ネマタの知らない麻雀界第17回「カンターン麻雀」

 以前、打牌選択を全て自分の手番で行うルールにすれば、麻雀のゲーム性からくるあらゆるトラブルを解決できるという記事を書きましたが、このルールを採用している雀荘があると聞いて少し驚かされました。実際にこのルールにしてからトラブルがほぼ無くなったそうです。ネット麻雀でもこれを採用すればラグの問題を解決できます。

 このルールが更に良いのは、目の前の山がそのままツモ山になるので、打牌進行がよりスムーズに行えること。対門の山から牌を引くために手を伸ばすという意外と体力を使う動作をしなくて済みます。

 こちらのルールでは「フリテン」「カン」が無いようですが、個人的には採用したいところ。和了牌が同巡に複数出た場合は最初に牌を切った人からのロン和了。カンは嶺上から牌を引いて切る代わりに、次巡ツモる予定の牌を裏向きのまま鳴いた牌を並べるところに置いて手番終了とします。

 どうせ王牌を用いないなら、136枚の牌を最後まで引くルールにしたいところですが、そうなると問題になるのは「ドラ」の存在。現行の日本麻雀にとってドラは切っても切り離せない存在。ドラは別枠で毎局ランダムに指定するという方式も考えられますが、王牌と関係無く採用できるドラ…赤ドラだけを使うというルールはどうでしょうか。

 現在の赤ドラ有り麻雀は赤3枚、もしくは赤5筒2枚の4枚入りが主流。雀荘では赤6枚のこともありますが、かつて赤が9枚のルールが、しかもアーケードのオンライン麻雀で採用されていました。名前は「e麻雀」。現在はe麻雀で検索しても別の麻雀ゲームがヒットするので、知っている人はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。私も実際にプレイしたことはありません。

 赤9枚の内訳は、萬筒索の3、5、7の牌に1枚ずつ。3と7に赤があるのでチャンタにも使えますが、それ以上にタンヤオが強烈なことになります。これに加えて表裏カンドラがあったというのですから、流石にやり過ぎな感じがしますね。表裏カンドラ無しなら、赤9枚でも現行の表4裏4赤3ルールとドラの使用頻度がさほど変わらず、案外バランスが取れるような気がしなくもありません。むしろ「ドラの雀頭や刻子や槓子が無い」ことから、配牌、ツモの格差が是正されていると言えるかもしれません。

 しかし「3、5、7」に1枚ずつでは、「ドラ2枚の順子」が出来るうえに、ただでさえ強いタンヤオがますます強くなります。では、「萬子の147、筒子の258、索子の369」を1枚ずつ、合計9枚のドラを採用するというのはどうでしょうか。

 これなら1雀頭4門子の5組を構成するうえで、ドラは1組につき1枚まで。七対子のみ最大で7枚使えますが、タンヤオも純チャンも最大5枚まで。一色手は最大3枚までとなります。

 私は一発裏無しルールで打った翌日に赤3金3白ポッチ逆白ポッチ有りのルールを打つ程度には、競技寄りのルールもインフレルールも嗜むのですが、「競技ルールは運要素の排除を謳っているが、結局配牌、ツモの格差がより大きいものとなっている。」「実戦派の麻雀実力者はむしろインフレルールを好む。しかし、インフレも度が過ぎれば競技としての要素はやはり薄まってしまう。」両者の問題点を解消しつつ、両者の良いとこどりが出来ればと思い、このようなルールを愚考してみたのでありました。

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