ネマタの「裏」麻雀本レビュー第32回『令和版神速の麻雀』その10

第3章 鳴きのシステム

1シャンテンの見切りどき 巡目と局収支の関係は

 より詳しいデータは、『現代麻雀最新セオリー』を御参照下さい。

2つ目の鳴き

 「2つ目の鳴きまででテンパイ」というのも昔からよく聞く目安ですが、これを忠実に守ろうとするのも勝ち味の薄い選択。一度鳴けば基本的に打点が下がらず、守備力もある程度落ちてしまいます。むしろテンパイを入れてアガれば局を終わらせることができるようにしておくことが、他家のアガリを未然に防ぐための守備と言えます。

 お題の牌姿よりも先に、牌1〜6のようなメンツ候補が足りている形を考えましょう。第4章「押し引き」の講座に通じますが、良形が残ればのみ手テンパイでもリーチに対して押すのが悪くありません。お題のように3巡目を想定すれば、他家からリーチが入る前に1手は進みそうなもの。よって良形残りの1シャンテンになる牌3、4は鳴き。牌1、2は悪形ばかりになるので鳴かず、ただし牌5はいずれにせよ悪形残りなので鳴くに越した事はないくらいの感覚でしょうか。

 牌1、2、5のような手牌なら、そもそも中も鳴かずに手を進める選択も候補に挙がりそうです。その方針で進めるのであれば、牌6は中トイツを守備で使えるのでペンチャンカンチャンは鳴いても、中から出た場合は鳴かないということになります。

 この辺りの判断は意見が分かれるところですが、役牌をほぼ1鳴きする堀内システムを採用するなら、牌1、2のようなさほど使わない中張牌の浮き牌が残っている牌姿から、牌4、5のように客風等の安牌を抱えた牌姿に切り替える手組は特に意識しておいた方がいいですね。

 逆に役牌を1鳴きしない方針なら、守備力はある程度確約されているので、更に安牌を抱えるよりは中張牌の浮き牌を残して、うまく手が進んだ時にアガリやすい手組を残すことを意識しておいた方がよいでしょう。(遠い鳴きを入れるなら安牌確保、入れないなら安牌はそこまで意識せずともよい。私見になりますが、これが逆になってしまって手牌評価がちぐはぐになっている人が少なくないように見受けます)

 お題の手牌はメンツ候補が揃ってないので、牌1〜牌5より1手前の形。浮き牌からターツはすぐにできるので、メンツ候補が揃っている時よりやや鳴かない寄りと言えますが、結局本書のように悪形からは鳴いて良形からは鳴かないくらいで落ち着きそうです。

鳴きと雀頭の関係

 「雀頭のない手は鳴かない」と言われる場合もありますが、これもまずは具体的に手牌を把握することを意識したうえで判断しましょう。お題の牌姿は0アタマ0メンツ5ターツ。麻雀は1アタマ4メンツを作るので、ターツだけ5つあるこの牌姿はメンツ候補オーバーです。

 つまりカンチャンを鳴かなかったとしても、そのカンチャンをアタマにするか、他のターツ部分以外でアタマができればカンチャンを急所として残さずに手を進めることができます。そのため、「雀頭のない手は雀頭のある手よりも鳴かない寄り」なのですね。

 牌2〜牌6はカン7sを鳴くケース。アタマが無いと言っても、すぐにアタマ有りの手牌にできる場合は鳴き寄りであるということも押さえておきましょう。

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