革に合わせてダイバーシティ路線に舵切ったよ」みたいな話を説明会でしている企業もあります。

④貯金はしておけ

最終選考以外は実費です。
遠方での就活を目指している人は貯金ないと本当にやばいです。

私は6000円で東京に飛んだとき交通費で全部飛んで泣きながら面接に通ってました。

最後に

既往歴オープンの上に怠慢も甚だしい就活をしていた私の、それでも2週間で内定を手に入れた話をしました。

私は内定をもらった企業に一次面接で既往歴について話したのですが、「不安があっただろうに、隠さずきちんと話をしてくれたこの人なら一緒に働けると強く思った」と言ってもらいました。
デメリットばかり目につく上、やっぱりデメリットが多いのですが、希望がないわけではないと、私のエピソードから感じてもらえればと思います。

要するに、大切なのは戦略と誠実さです。
もともとインフラエンジニアやネットワークエンジニアは好んで希望する人が少ない分野ということや、私の専門がセキュリティ分野ということも、輪をかけて就活しやすくしていたことは否定できませんが。

結局入ってみないと合うか合わないかはわかりませんが、一般に「知られるとやばい」と思われがちな「既往歴持ち年増」でも2週間で満足度の高い就活エンドを迎えられました。
どうぞ諦めずに就活に向き合う参考にしてもらえればと思います。

長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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