新麻雀徒然草第31回「目無し問題対策および問題が解決されない真の理由を考えてみた」

①試合数に上限を設ける必要が無い場合

 定期的に話題になる条件戦の麻雀における目無し問題。実は10年以上前に、「現代麻雀技術論」にてこの問題を解決するためのルールを考案していました。

 規定ptに到達することを目指し、規定ptに到達した後、トップをn回とれば優勝。これなら最後まで目無しは出現しないし、いずれは優勝者が決定します。打ち方を大きく変える必要があるのも最後の方になってからだけで済むので、「普段の麻雀と全く違うルールばかり見せられて面白味に欠ける」という問題も緩和されます。

 欠点は決着まで何試合かかるかが不確定で、時間がかなり長引いてしまう場合もあること。決まった時間までに対局を終わらせねばならない場合は採用できません。

②試合数には上限を設ける必要があるが、時間にはある程度余裕を持たせることができる場合

 規定の試合数に対局を収める必要がある場合は、最終戦のみ「千式麻雀」の要領で、総合トップの人が和了か流局聴牌になるまで延長戦を行うのがよいでしょう。延長戦のやり方は様々な方式が考えられますが、私なら南入→西入→北入→白入→発入→中入→一萬入→…→九萬入→一筒入…→九筒入→一索入…→九索入→再東入 方式を採用したいですね。理由は麻雀は元々一荘戦であったとか、西入ルールが導入された理由といった歴史的経緯を知らせたいというのと、単に一度くらい一萬を役牌にして和了っているところを見てみたいという好奇心によるものです(笑)

③延長戦を行う時間的猶予が無い場合

 しかし決勝戦ならともかく、予選の場合は延長戦を行う時間的猶予が無いことが多いもの。その場合は、「最終戦に限り、純正九蓮宝燈(九門張)を和了した場合は無条件勝ち抜け」というルールを追加しましょう。麻雀にあまり馴染みがない観戦者にも、「アガると死ぬとまで言われた伝説の役満」を特別扱いすることで、より麻雀に興味を持ってもらえるきっかけに繋がるのではないでしょうか。

④何故目無し問題は解決されないのか

毎度おなじみなので、「ああ、またか」くらいにしか思わないけど、いつまで課題を放置しておくんですかね。業界の人達は、「この問題をクリアしないと俺達は飯を食っていけない」と危機感を持たないのかな。まぁ他人様が飯が食えるかどうかなんて俺が心配する事じゃないけどさ。

 ①の方式を実際に採用した大会を開催されたこのきー氏(以前私が開催していた勉強会の初代会長。私はそれを引き継いだ二代目なのでありました。)のブログより。当時私も、このきー氏と全く同じことを思ったのでありました。

 あれから10年。あらゆる人が解決策を提示してきたにも関わらず問題が放置され続けている現状を見て、「ああ、またか」と思わざるを得ないのですが、当時業界の中心に居た人は相変わらず「麻雀で飯を食って」います。むしろ当時以上に、一部の人にとっては麻雀で食っていきやすい時代になったと言えます。

 私の思い過ごしであればよいのですが、当時から業界の中心に居た人は、「この問題をクリアしないと俺達は飯を食っていけない」ではなく、むしろその逆。「この問題がクリアされると俺達は飯を食っていけない」と思っているのではないか。そのような考えすら頭を過るようになってきました。

1.ビジネスモデルは見えないものや解決策が難しいものが基本となる
2.利便性ではなく、不平不満こそがビジネスチャンスとなる
3.階層を固定させることがビジネスサイクルの基本
4.問題解決能力の欠如こそがビジネスにおいて一番重要

 政治の話で恐縮ですが、こうした、「問題解決能力の欠如こそがビジネスサイクルになる」構図はあらゆる分野でよく見受けられます。麻雀界隈に長く居る人であれば、これに当てはまる事項がいくつか思い浮かぶのではないでしょうか。

 無論、単なる過失で説明がつくことに悪意を見出すべきではないのですが、業界の中心に居る人物が、揃いも揃って無能というのも考えづらいものです。単なる無能であれば、業界の中心に立つこともかなわないはずです。

 十段戦の例は、「③階層を固定させる」に当てはまるでしょうか。十段戦はただでさえ高段位のベテランが勝ち抜きやすいシステムであるうえに、「目無し問題」が解決されていないとなれば、ただでさえ運要素の強い麻雀がますます実力を反映させづらいものとなり、優秀な新人が勝ち上がるのが難しくなってしまいます。

 第28期十段戦の目無し問題に続き、第30期十段戦の謎の失格裁定をもって堀内氏は連盟を脱退。現在は麻雀yotuber及びポーカープレイヤーとして活躍されています。動画で生き生きと麻雀を打つ氏の姿を観るに、むしろ辞めることになってよかったと思わなくもないですが、優秀な人が業界から距離を置くのは寂しいものです。

 目無し問題に限らず、麻雀界隈の抱える問題に対して、「当事者が無能で身勝手」「問題意識が無い」といった批判は今もよく見受けます。勿論それも的外れではないのですが、問題が解決されないより根本的な原因。麻雀界隈のビジネスモデルの性質についても言及が必要ではないでしょうか。私はどこまでも外野なので邪推にしかなりませんが、今後は何かとこの手の話を取り扱うことが増えることをご了承下さい。

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