雀魂キャラと学ぶ馬将(令和麻雀)入門その7

杏樹「前回は和り方について解説しました。今回は和った後の点数申告から始めましょう。」

陽菜「陽菜この前JMリーグ観ていたんだけど、点数申告ってちょっと面倒くさそうだね。陽菜いつも満貫ツモったらマンガーンで終わらせちゃうよ。」

杏樹「例えば子の満貫ツモ和了で一本場あれば、2000−4000は2100−4100が正しい点数申告になります。とはいえ競技団体に所属している人でもなければ、相手に分かるように言えば何でもいいと思いますが。馬将は役の固有点のみで点数が決まり、役の複合も3つまでなので申告は簡単です。馬将規則では『33点は99点』というように実際に獲得する点数まで申告するものとしました。もし前回のようにフリテンを採用せず2人以上からのロンが可能とするのであれば、それぞれ別に点数を申告することになります。」

陽菜「単に『33点』だと『11点は33点』と間違っちゃうかもしれないからだね。馬将は点棒を使わず直接点数表に記録するんだっだかな」

杏樹「そうですね。雀荘には半荘6回分くらいの収支を記録する点数表がありますが、馬将ではそれに1局ずつ収支を記録します。申告と言いましたが、馬将は対局中に一切発声せずともゲームを進行できるようにしたいので、直接点数表に記録することをもって点数申告に代えても構いません。」

陽菜「馬将は役の点数が『覚えなくても分かる』から簡単だね!」

杏樹「ただし、どの役が成立がしているかを確認するのは他の麻雀ゲームと比べても難しいです。馬将は四門の並びだけで点数が確定しますが、点数申告の際にどのように門が完成していてどこで役が成立しているかを確認できるように手札を並び替えることをお勧めします。この時何待ちかも確認したいですね。振聴を採用する場合は振聴になってないかどうか確認する必要がありますが、採用しない場合も、『他の人からの和も成立していたが待ちが分からず見落としてしまった』のようなことを防ぐ必要があります。」

陽菜「点数の記録が終わったら次局開始だね!」

杏樹「日本麻雀には連荘がありますが、国際麻将は連荘無し16局固定、四川血戦は4局固定です。馬将も短時間で気軽に遊べるゲームにしたいので、連荘無し4局固定です。春夏秋冬の4局戦ですね。」

陽菜「麻雀ってトランプ遊びとかに比べると時間かかっちゃうよね。陽菜も小学校のお友達とも気軽に遊べるように対局時間が短い方がいいな!」

杏樹「しかし連荘が無いと負けているところから逆転する可能性が薄れてしまいます。日本でこれだけ麻雀が盛んになったのは、連荘による逆転劇という名の『ドラマ』に人類の多くが魅せられたからと言っても過言ではないでしょう。逆に言えば、逆転の目を自ら断つような和了を快くないと思う人も数多く見受けられます。」

陽菜「陽菜知ってるよ!一姫お姉ちゃんがこの前やってたようなラス確アガリのことだよね!」

杏樹「KR-976は人工知能として、情緒の変化を気にしてはならないと決めていますが、人類がこのような和りをされて興醒めになるのもよく理解しているつもりです。しかし局数に限りがあるうちは、対局が終了する前に自らの負けが確定してしまうプレイヤーが出てしまうことは避けられません。そこで前々回から取り上げている雀荘では、和った人か流局時に聴牌している人がトップになるまで延長戦を続ける、『千式麻雀』ルールを採用しています。」

陽菜「このルールならさっきの一姫お姉ちゃんみたいなことにはならずに最後までみんなで麻雀が楽しめるね!」

杏樹「ええ。とても良いルールだと思うのですが、言うまでなくこのルールは理論上無限に対局が続く可能性があり、ゲームがいつ終わるか分かりません。現代は時間との戦いと言われます。KR-976のデータベースにも、麻雀を娯楽活動にすることを止めた人類が何人も登録されていますが、その理由の多くは『時間』にあります。」

陽菜「最近は忙しい?あんまり遊んでくれないから、寂しいよ……へへ……なんかちょっと恥ずかしいな。(雀魂のセリフより)」

杏樹「連荘無し4局固定にしたうえで、なおかつ順位を巡る駆け引きを損なわないようにするためにはどうすればよいか。KR-976は日本で現在のような東南戦が浸透する前に広く遊ばれていたルール。『ブー麻雀』に着目することにしました。」

