第十期天鳳名人戦牌譜検討第49回

第四節一回戦卓1

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 東家がダブ東を重ねた局面。ここから東をポンしてダブ東ドラドラの3900オールのアガリとなりますが、南家が第一打で東を切っていればこのアガリはありませんでした。南家程度の手牌で、「役牌の重なりを見るに越したことはない」という理由で西から切るのか、「役牌の重なりにそれほど期待せずともリーチが狙えるのでダブ東だけは先に切る」と考えるのかは意見が分かれそうです。私は手牌や局面によらず基準を作りやすいという理由で前者を選んでいましたが、最近は気まぐれで後者を選ぶ頻度も増えました。

 東家はメンツ候補が揃っていて、中が重なれば東が鳴けない場合も役がつき、両方鳴けて跳満に届くこともあるので9pか1sの選択。一応9pを切って7p6pと引いてリャンメンを逃してもメンツが出来る分9pが先とみますが微差中の微差です。

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 4枚目の中はカンすれば1回多くツモれ、中を切った場合に比べて倍以上の打点が見込める牌、降りる場合は国士以外に完全安牌。カンを保留するのは中途半端な選択とされがちですが、攻めに転じた場合はドラのように扱える完全安牌を抱えていると考えれば十分有り得る打牌候補と考えます。

 6mと89sは単体の比較であれば浮き牌を残すことが多いですが、他に残しておきたい浮き牌(今回は4枚目の中)がある場合は、ターツを落とした方が残しておきたい浮き牌を保持しやすいことからペンチャン落としを選ぶことが増えます。アガれるならなるべく中をアンカンしてアガリたいとはいえ、悪形ターツが2つもある2シャンテンでアンカンするのは他家に先手を取られた場合のリスクが大きいとみての判断でしょうか。

 ただ個人的にはここで中アンカンを選びそうです。悪形ターツ2つの2シャンテンと聞くとアガリづらいと考えがちですが、今回は2メンツあって雀頭無しの形。雀頭ができれば1シャンテンになるなら悪形残りでも雀頭有りの平均的2シャンテンよりはアガリやすく、3巡目なら自分が先手を取れる可能性が高いとみるためです。

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 一度鳴いた手で鳴いてテンパイがとれる牌はほとんどテンパイに取るものですが、今回は鳴くとカン6p3900テンパイに対して、鳴かなかった場合に良形または7700テンパイになる受けが37m6pツモかチーと比較的豊富。チーテン2倍速と考えれば手変わり6種、うち5種で打点も上がっていると考えるとスルーは妥当なところでしょうか。テンパイからテンパイを外すケースと異なり、鳴くか鳴かないかの比較なので鳴かない側は1回多くツモれるので手変わり条件がやや緩和されます。チーテン2倍速はこちらも必要牌が全て上家の不要牌であることが前提なので実際はそこまで早くならないことが多いですが、今回は西手出しの前に8m2mと切っているので、3m7mが上家から鳴けることが期待しやすいというのもあります。

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 チートイツ1シャンテンからメンツ手2シャンテンにする鳴き。9pが4枚とも見えていて、トイトイにせずとも高打点になり36m引きならリャンメンテンパイになる場合もあることを踏まえれば妥当な選択です。ただし9pが無いとなると、鳴く前の段階でメンゼンのメンツ手を残すメリットが薄いので5p切りのところで打9pがよかったように思われます。打9pとしていればここで8pをポンした場合も打2pとして6p受けも残すことができます。

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 カンすればハイテイが消えますが予想されるのは一人ノーテンで3000点の失点。ハイテイでアガリが発生する方が望ましいのでカンせずハイテイを回します。

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 ポンテンでも打点があり三暗刻もあるのでトイツ3組でもカンチャンより優先。打3mツモ4mより打3sツモ4sが手広く、赤5mを切ることになるホンイツ変化をみるメリットは薄いので打3s。

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 今度はシャンポン待ちなら赤5sで12000、67sツモから良形12000の手変わりもありますが、現状でも7700あるので残り3枚のアガリにくいシャンポンよりはカンチャンを選択。結果的にはアガリ逃しからの満貫放銃となりますが妥当な判断だったとみます。

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 チートイツドラドラ字牌タンキテンパイ。いくらテンパイ打牌が4枚見え9sとはいえ、マンズを1メンツ落としてもテンパイできる形となれば、上家のソーズホンイツをケアしつつチートイツテンパイとみるのが妥当。字牌タンキでも出アガリが期待できるとは言えません。

 しかし今回は全員が上家のホンイツに降り気味に打っているのが分かるのでダマにしても出アガリが期待できないところ。一応上家からはダマなら手が進んだ際に南が溢れる可能性がありますが、この9s押しをみてダマでも切らないことも十分あるところ。山に残っている南がツモれるところにあることを期待してのリーチが妥当でありましょう。

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 チートイツ1シャンテンが鳴くとトイトイ2シャンテンでドラ5sが浮いている。ただしドラ5sを使わずとも満貫に届き、トイツは比較的鳴きやすい。チートイツとトイトイ双方のメリットデメリットが絡んで判断がつきづらい問題。個人的にはトイトイを狙った際に一番待ちとして残るのが望ましく、2枚目を鳴きやすい西だけは1枚目スルーを選びそうです。

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 3p切りのロスは3pだけでなくチートイツ1シャンテンになるツモもロスになります。そもそもピンズが場に安いので、5sへのくっつき変化を残すメリットは薄いとみて5s切りそうです。


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