楽しく勝つための現代麻雀技術講座第21回「先制カンチャン役無しドラ1リーチの是非」

 役なしカンチャンドラ1、3s1枚切れとはいえこれだけなら即リーチするところですが、本当にセオリーをそのまま適用してよいのか。親の仕掛けに着目してみることにします。

 親は67pのリャンメンを含め中張牌を数多く手出ししたうえで、334pと持っているところから2pチー打3p。リャンメンターツが余ったうえで1メンツ完成。中張牌の切れ方からも、1フーロとはいえノーテンとは考えにくく、良形テンパイと考えられます。

 手役についても中張牌がこれだけ切れているのでタンヤオは考えにくく、一色手やトイツ手でもないことから役牌アンコが想定されます。残っている役牌は発かドラの白。半々の確率で高打点テンパイと予想されます。

 また、67pの間に4sが手出しで切られていることから、4sはメンツ候補の一部で、メンツが完成して4sが切られたということになり、3sは親に1枚は持たれている可能性が高いと言えます。

 親がリャンメンテンパイで半々は満貫手、こちらのアガリ牌が薄いとなると、親リーチに悪形2翻で追いかけるのと同等かそれ以上に厳しい勝負。7sはほぼ通るのでテンパイにはとりますが、通ってない牌で降りるためにダマがよいと判断します。

 対局中にここまで読むのは困難ですが、親の仕掛けに違和感があることから読みを入れていくのがポイントでしょうか。実際には親の手は発のみ69s待ち。リャンメンで仕掛けたからといって必ず高打点の手が入っていると読むのは早計ですが、リャンメンチーに警戒を強めるべきケースが多いのは確かです。

追記 

 今回から「天鳳公式完全攻略読本」第3章、鳳凰卓編の問題を取り上げていきます。第3章は全て実戦問題ですが、これまでのおさらいではなく、第2章までに取り上げたようなセオリーを、実戦でいつ覆すかに主眼を置いた問題になっています。

 何故なら、天鳳位に限らず、最強を目指す打ち手ならば、基本通りに打つのは考えるまでもなくできるようになること。他家に差をつけるために必要なのは、実戦でいつ基本を外す選択をするかに思考を集中させることにあると考えたからです。

 今回の問題はハンゲームで勉強会をやっていた頃にメンバーだった方から質問を受けた時のもの。先制カンチャンドラ1鉄リーチは当時からよく言われていたので、セオリーを覆す問題として丁度良いと思い出題しました。こうしたところに疑問を持つというところにも、質問者の才気がうかがえます。勉強会やってて一番嬉しかったのは、こうした打ち手が「良い質問」を数多く寄越してくれたので、私自身が一番勉強になったということですね。

 改めて見返してみると、正直今の私は同じ局面でダマを選べる自信があまりないですね。一応実戦では2sにラグがあったという情報もあったはず(3sが持たれていることが更に読みやすくなる)なので、そこに意識が向いていれば辛うじて選べそうではあります。

 今回は先制役無しドラ1カンチャンでもリーチしないということにしましたが、逆に言えば同条件でリーチしないとすれば、今回程度にはリーチを打たない説明がつけられるということ。何となく押し返されるのが怖いという程度の話であれば、やはりリーチをお勧めします。

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