第十期天鳳名人戦牌譜検討第56回

第四節四回戦卓2

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 タンヤオがつく3〜7牌ならドラの有無に関わらずペンチャンを切りますが、28牌は手牌、局面次第になりやすいところ。今回は赤2枚(タンヤオをつけなくても高い)、2メンツあって雀頭無し2シャンテン(メンゼンでテンパイしやすい)、西家が第一打8p(7pを持ってない)。どちらかと言えば2m切りそうです。

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 アガリ牌が7p1枚のみにつきドラ4sくっつき狙いのテンパイ外し。7pも8mの下家に鳴かれる形ですが、6枚見えの58mを鳴かせない方が下家にアガられにくいので打7p。

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 低確率ながら高打点アガリのチャンスが残る手ではありますが、残りツモ4回なら形テン取りが無難でしょうか。

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 親で流局間際にテンパイが取れるなら大概取りますが、残りスジから南家が58m待ちの可能性は相当高い。58mのうち赤5m1枚だけ見えていないので赤567m34468p赤555s頭頭から7pチー打4pのケースは一応あるようにも見えますが、その場合は打7mのところで鳴きラグがかかるので実はこの形も否定できます。

 実際に58m待ちだったのですが、何と白が雀頭で役無し。安牌に窮するという理由で西家の切った白はスルーされていました。白にもラグがかかっているはず(チーだけするために東家の手番になったときだけ鳴き無し解除する可能性も一応ありますが、そこまで面倒なことをしている人は流石に稀でしょう。)ですが、ラグを確認していたとしても北家に白アンコと考えるのが自然なのでこの8mは切れそうにないですね。

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 北家がダマで高め跳満をテンパイしていますが、仮にダマにしたところで25sが止まるはずもなく、ダマ2翻ならリーチの一手とみます。同様に南家も9pが無いとはいえダマ2翻。単騎待ち手変わりも一応あり、北家の9p白の切り順はいかにも6pを持ってそうではありますが、それでもリーチしてそうです。

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 ドラ5s引きがあるとはいえ流石にダマ2翻はリーチでしょう。

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 しかし結果はご覧の通り。このような僥倖を期待して1巡だけダマという選択を好む人もいます(ダマにしている場合にアガリ牌が出たら見逃すという手もある)。即リーチとどの程度差がつくのかは気になるところです。

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 369m6sの3メンチャン、ドラ発引きの手変わり評価をどうみるか。手変わりが豊富な手に関しては、巡目が早い程手変わり有利の傾向があるので、「手変わりしないままn巡経ったらそのままリーチ」が最善になるケースもあります。nの値を正確に求めることは現状無理ですが、分岐点がどのあたりにあるのかを考えるのも楽しいものです。この程度だと次巡手変わりしなければリーチが面白そうです。2m切りリーチは14m待ちが想定されやすいですが、ツモ切りリーチなら1m待ちが想定されにくいというのもあります。

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 トップが遠い2着目ので追いかけリーチを打つリスクは高め。役有りダマに取れるならそうするに越したことはないとみての打1mでしょうか。ダマにしても2s残り1枚である以上当分出アガリは利きにくい、7s先切りのケースくらいしか当たらないので5sを通しやすい。トップ目が遠い2着目とはいえ親でリーチドラ1テンパイならそうそう降り有利にならないとみて打5sツモ切りリーチも有力そうです。結果的にはそれなら一発放銃は避けられ、逆に1mツモ裏で3900オールになってそうです。

 とはいえそれまでの手順からしていかにもやりにくい打牌。一貫性は不要と頭で分かっていても、一貫性から離れて打牌を決定するのは難しいものです。

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 オーラス親なので事実上トップ確定。ダントツでオーラスの親番を迎えた場合は俗に、「東一局と同じように打つ」と言われますが、麻雀は順位点の関係上、東一局でも安手のアガリは額面上の点数以上の価値があるので、厳密には東一局以上にアガリ率より打点重視。リーチに押し返される可能性が東一局よりも低いことからも同様のことが言えます。

 メンツ候補不足で、6pにくっついてもメンタンピン赤で満貫に届くことを踏まえると、東1局ならドラ9pを切る人が多数派のイメージですが、マンズソーズの浮き牌がどちらもかなり強いので事実上メンツ候補が足りているとみて、ピンズはドラ9p重なりだけ残せば十分とみて6p切りも考えられます。分岐点がどの辺にあるのかは何とも言えませんが、先述の理由からこの局面だからこそ打6p寄りであることは言えそうです。

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 東一局より打点寄りで、手変わりが5m45s程度となると即リーチでしょうか。しかしオーラストップ目役有りからこの形でリーチするケース自体はほとんどない(天鳳段位戦は完全順位戦なのでなおさら)ので、手癖でダマにしがちですね。

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 放銃でラス確定、流局ノーテンも西家北家テンパイならラスと何とも苦しい2着目。北家は5pを切っているのに4pを23pでチーして9sトイツ落とし。クイタンでないのは明白で、生牌の役牌は中だけ。ここまで手牌構成が絞れていて、誰かがアガれば放銃でなければラスは免れることを踏まえると、テンパイしても中は切らない方がよさそうです。それならリャンカンを残す1pがよかったのではと思ってしまいましたが、他家が使いにくい1pポンから中単騎テンパイを目指すこともできるのでいずれにせよ打7sでしょうか。結果的には東家のダマに刺さって手痛いラスとなってしまいました。

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