現代麻雀技術論註第28回「手組を数字で表すその4」

・14枚の和了形を「②3333」のように算用数字の並びで表す(雀頭を他の門子候補と区別して②と表す)

・「②3322」なら和了(2)のように、14から数字の合計を引いたものを和了までの距離として表す。

・「②3322」の雀頭をH、雀頭以外のn番目の門子候補をMnのように表す。(H=①なら雀頭が無い形、M4=1なら門子候補不足の形を表す)

・三(刻子)、一一一(順子)、一一(両門)、一◯一(嵌張)、◯一一(辺張)、二(対子)のように、手牌構成を漢数字で表す。

・漢数字の和が、3で割った余りが1なら1枚の形(浮き牌)、余りが2なら2枚の形(搭子か対子)、余り0で刻子や順子でないなら、「2+1枚」の形。

「579m」を「一◯一◯一」。「455679m」を、「一二一一◯一」と表すことで、これらが「2+1枚」の形として同じ属性を表すことが分かります。また、「一二一一◯一」から456mの「一一一」を抜くことで579mの「一◯一◯一」が残り、567mに「一一一」を抜く事で45mの「一一」が残ることから、36mの両門と8mの嵌張があることが視覚的にも分かりやすくなります。

 刻子を「三」、対子を「二」で表すことにしてふと考えたのは、四枚使いをどう表すかということ。もちろん「四」でもよいのですが、視覚的に表すことを考えると四本線にしたいところ。実は漢字には「亖」という、そのまま四本線で数字の4を表したものがあります。

 この漢字が使われなくなった理由は定かではありませんが、ローマ数字もⅠ、Ⅱ、Ⅲの次はIIIIではなくⅣで表されています。線の数をただ増やすだけではキリがなく、4本も線が並ぶと読みにくいので、線の数で表すのは3までにして、4からは別の表記を用いるようになったのかもしれませんね。

 「亖」なら1枚抜いて「三」、2枚抜いて「二」が残ることが視覚的に分かりやすいので、折角なのでこちらでは四枚使いを「亖」で表すことに致します。


「2+1枚」の形、あるいは「3+1枚」や「3+2枚」で表される、いわゆる多門張の形の一部については、既に呼び名がついています。しかし、入門書に記載されることはないので、なかなか名前が浸透しないという問題点があります。

 更に言えば、特定の呼び名が浸透したとしても、名前がついているものだけが過大評価、あるいは過小評価されてしまうという問題点があります。第209回で取り上げたように、「455679」の形はその典型例と言えましょう。人は言葉で物事を認識するので、知らないことを把握するためには言葉が必要ですが、既に把握できていることにまで下手に言葉をつけようとすると、言葉の独り歩きになる恐れがあるのです。

 そうなることを防ぐ手段は、「見たままをそのまま表す」より他ありません。私が「手組を数字で表す」ことにこだわるのはこのため。私自身、従来の麻雀用語に慣れ切ってしまっている側の人間でしたが、見たままを表すことを心がけることで、それまでは思いつきにくかった有力手を時間をかけずに見つけることができるようになりました。私が当記事を書き続けるのは何より自分の学習の為。その学習の成果を、皆様にも共有できる形でまとめていければと思っております。

 次回からは、数字で表した手組を具体的に評価し、どんな手牌なら何を切るのが有力かをまとめます。目標は「全ての何切るに答えを出す」こと。noteでは問題の解き方について、問題集は「麻雀ドリル」で掲載していきたいですね。


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