麻雀用語を使わない麻雀講座を考える第5回「ルールより先に数字の組み合わせに慣れさせる」

 これまでのまとめ

・和了=勝ち 放銃=一人負け 被自摸=三人負け 横移動=誰かの一人負け 流局=引き分け

・麻雀牌の呼称 言語に合わせる(萬筒索字)

・手牌の形(1雀頭4門子) 門子=3、搭子、対子=2、他=1左側からH、M1、M2、M3、M4…として、 「23333」のように数字で表す。

・牌の組み合わせの形 三(刻子)、一一一(順子)、一一(両門)一◯一(嵌張)のように並び方で表現することを考える。

・待ちの呼び方 (待ちの種類)+(待ちになっている牌) (両嵌辺双単)

・和了までの距離 和了までの手数で表す 聴牌なら、和了(1)一向聴なら和了(2)

ルールを一通り覚えてしまう前に、数の組み合わせに慣れるトレーニングをする

 麻雀のルールを習得するまでに、他には鳴きに関する発声(ポン、チー、カン、ロン、ツモ)、役とドラ、失点の防ぎ方、点数計算を覚えるといった段階がありますが、「楽しく効率よく上達する」ことを踏まえれば、一度にルールを覚えさせるよりは、簡易的なゲームで数の組み合わせに慣れさせるのがよいと考えます。

 数の組み合わせに慣れないうちから鳴きを覚えようとすると、「手役やアガリやすさを無視した過剰な鳴き」、役とドラを覚えようとすると「アガリやすさを無視した過剰な手役狙い」、失点の防ぎ方を覚えようとすると、「アガリやすさを無視した過剰な安牌残し」、点数計算を覚えようとすると「着順落ちを無視した過剰なトップ狙い」に陥る恐れがあります。

 ルールを覚えて間もなく強くなれる人と、ルールを覚えて長年麻雀に親しんでいても強くなれない人の違いは、「数の組み合わせに慣れているか」「慣れる前に余計な知識をつけてしまっていないか」にあるのではないでしょうか。

 しかし、「最初のうちは手役や守備を意識せず真っ直ぐ打つ」とアドバイスするだけでは、実戦を積むうちに偏った打ち方が癖になってしまう恐れもあります。よって、麻雀以外の簡易的なゲーム、それも特に道具を使わず、短時間で繰り返し行えるもので、数字に慣れされる必要があると考えました。

 道具を使わず短時間で遊べて数字に慣れることが出来ると聞いて、私が思い浮かんだのが「10パズル」。車のナンバープレートや切符に書かれた4つの数字を四則演算を用いて10を作るというものです。余談になりますが、並び替えて数字が一致するものは同じとみなすと組み合わせは715通り、そのうち552通りで10を作ることができます。中でも「1158」「1337」「1199」「3478」の4つについては、計算過程の途中で整数以外の数字が出てくる難問です。

 麻雀にも「四枚麻雀」と呼ばれる、1雀頭1門子で和了となる簡易的な遊び方がありますが、これをナンバープレートで行います。1手で和了の形なら何で和了になるのか、そうでないなら何を引けば1手で和了の形になるのかを頭の中で考えます。「0」は字牌扱い。「.」も「0」と同じものとします。

 四枚麻雀の和了形は「23」。四枚の手牌をパターン分けすると次のようになります。

22 和了(1) 単騎待ちを含まない聴牌

13 和了(1) 単騎待ちを含む聴牌

21 和了(2) くっつき一向聴

12 和了(2) 雀頭無し一向聴

03 和了(2) ※同じ数字4枚

11 和了(3) ※[0147]のように必ず0を含む

 例えば、[0037]であれば0〜9まで何を引いても聴牌。手牌を進めるうえで雀頭の存在がいかに重要かがよく分かります。不要な雀頭崩しは初心者だけでなく、長年麻雀に慣れ親しんできた人にも見られがちな選択。入門の段階で雀頭の強さを意識できていれば、その後の手組の技術も効率よく習得できるようになります。慣れてきたらナンバープレートの上3桁を合わせて「七枚麻雀」にチャレンジ。それから「十枚麻雀」「十三麻雀」と更に段階を上げていきましょう。十三枚麻雀なら下記の「緑一色麻雀」がお勧めです。

 もちろん麻雀牌を用いて「四枚麻雀」でも構いませんし、入門者向けの麻雀教室でもよく使われる手法ではありますが、重要なのは、「麻雀牌が手元に無くても麻雀のことが考えられる、脳内麻雀卓を構築すること」にあります。

 昨今では入門者向けの麻雀講座を見受けることも増えましたが、そこから麻雀を覚えた人が長く麻雀を嗜み、更に言えば実力者になったという話は聞きません。実力者というのは、およそ誰かに教わるまでもなく麻雀を覚え、実戦、学習を淡々と続けた人ばかりです。

 私達の身の回りは数字に溢れています。麻雀は数字を組み合わせて和了を競うゲームですから、その気になれば何時だって麻雀を学べます。麻雀を誰かから教わるという発想では、手元に麻雀牌がある時にしか麻雀のことを考える習慣がつかないもの。日常生活の中の数字を麻雀牌に変換できるようになれば、今後新しく麻雀の技術を学ぶうえでも大いに役立つこと請け合いです。

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