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マルタ大学の授業で「VRライフスタイル調査」を発表【デジタル世界における人間の相互作用】

12月4日、ミラ(リュドミラ・ブレディキナ)がマルタ大学で「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」を発表しました。発表は調査に助言・総評の提供などの協力をしてくれたヴァネッサ・カミッレーリ博士の授業の中で行われ、デジタル世界における人間の相互作用について様々な議論が行われました。


マルタ大学での講義の様子

マルタ大学での講義の様子
マルタ大学での講義の様子

ミラの講義メモ

デジタル世界における人間の相互作用を理解することを目的として授業を行いました。受講した学生の大多数はゲームをしておらず、ソーシャルVRも利用していませんが、人々がどのように相互作用し、どのようなアイデンティティを持っているかを理解するために「VRライフスタイル調査」に非常に興味を持ってくれました。ソーシャルVRの世界にAIを取り入れたり、仮想世界を設計したりすることを考えている人にとっては、ユーザーの行動を考慮に入れることは非常に重要です。そして、私たちの調査は、そのようなデータを提供する点で意義があります。ヴァネッサは2004年から数年間ソーシャルVR世界を使用していたことに言及し、ソーシャルVRでの人々の使用方法や相互作用の仕方に劇的な変化があったことに気づきました。特に、男性ユーザーが女性型アバターを使用することが目立っています。彼女によると、それは仮想世界の設計方法や、そこに含まれる内容にどのように影響するかという点で非常に重要です。

リュドミラ・ブレディキナ
マルタ大学 社会福祉学部 ジェンダー&セクシャリティ学科 博士課程在籍


※ねむ日本語訳

ヴァネッサ・カミッレーリ博士の総評

総じて、このレポートはいくつかの素晴らしい成果を含み、大変興味深い内容となっています。この包括的な調査は、世界中から2,000人以上の回答者を得ており、ソーシャルVRユーザーのライフスタイルに関する興味深い洞察を提供しています。調査はいくつかの注目すべき傾向を浮き彫りにしており、中でも、全てのサービスにおいて男性ユーザーが優勢であるという事実が挙げられます。それにも関わらず、衝撃的な矛盾点であり最も注目すべき点として浮かび上がったのは、男性ユーザーが多いにも関わらず、ユーザーの実際の性別に関係なく、女性型アバターが圧倒的に選ばれているということです。コミュニケーションについて深く踏み込むと、ユーザーは非常に近い距離感を好む傾向があり、興味深いことに41%がVRの世界で恋に落ちた経験を認めています。経済面では、圧倒的大多数のユーザーがVR関連コンテンツへの支出をいとわない一方で、VR活動から収益を得ているユーザーはまだほんの一部です。最後に、多くのユーザーが報告する「ファントムセンス」という現象は、プレイ時間が増加するにつれて強まるということが明らかになりました。これはVR環境における没入感の指標となるだけでなく、これらのサービスがもたらす社会への影響力を示しています。

ヴァネッサ・カミッレーリ博士
マルタ大学 人工知能分野の上級講師


※出典:ソーシャルVRライフスタイル調査2023

ソーシャルVRライフスタイル調査2023

メタバースでのライフスタイルを可視化するため、全世界のユーザーを対象に行った大規模公開アンケート調査のレポートを公開しました。第2回となる今回は回答数が2,000件と過去最大になりました。ご協力ありがとうございました。要望の多かった「人口急増による変化」「コミュニティ」「経済」を重点テーマに設定しました。人類とメタバースの未来に向けたオープンな議論を活性化させるため、全80ページ無償公開します。ぜひ感想をお寄せください。

ご協力ありがとうございます!
公式サポーター:マルタ大学(助言・総評:ヴァネッサ・カミッレーリ博士)

ソーシャルVRライフスタイル調査2023

英語版ブログでも公開

英語版ブログでも本件についてまとめました。


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