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映画『リング』を久々にみた

Jホラーというワードがまだまだ現役だった頃、私はリングを見た。
幼少期に見た事もあり、純粋な「恐怖」のみを体感した。それが、私の『リング』の思い出だ。
そして、ホラー大好き人間の始まりだった。

映画『リング』を見た事がある人は、多いと思う。特に、アラサー以降の人間は、印象深いと思う。
シングルマザーの玲子がある事件がきっかけで「見ると1週間後に死ぬ呪いのビデオ」を見てしまい、それを元夫で超能力者の高山に相談する。高山もそのビデオを見て呪いを再確認し、2人でこのビデオの呪いの原因とその解呪をしようとビデオの情報を元に調査を始めるが、その中で玲子と高山の1人息子の陽一がビデオを見てしまい、2人は我武者羅に調べを進めていく。
そして、2人は「山村貞子」という女性を知り…というもの。

あらすじを説明したはいいが、この映画はファスト映画的な嗜み方では、その真の「体感」は出来ない。
というのも、この時代…98年という「ジャパンホラーブームの始まり」特有…いや、現代にも続く数々のホラー作品に影響を与えた「テイスト」は、文書にするにはあまりにも難しく、あまりにも勿体無く思う。
Jホラーの最大の魅力は、その「空気感」だ。
「いる」「見ている」「近づいてる」「感じる」、これを間から溢れる空気感が表現と強調をし、水滴や衣擦れ等のありふれた音がそれをより明確にする。そして、画で魅せる。
これを見事表現し切った作品こそ『リング』だと思う。

「Jホラーは、一度死んだ」そう明確に思う瞬間があった。
前述の「恐怖」が薄まったからかもしれないし、時間の流れが故のものかもしれない。
ただ、それを痛感した以降、私はホラーを全く見なくなった。
それから多くの時間が流れ、『来る』『呪詛』を見た。
22年の『呪詛』は台湾映画なので少し流れとは違うと思うが、しかし、18年の『来る』を見た後、とても嬉しかった事を覚えている。
なぜなら、2作には前述の「恐怖」がしっかりと描かれていたからだ。
心理的圧迫感、空気感、質感、呼吸、音、現実…まさに、私がずっと待ってた「恐怖」だった。
『リング』と比較する事はできないが、確実に同じニュアンスを感じたのだ。
そして、その感動を感じる機会が多くなった。
もしかすると、今は「新しいジャパニーズホラーの時代」なのかもしれない。じゃなかったら、このワクワクはなんだろうか。
『このテープもってないですか?』『素敵なしゅうまつを!』『近畿地方のとある場所について』…それらに出会えた感動を噛み締めながら、全ての始まりとなった『リング』に恐怖した。
これが、私の「数年ぶりに見た、大好きな作品の感想」だ。

で、映画『リング』だが、現在Youtubeで公開されている。
しかし、もう数日で公開終了するそうだ。
是非とも、お時間ある時にでも見てほしい。

さて、今日もゆっくりお茶を飲みながら、寝る準備をしようと思う。
寒くなってきた、よくあったまろう。
おやすみなさい。

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