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真・雀魂日記第35回

 雀魂がeスポーツ化?という話で1年前に記事を書きましたが、何とこのたびレッドブル主催のeスポーツイベントにて雀魂が選出されることになりました。この機会にモンエナ派からレッドブル派に鞍替えします…とでも1年前のテンションなら書いてそうです。

 しかしそうはならず、昨今は麻雀界隈の話題を追うことすらやらなくなったのは、麻雀のイベントを開催するうえでの問題点が解決される様子がまるで無いため。今回の予選の形式は「いいとこ取りの連続5戦のpt上位が勝ち抜き」というよくあるものですが、予選参加者最大1000名に対して勝ち抜くことができるのは僅か2名。予選参加者最大200名に対して32名勝ち抜きの四象戦ですら5戦中トップ4回くらいの成績が必要だったのですから、1000名中2名ともなれば、四暗刻単騎や国士無双十三門張のダブル役満和了を決めた大トップ込みの5連トップが必要になりそうです。

 この手の問題に対して、「運ゲーが嫌なら将棋でもやればいい」という主張を見受けることがありますが、何も運ゲーだから悪いというのではありません。麻雀そのものは運ゲーであるが故に最高に面白いのですが、こと大会形式となると、途端に麻雀がゲームとして非常につまらないものになってしまうのです。

 ゲームがいかにしてつまらなくなるかについては上の記事に分かりやすく説明されています。麻雀を例に挙げてみましょう。

①プレイヤーの意思決定の場がない

 麻雀はとにかく運の要素が強いゲームですが、手番ごとに毎回プレイヤーの意思決定の場が与えられます。

 しかし極端に高いスコアを出すことが要求されるとなると、事実上選択の余地が無くなってしまいます。国士無双十三門張か四暗刻単騎、あるいは字一色大三元のような和了が出るまで不要牌をただ並べるゲームはやりたくないですね。

②プレイヤーの意思決定がゲームの結果に影響しない

 麻雀はとにかく運の要素が強いゲームですが、毎局オールツモ切りでは絶対に勝つことはありません。段位戦のように各半荘ごとの結果が成績に反映されるルールであれば、プレイヤーの意思決定は確実に結果に影響します。

 しかし連続5戦の成績上位2名が勝ち抜け、他は一律敗者となれば、敗者はもちろん、勝者ですら「連続5戦」以外は捨て試合。オールツモ切りでも同じことだったということになります。勝てない局でもいかに負け分を抑えるかが要求されるからこそ、麻雀とはいえそれなりに実力が結果に反映されるゲームになっているのです。

③早々に負けが確定するプレイヤーが出る(しかも負け確定だけどゲームの進行上参加し続けないといけない)

 言わずと知れた目無し問題。今回の大会形式なら時間がある限り完全な目無しにはなりませんが、1000人中の上位2名を目指すとなれば、限りなく目の薄い勝ち抜けを目指すために最後までゲームに参加することを、(実際にスコアを出すことが出来た上位2名以外の全員が)要求させられるということになります。リーグ戦の最終盤で当事者になった打ち手だけの問題である目無し問題よりもよほど深刻かもしれません。

 ランキング上位200名が参加できる四象戦。私も1プレイヤーとして参加し、天鳳位や有名実況配信者とも同卓して最初のうちはテンションが上がったものです。

 しかし彼らがハイスコアを更新するために段位戦では有り得ない無謀な攻めを敢行しては玉砕する不毛な作業を数日間繰り返し、それでいて敗者となっても愚痴の一つもこぼさず同卓者への感謝の意を表しているのを見て、居たたまれない気持ちになってしまったのは私だけでしょうか。普段の段位戦と異なり、勝ち抜かなければただ座っていただけと同じ。彼らの類い稀なる才能と努力の賜物が、「愛すべきクソゲー」としての麻雀ではなく、「愛せないクソゲー」としての麻雀に浪費させられる事態を見過ごす訳にはいきません。

 私が「雀愉位争奪戦」を提案したのも、大会戦こそ段位戦形式のpt制度が採用されるのが望ましいと考えたためです。これを四象戦にも適用するのはどうでしょうか。大会戦ではなく段位戦、しかも王座の間限定で春夏秋冬の4シーズンに分け、3ヶ月間の「安定段位」もしくは「良いとことり100戦の安定段位」を競うものにしましょう。段位pt配分の影響で過疎化している王座の間の活性化、魂天に到達したプレイヤーへのエンドコンテンツとしての役割も果たすことが期待されます。

 短期間で行う大会はどうあっても運の要素を埋め合わせることは困難ですが、問題なのは運要素ではなく、「プレイヤーの意思決定の場が事実上なくゲームがつまらないものになってしまう」「敗北が確定したプレイヤーがすぐにゲームをやめることができない」ことにあるのですから、シンプルに最初からトーナメント戦にしましょう。四象戦本戦は32名参加、決勝までは2着以内勝ち抜きの4回戦ですが、トップのみ勝ち抜き10回戦なら1048576名まで参加可能。100万人の麻雀大会。参加費100Gで優勝賞金1億Gのように参加費を賞金に充てることは現在の日本の法律では不可能ですが、ゲーム内のコインでやるだけでも大いに盛り上がるのではないでしょうか。

 

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