第十期天鳳名人戦牌譜検討第38回

第三節二回戦卓2


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 鳴いてテンパイ、降りるのが難しいならドラでも勝負するところ。一方東家は降りるのが難しい1シャンテンですが、一発でドラを切ることはないとみて打3s(いわゆる裏スジですが36s以外に当たらないので、リーチがリャンメン待ちでない可能性も高い情報量の少ないリーチに対してはむしろ通常の37牌より通りやすい)。どちらも妥当な選択でしょう。

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 両無スジ6mは最も当たりやすいところではありますが、他に安牌が無い以上流石に押してそうです。

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 ドラが8mにも関わらず序盤から他家が9mを切ってきたらいかにもドラ8mをトイツ以上で持たれていそうですが、8mを引いてもドラ表示牌7m受けのペンチャンということもあってか案外浮き牌から切られることが少なくないもの。天鳳名人戦のフィールドではメンツになりにくいドラやドラ周辺牌は比較的軽視される傾向があるように思われます。

 234三色もありますが、123789sで2メンツ出来ているうえに雀頭が無く、完成したとしても赤5mが浮きやすいので三色目を残すメリットは薄い。ピンズカンチャンよりはドラ受けとマンズの4連形変化を残す打2pに分があるように思われます。

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 鳴けば満貫リャンメンテンパイとなれば9分9厘鳴くところですが、「薄くないリャンメンを鳴いてドラ7p切りは他家視点からみて相当不自然なので満貫テンパイと読まれてもおかしくない」「雀頭を作りやすいターツ含みの3メンツ2リャンメンの1シャンテンなので鳴かずともテンパイしやすく、メンゼンなら跳満、倍満以上が見込みやすい」「満貫でトップに届かない南場ラス目」「巡目にも余裕がある」。ここまで条件が揃えば鳴かないのが有力に見えます。実戦では鳴いてすぐに3mをツモって2000−3900のアガリとなりましたが、もし鳴かなければその後ツモがずれなければ5p3mを引いてダマでも倍満のアガリになっていました。

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 微差とはいえ南2トップ目、7s1枚切れのうえ西家にも持たれてそうとなるとダマも一考ですが、東家の河が強く降りに回るのが難しいうえに赤5s以外のドラが見えているので高打点に振るケースが少ないとみて追いかけリーチしてそうです。天鳳名人戦のフィールドも、「リーチを打つデメリット」に着目してリーチを打たないケースが多々見られますが、個人的には「ダマにするメリットを高く評価できるのでなければリーチ」と考えてしまいます。

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 47p待ちか58p待ちの選択。見た目枚数はどちらも同じ。実戦では打8pリーチを選択して南家のアガリとなりましたが、3p4枚見えにつき4pは47p待ちでしか当たりませんが、8pはリャンメン以外にも当たるので組み合わせ的には4pの方が通りやすいと言えます。

 しかし南家は3フーロして打白から更に手出しで打3p。3フーロとなると鳴いた時点でテンパイであることが多く、そこから3p手出しとなると35p発発から6pを引いて47pに待ち替えがいかにもありそうです。

 とはいえ南家はホンイツ狙い。しかもオーラスでホンイツをつければアガってトップ確定につき、アガリに遠いところからでも強引に狙うところ。実戦では打白の時点で南家の手牌は39p発発のくっつき1シャンテン。「9p発発」の部分は他のピンズ、字牌に置き換えられるので、35p発発でテンパイ、あるいは36p発発から5p引きで4pが当たりになる可能性はどちらかと言えば低く、むしろ「3p?発発」の?が6pから9pの場合全てで当たる可能性がある8pの方が当たりやすい。通った後のアガリやすさでは特に差がなさそうなら、現状当たる可能性が低い打4pリーチに分があると言えそうです。

 打4pリーチなら、南家の満貫ツモでもトップだが跳満ツモで2着に落ちる西家が一発を消すために4pを鳴いた公算が高く、そうなれば南家が5pでツモアガリ、裏ドラが5pで跳満になりラスからトップの大逆転となっていました。

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