新麻雀徒然草第4回「麻雀はもっと自由に遊べる」

 学校でカードゲームを禁止された中学生が、百人一首のかるたで遊戯王バトルをしたというエピソードが最近話題に上っていました。この話自体は作り話だそうですが、似たような経験をされた方も多数いらっしゃるようです。

 かくいう私も、寮内で盗難事件があったために中高時代TCGを禁止されていた勢。当時はルールもよく分からず、まともなデッキが組めるほどの資産も無かったので、禁止されてなかったとしても結局のめり込むことはなかったと思いますが、TCGも興味を持ってから実際に遊ぶまでに5年の月日を要しました。ゲーム機は最初から持ち込み禁止だったので、週末はゲームボーイをやるためだけに帰省。遊戯王はやりませんでしたが、ポケモンカードとカードヒーローはよく遊びました。麻雀よりやり込んでいたかもしれません。

 麻雀なら盗難の心配はありませんが、賭博のイメージからか麻雀、花札も持ち込み禁止という話も聞いた記憶があります。しかし適用された例はなく、そもそも遊んだのがカード麻雀で1回だけ。以前、高校時代は麻雀をやる相手が居なかったと話したら、某福地なんとか先生に、「ネマタはよほど友達が居なかったらしい」と誤解されてしまいましたが、

①TVゲーム世代なので、中高生で麻雀のルールを知っている人が少なかった。

②時間厳守の寮生活なので、時間がかかり過ぎる麻雀を遊ぶ余裕がなかった。

③中高時代に麻雀にはまり込んでまで東大に受かるほど優秀な生徒の集まりではなかった。

実際の理由はこの辺りです(笑)

 そんなわけでよく遊ばれたゲームと言えば、トランプの大富豪とかUNOとかそのあたり。小学生時代、「英文字でのアガリ禁止」ルールに納得がいかなかったという話を以前こちら 
(https://mj-news.net/column/nemata_turedure/20190120116284) 
で話しましたが、中高時代遊んだルールで特に面白かったのは、「ドロー2、ドロー4に対して英文字なら何でも出せるルール」。ドロー2にドロー2が出せるというのも、実は公式ではないローカルルールなのですが、このルールならドロー2に対してリバースを出せば、ドロー2を出した人が逆に2枚引くことになります。もちろんリバースに対応して別の英文字を出すことも可能。英文字カードの応酬になり、気付けば思わぬ人が大量ドローさせられる羽目になったりするので、やる方もやられる方も大盛り上がりでした。

 どうせなら数字カードも出せるようにして、カードを出せなかった人が出た時点で追加ドローの効果を解決するルールにするとより面白くなるかもしれません。「出せるカードがあってもあえて出さずにカードを貯め込み、アガリに近いプレイヤーが出ると貯め込んだカードで妨害」という、さながらTCGのコントロールのような戦略も考えられるようになります。

「同じ文字は複数枚出してよい」というローカルルールも採用していました。スキップを2枚使った場合、2人飛ばしになるのか、それとも1枚ずつ効果を解決して3人飛ばしになるのかは諸説ありますが、仮に4人で遊んでいるとして、2人飛ばしなら「SSS333」、3人飛ばしなら「SS333」のような手札になっていれば、他のプレイヤーの警戒をくぐり抜けて一発でアガることができます。まさにTCGでいうところのコンボ。コントロールのカード貯め込み戦略とも相性がよく、上手く決まった時の爽快感は計り知れません。

 麻雀もUNO同様、「公式ルール的なものは一応あるが、浸透していないがために様々なローカルルールがあり、プレイヤー間でしばしば揉める。」という問題点を抱えています。今後の麻雀の普及、発展を考えれば、時代に合わせたルール統一が必須であることは言うまでもないでしょう。

 しかし、私はそれ以上に、「麻雀はもっと自由に遊べる」という考えこそがもっと浸透して欲しいとも思います。「ルールが変わると麻雀が別ゲーになる」という話も聞きますが、ルールが違えば使えるカードからまるで違うTCG経験者からすれば、麻雀は多少ルールが変わってもやっぱり麻雀です。

 108枚あるからUNOのカードで三人麻雀が遊べるという話も以前しましたが、何なら麻雀牌である必要すらありません。「色」と「数」の概念があるものの集合体であれば、何であっても麻雀のようなゲームを遊ぶことができます。それこそ寿司や缶ジュースだっていいのです(流石に実物でやったことはありませんが、これらをモチーフにしたドンジャラ的なゲームで遊んだことならあります。)。麻雀牌を用いない麻雀のようなゲームが咎められることはないのに、麻雀牌になった途端悪い目で見られるのも、子供心に腑に落ちない出来事でした。

 麻雀打ちが細かいルールで揉めるのも、麻雀に悪いイメージを持つ人が未だに少なからずいるのも、自分の中に抱えている「麻雀」像に囚われているため。それだけ普段ゲームをやらない層にまで麻雀が普及したという証拠でもあるので、必ずしも悪いことばかりではないのですが、今後の麻雀界の発展のためにも、「麻雀はもっと自由に遊べる」という発想が広まって欲しいですね。皆が寿司や缶ジュースでも麻雀のようなゲームをやり始める。そんな世界が来ることを願っています…流石にそれはちょっと大袈裟ですがね(笑)

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