TCG麻雀第13回「ローカル役紹介『紅孔雀』」

 今回取り上げるローカル役は「紅孔雀」。採用例は少ないですが名前だけは比較的有名でしょうか。歴史的には結構新しく、昭和50年頃に横浜市の近藤修太郎という方が緑一色に対抗して考案されたそうです。

 私がこの役を初めて知ったのは高校の修学旅行でゲーセンに立ち寄り、今や昔懐かしな脱衣メダル麻雀ゲームのデモを見ていた時。配牌でいきなり役満をテンパイしていて即和了のデモが続くのですが、大三元や九蓮宝燈のような馴染みの役満に混ざって見慣れぬ牌の並びが登場。ただの四暗刻かと思いきや、画面に「紅孔雀」の文字が出て、なるほど緑一色の逆かとすぐ合点が行きました。

 大学に入ってからゲーセンで同じ台を見つけ、当時を思い出してプレイしてみたのですが、役満はおろか和了できる手がまるで来ないままメダルがどんどん飲み込まれていったのですぐに止め。麻雀格闘倶楽部や100円投入式の脱衣麻雀と異なり、簡単に勝てたら延々ただで遊べてしまうので仕方ないとはいえ、もうちょっと何とかならなかっただろうかと思わされたのでありました(笑)

名称未設定

 使える牌種が緑一色、清老頭の6種より少ない5種。通常の珍しい役満より更に難易度が高いですが、なんと雀愉メンバーの方で和了された方がいらっしゃいます。しかもローカル役に詳しい人でなければただのホンイツトイトイにしか見えないので、身近な人が記録として残してくれているのをお見受けしたのは結構幸運だったかもしれませんね。

 TCG麻雀で採用するなら、「紅孔雀を採用する」と書かれたテキスト牌はもちろん1s。1sが孔雀をモチーフとしていて(鳳凰説もありますが)、赤色が混じった索子と中で構成するから紅孔雀。これ以上無いネーミングですが、「麻雀ルール全集」を見ると、「紅孔雀(2)」とあります。

 それなら「紅孔雀(1)」は一体何なのかとなりますが、緑一色の索子を萬子にし、発を中にしたもの(ただし緑一色と異なり中の使用は必須)。しかしこれでは孔雀要素が全くないので、紅孔雀ではなく紅一色と思われます。実際他のサイトでは、「紅一色」として紹介されています。

 「紅一色」と「紅孔雀」がごっちゃになっている理由は、上のサイトでも言及されているように、「紅孔雀(2)」が元々「紅一色」の別名だったという誤解から来ているものと思われます。「紅」と「混」が中国語ではどちらも読みが同じなので、混一色と区別するために名前を変えたという話が出て来ますが、そもそも「紅孔雀(2)」は日本生まれのローカル役満ですからね。

 しかも紅一色は紅一色で色々定義があるようですが、それはまたの機会にでも取り上げることにいたしましょう。このように一度調べると様々な情報が芋づる式に出てくるのがローカルルールの世界。ひょっとしたら30年後も更新し続けているかもしれませんね笑

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