現代麻雀技術論註第9回「フォロー牌は浮き牌でもある」

 前回、「245mの2m」は(残す価値があるかどうかはともかく)フォロー牌とみなすという話をしましたが、「メンツを完成させるのに2手かかる牌を「浮き牌」と定義するなら、やはり浮き牌ともみなされることになります。

 そうなると、「223mの2m」のようなフォロー牌も、3m4mの順で引いて1メンツ完成することもあるのですから「浮き牌」でもあることになります。便宜上「フォロー牌」と名前がついてますが、浮き牌としての機能が無くなったわけではありません。前回「1」を「浮き牌」と「フォロー牌」に分けてきたと書きましたが、フォロー牌に浮き牌としての機能が残っている以上、本来であれば「浮き牌」を「フォロー牌」と「非フォロー牌」に分けるとすべきでした。

 しかし、麻雀を覚えて真っ先に学習するであろう基本となる手組の話に「非フォロー牌」という聞き慣れない言葉を持ち出すのは何とも違和感があります。

 改めて、あれこれ用語を持ち出さずにそのまま手組みを数字で表せばよいということに気付かされます。今後も便宜上、「浮き牌」「フォロー牌」という言葉を持ち出すことがあるかと思いますが、単に「1」と書いた場合は非フォロー牌である浮き牌。「2+1」と書いた場合は(ターツまたはトイツ)+フォロー牌のことを指すものとお考え下さい。

 223mの形を3枚組としてでなく、「2+1枚」として考えるメリットは多々あります。「223mの2m」のようなフォロー牌と書きましたが、もし手牌がトイトイや四暗刻を狙える牌姿になっているのであれば、223mのうちむしろ2m対子こそが本線で3mがフォロー牌。245mも234三色が色濃く見える牌姿であれば、24mの嵌張が本線で5mがフォロー牌とも解釈できます。単に3枚組と捉えていると気付きにくい視点です。

 223mとあって、ドラが1mだったり123三色が見える牌姿なら早い段階で2mが切られる傾向があります。もちろんメンツ候補が揃っていて、223mからは1メンツしか作らないのであればそれがセオリーですが、メンツ候補が足りてなくて2メンツ以上作ることを想定するとなれば話は別。ドラ1mなら2mを残せばツモ3mから1mを2枚使う変化まで残せますし、123三色狙いなら2mを残すことで三色にならないツモ4mでも、そこからツモ3mで再度123三色を狙うことができます。

 これも、単に3枚組ではなく、「2+1枚」と見なしているが故に気付ける発想。フォロー牌と名前がついていても、浮き牌としての機能は残っているのですが、「Aと対の概念でも使われるB」という言葉を持ち出すと、「BはAではない」とつい考えてしまいがちなので注意したいですね。

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