第十期天鳳名人戦牌譜検討第50回

第四節二回戦卓2

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 白が出た時に1300のアガリより5200タンキテンパイがよいので7sポン。5sは赤5s受けがあるので残すとして、7sを切ってきた北家がそのスジの4sを持っている可能性が少しだけ高まるとみて一応4sからでしょうか。

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 残り1枚だけど他家が使いづらく鳴きやすい牌と他家に使われやすい残り2枚の4sとの比較。5s4s4sと並べるのは他家視点から奇妙でヤオチュウ牌残りのトイトイを想起されやすいのもあり難しいところ。9pは誰も使えなさそうですが、1sは東家南家には使われ得る牌とみてこれくらいなら打1sかもしれません。西家の順子崩しからのトイトイ移行は流石に想定外なので、打1sなら4sがすぐ鳴けたという事自体は結果論とみます。

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 14s6枚見えをみて36sシャンポンでリーチした東家から満貫の出アガリ。東家は北家の2枚目の4sはチーして58mテンパイに取った方がよかったかもしれません。通常なら2枚目の4sが切られて14sが4枚見えになったとはいえ、「その分14sが山に残っている可能性が高い」ことから局収支込みでスルーに分があるとみますが、北家は切り順からヤオチュウ牌絡みのトイトイの可能性が高く、ドラ9s持ちだからこそ仕掛けを入れたケースが想定されやすいためです。

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 前巡は打1sとしてもテンパイを逃すのは1sツモのみ。ドラドラも鳴きホンイツも2翻につき、ソーズホンイツを読まれにくくする意味も込めて打1s。6sポンして478s待ちは他家が相当使いづらくかなりアガリやすそうです。

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 しかし南家からのリーチによってすぐにでもこぼれそうだった7sが止められて結果的には裏1の7700放銃。放銃は致し方ありませんが、結果としてリーチの強さが最大限に発揮された局でした。

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 チートイツ1シャンテン。ドラ7mは残します。8m9mの出が早い場合もドラの場合は7mが固められているケースもありますが、7m2枚見えなので7mアンコはなく、他に雀頭があるかメンツ候補が足りていないケースなら778mも8mも残されやすい。5mを持っているので7m引きがロスになりにくいという理由で切られたケースが多そうです。いずれにせよ判断は変わりませんが、序盤に周辺牌が切られてドラトイツ以上濃厚のパターンもあるので、勝手読みにならないように、されど読みを放棄しないように手を進めたいものです。

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 東家の打1sリーチは13567sのカン2s役無しダマから4sを引いて手変わりしたもの。手変わりが4sツモしかないならリーチしそうですが、ソーズがかなり場に高く、かといってテンパイ打牌が9mとなると打1sとしても増える手変わりはドラ7mくらい。ドラをツモって更に手変わりを待つタンキテンパイよりは、2sツモって500オールのアガリがよいという判断でしょうか。実際西家の2sがチートイツ1シャンテンにつきアンコから切り出したものでテンパイ時点で2sは残り1枚。チートイツ読みは流石にピンポイント過ぎて無理としても、他に2sを持っていて1枚切ったケースは想定されやすい河です。

 西家から2s4枚見えにつき2sはシャンポンで当たらないので、テンパイ打牌1sなら2sは本来なら通りやすいところ。113sならシャンポン待ちに受けるところで、134sは9mトイツを落としてまで1sが残っている理由が、今回のようなカン2sテンパイから4sをツモって手変わりしたケースくらい。この点差のトップ目でラス目親からのリーチとなるとダマが無難でしょうが、少なくとも2sは止まらないとみます。

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 南家の5sアンカンは手牌的にも妥当とみますが、この5sアンカンが東家に重要な情報となりました。同じ残り4枚ならリャンメン変化があるマンズカンチャン残し。似ているようでも、場に25sが4枚切れた25sリャンメンとカン4mの比較であれば、リャンメン変化よりは、他家に使われにくいという理由で34sを残した方がいいことが多いと思います。

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 ダマでも出アガリ11600。1mはダマならどこからでも出アガリが期待しやすい牌。天鳳のフィールドではダマ有利とされやすいですが、誰も使っていないならツモれることも多いということ。カンが入っていることもあり、天鳳名人戦の段位点でも優勝に重きを置くならリーチ寄りな気もします。結果的にはリーチしていればカン裏2枚追加でダマなら4000オールのところが8000オールになっていました。

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 トップ目でも2位3位とさほど点差が離れていない以上どちらかと言えばリーチでしょうか。西家の仕掛けをケアしたのもあると思いますが、ケアしたい程度の手が入っているとするなら、リーチしても西家からは出アガリが期待しやすいということでもあります。天鳳名人戦のフィールドでは技巧者ならではのダマテンも多数見受けますが、元々がアガリやすそうな待ちの場合はそれでもリーチに分があることが多いと感じます。

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 場況が無ければ見た目枚数で2枚差のうえ、ツモ34m67pの3メンチャン変化をみてツモ切るところですが、場況からソーズが安いので58sは使われづらく、25mは使われやすいとみての判断。しかし実際は北家に8sが暗刻。北家の1枚目の9sがツモ切りにも関わらず2枚目が手出しなので、実はさほどレアケースでもないようにも見えますが、このあたりを実戦中に判別するのは相当困難。個人的にも山読みの精度をもっと高めたいものです。

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