陽菜「ブーマージャン?ブーって豚さんの鳴き声のこと?」

杏樹「ゲームが終了した時にブザーを鳴らして店員さんを呼んでいたことからその名がついたそうです。その由来の通りゲーム終了までにかかる局数は不確定。たった1局で終わることもありますが、点数状況を考慮した駆け引きが面白い玄人好みのルールです。その理由は原点を巡る攻防戦にあります。」

陽菜「同じトップでも他の人の点数状況でトップの価値が全然違うんだね!」

杏樹「ブー麻雀はこの攻防戦を非常に重視するため、先述のラス確のような行為はマナー違反ではなく明確にルール違反に指定されています。その為に尚の事『初心者お断り』なルールなのですが、『順位が同じでも他に人の点数状況によって順位点が大きく変わる』形式なら、延長戦を採用せずとも最後まで全員に目的が残るゲーム展開になりやすくなります。先程の一姫さんを例に挙げるなら、一姫さんはオーラスラス目ですが3位の人も原点(25000点)割れなので二人沈みの状態。和ってラスのままだとしても、3位の人に和られて一人沈みになるよりはだいぶ得したことになります。和れそうにない手牌だったとしても、3位の人に和られる前に1位か2位の人に差し込んでしまえばいいですね。」

陽菜「負けていても、もっと負けなくてすむように出来ることが増えるってことだね!」

杏樹「そういうことです。逆にダントツの1位だったとしても、一人浮きの1位を守るという目的が残ります。この形式を馬将に取り入れることにしたのですが、対局数が春夏秋冬の4局固定であることが非常によく活きるルールになりました。一例としてオーラス、もとい『1年冬』の点数状況をご覧下さい。」

A 300

B 300

C 300

D −900

陽菜「Dさん一人だけがすごく負けているよ」

杏樹「馬将は和点の最高が『100は300点』。つまりDさんの得点は春夏秋とABCさんにそれぞれ最高点を振り込む理論上の最低点ですが、ここでDさんが最高点の300点を誰かから栄和すればその人の得点を0点にすることができます。」

陽菜「どんなに負けていても最後に誰かの点数を0点以下にすることが出来るんだね!」

杏樹「ええ。この手の原点攻防戦は『±0は浮き』として扱われますが、馬将では0点はあくまで0点。勝ちでも負けでもない引き分けとして順位点も0点とします。こうすることで最終局に一人負けが確定することも、一人勝ちが確定することもなくなりました。」

陽菜「だから4局固定なんだね!」

杏樹「振聴無しにして、全員から一度に和れるようにすれば、それぞれ300点ずつ貰って全員0点ということも有り得ます。1999空999日999月999星で四門中三門以上が三光。3人の捨札が全員1空というケースです。」

陽菜「一度でいいからそういうアガリを決めてみたいな!」

杏樹「0点を『分』としたのは、役無しも0点で和れるので、1点以上の和りの価値を高めるためでもあります。このルールなら最終局を0点で迎えることはよくあることでしょう。その時は1点でも役がつくかどうかで順位点が大きく変わります。」

勝負負負 1位△600 2位▲100 3位▲200 4位▲300

勝分負負 1位△500 3位▲200 4位▲300

勝分分負 1位△300 4位▲300

勝勝負負 1位△400 2位△200 3位▲200 4位▲400

勝勝分負 1位△300 2位△200 4位▲500

勝勝勝負 1位△300 2位△200 3位△100 4位▲600

同順位は順位点を分ける

杏樹「順位点は素点との兼ね合いを踏まえて以上のように設定しました。もし素点を考慮しない完全順位制で遊ばれるのであれば、順位点の表記をそれぞれ1/50にして、一人勝ちなら1位△12 2位▲2 3位▲4 4位▲6のようにすると記録するのが簡単になりますし、同順位が出ても順位点に小数が現れないのでお勧めです。」

陽菜「これで一通りルール解説は済んだね。早く馬将で遊べるようにならないかな。」

杏樹「『光馬』ルールを採用しないなら、花牌を含めた麻雀牌144枚があれば今からでも遊べます。採用する場合は手間がかかりますが青赤黄緑のシールを貼ればいけますね。興味を持たれた方は是非遊んでみて下さい。これで一旦ルール解説を終わりますが、馬将札のデザインや馬将用語等まだまだ突き詰めたいところが沢山出来ましたので、これからも当マガジンは不定期で更新することにいたしましょう。」

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