現代麻雀技術論註第4回「手組を数字で表すその1」

 皆様は、麻雀を全く知らない人にどのように麻雀を教えるでしょうか。おそらく多くの方が、「3枚組を4つと2枚組を1つ作るゲーム」と説明されると思います。数字の概念さえ分かっていれば、それだけでアガリの形を伝えることができます。更に簡略化して言えば、「23333」を作るゲーム。「33332」ではなく、「23333」なのは、アタマになるトイツと、アタマ以外のトイツやターツと区別するためです。

 私が思うのは、折角数字だけで説明できるのだから、あれこれ用語を持ち出さずにそのまま手組みを数字で表せばよいのではないかということ。用語の定義が共有できていればよいのですが、「455679」の形を何と呼ぶか、「完全1シャンテン」はどのような牌姿を指すかといった、基本的な手組みの話でさえ用語の使い方が人によってまちまちという現状があります。

 メンツを「3」、アタマ1つを左端に「2」、アタマ以外のトイツやターツを「3」の右側に「2」。残りの浮き牌を「1」と表せば、あらゆる手牌の形を数字で表すことが出来ます。5ブロック足りているかどうか、アタマがあるかどうかも説明出来ます。

 メンツやターツがどのような形かについても、見たままを数字で表してしまいましょう。算用数字と区別して漢数字で。コーツなら「三」、シュンツなら「一一一」、リャンメンなら「一一」、カンチャンなら「一〇一」、ペンチャンなら「〇一一または一一〇」、トイツなら「二」、「455679」なら「一二一一〇一」です。 完全1シャンテンの形は、狭義で言えば、「23322」の形で、「22」が、「二一+一一」の形になります。

 ターツやターツ+フォロー牌の形には、これまで様々な名前がつけられて来ましたが、全ての組み合わせに名前をつけるのは現実的ではなく、名前がついていることでその組み合わせを過大評価してしまう恐れもあります。見たままを数字で表せばどんなややこしい形でも、メンツの3枚と、アタマ1つの2枚を取り除いて残る枚数が、1枚なら「浮き牌」、2枚なら「ターツ」または「トイツ」、3枚(2+1枚)なら「ターツ+フォロー牌」、0枚なら、「完成メンツ、アタマ」であると判別することができます。 

 麻雀で勝ちきれない人の多くは手役を狙いすぎる傾向があります。これも、手役はルールを覚える段階で誰もが知るうえに定義明瞭である一方、手組についてはルールを覚える段階では知らされないことも多く、定義不明瞭な言葉も多いことがその理由の一つでしょう。定義が明瞭になっていない概念を思考することは難しいですから、もし私が入門書を書くとしたら、手役の紹介より先に、手組についてもっと深く取り上げるようにしたいですね。

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