楽しく勝つための現代麻雀技術講座第8回「オーラスの打ち方」

オーラスこそ集中して打つべし

 麻雀の目的は綺麗な手役をアガることではなく、他家より多くの点数を稼ぐことと書きましたが、大事なのは稼いだ点数ではなく着順です。東1局であればミスしても挽回が効くかもしれませんが、オーラスは終了した時点で結果が決まってしまいます。ですから残り局数が少ないほどミスをしないように集中して打つべきです。

オーラスは順位点のみを考えて打つ

 天鳳は何点持っていても順位だけで評価が決まります。ですから順位によってもらえる得点(pt)の上下のみを考えて打つことになります。天鳳はもらえるptは卓によって決まりますが、ラスを引いた時に失うptは段位が上がるほど増えます。一般的なルールに比べるとラスを引いた時のマイナスが特に大きいです。

 ただし、「天鳳はラスさえ引かなければいい」という固定概念にとらわれるのではなく、あくまで順位点の比重を考えた上での打ち方をすべきです。「トップ」「ラス」という言葉を、順位に応じたptに変換することを普段から心掛けましょう。自分が参加する大会の賞金額には誰しも関心を持つことのはずなのですが、何故か麻雀となるとこのことを忘れてしまう人が結構います。

234赤567m11123p78s(オーラストップと1500点差の2着)

平和ドラ1でもあがればトップならダマ

22366m777999p555s(オーラストップと2000点差の2着)

打2mダマ サンアンコでもあがればトップ。順位点しか評価されないので役満は不要

残り局数が十分にある時は順位を意識しない

 オーラスはもちろん、ラス前であっても、この局が終われば点数移動は(連荘がなければ)一回しかないので、着順を上げるアガリ、着順を下げる放銃の影響は特に大きいので意識することになります。一方、点数移動が何度も残っている段階であれば、その1局の収支が最も良くなるように打つのが多くの場合最善なので、下手に順位を意識せず基本通り打つべきです。目先のことに集中しましょう。

234赤567m11123p78s(南1局2着と8000点差のトップ)

ダマにはせずリーチ。先行リーチが入っていても追っかけてよい。

アガりさえすればいいなら打点は不要

 アガった時点でトップ終了であれば、更に打点を上げる必要は全くありません。少しでもアガリ率を高めるように打ちます。役有りテンパイはダマにしますが、役が無い場合でも先制テンパイなら多くの場合リーチで問題ないです。

22m234p67899s白白中中 ドラ2m(オーラストップと800点差の2着)

打2m 1000点でもあがればトップなのでドラでも鳴きにくいトイツを落とす

 

逆転手にこだわらない

 2着以下の場合は逆転手を作ることを考えます。オーラスで逆転してトップが取れた時が麻雀を打ってて一番楽しいという人も多いと思いますが、特別逆転を意識して手作りする技術は、実はそこまで重要ではありません。理由は3つほどあります。

 1つ目は、ラス目でない場合は自分が他家に逆転される可能性もあるので、無理に逆転手を目指すより着順の変わらないアガリでもよしとすべきことも多いためです。麻雀の目的は他家より点数を稼ぐことと書きましたが、これはあくまで、与えられた状況の中での最善を目指すということであって、決して毎回トップを目指すことを目標にするわけではありません。

 2つ目は、特別逆転を意識しなくてもメンゼンテンパイならツモ、一発、裏ドラ、直撃といった不確定要素で逆転できる可能性が結構あるためです。偶然に頼る打ち方を好まない人も多いですが、手役やドラがついて確実に逆転できる手ができるかどうかも運次第です。同じ偶然に頼るなら、より可能性が高い選択を取るべきです。アガリまでの手数が変わらないのであれば、確実に逆転することを優先すべきですが、手変わりをみるくらいなら不確定要素にかけたほうが多くの場合よくなります。

 3つ目は、狙って逆転手を作らなければ不確定要素に賭けても逆転できないほど3着目とも大きく離されたラス目であれば、そもそも最善を尽くしたところでラスのまま終わることが大半なので戦績にほとんど影響しないためです。逆に、何をあがってもトップという局面で素早くアガリを目指すことができるかどうかは戦績に大きく影響します。常に最善の手を目指すに越したことはありませんが、相当な実力者であってもそれは困難なことです。重要な技術が身につくまでは、それより重要でない技術は多少ないがしろになっても構いません。

23678m115677p678s(オーラストップの西家と4800点差)

打7pリーチ タンヤオや三色変化はあるが、ツモ裏や一発裏で逆転できる即リーチの方がトップとれる可能性は高い。

2226m34579p224赤56s (オーラストップの西家と4800点差)

打9p これだけ逆転が確定する手変わりが多ければ手変わりをみるが、そもそもこの手牌なら東1でも打9pとするので、逆転手にこだわる必要はない。

あがっても降りても変わらないならテンパイでも降りる

 オーラスの押し引きは、誰がテンパイしているのかによって判断が大きく変わります。

 例えばオーラス自分39000上家38000対面12000下家11000(親は対面)で7巡目に下家がリーチしてきた場合。自分があがっても下家がツモってもトップで終了ですが、自分が放銃してしまうと2着に落ちてしまいます。(もし流局して自分ノーテン上家テンパイだと2着に落ちますが、危険牌を押して放銃する可能性の方が明確に高い)ですからこの場合はたとえテンパイだとしても降りるべきです。

振っても降りても変わらないならノーテンでも攻める

 先ほどと同じ点数状況で、上家からリーチが入ったらどうでしょうか。振り込むと2着に落ちるのは同じですが、今度は降りて上家にあがられても、流局ノーテンでも2着に落ちてしまいます。ですからこの場合はたとえテンパイまで遠くても押すべきですし、役アリテンパイが難しいなら鳴いて役ナシでもテンパイを目指すべきです。

点数計算は簡単

 逆転できるかどうかを考えるためには点数計算ができる必要があります。麻雀の点数計算は複雑なので敬遠されがちですが、実は30符、40符、50符だけ暗記してしまえば大丈夫です。符計算についても、役と鳴きだけ分かっていれば大体のケースで対応できます。(複雑なものは出現率が低く、計算できることも重要ではないので)点数計算を覚えたら、あがった時に何点差がつくかも覚えて、実戦ではオーラス開始時点で何点の手をどこからあがれば逆転できるかを把握できるようにしておきます。

鳴き メンゼンピンフ トイトイチートイ

ツモ 大体30 大体30 必ず20 大体40 必ず25

ロン 大体30 大体40 必ず30 大体40 必ず25

翻数/符30 40 50 親30 親40  親50

300 400 400

500 700 800

1翻 1000 1300 1600 1500 2000 2400

2翻 2000 2600 3200 2900 3900 4800

3翻 3900 5200 6400 5800 7700 9600

4翻 7700 8000 8000 11600 12000 12000

点数計算暗記法(点数計算に関するルールは「天鳳」準拠とする)

跳満以上を覚える(6~7翻が跳満、8~10翻が倍満、11~12翻が三倍満、13翻以上が四倍満)

満貫を覚える(30符以下は5翻、40符~60符は4~5翻、70符以上は3~5翻)

上記の表を覚える(子のツモアガリは表の2つ上と1つ上がそれぞれ子と親の支払いに相当(例:子の40符2翻ツモは700-1300) 親のツモアガリは子のロンアガリの1つ上が子の支払いに相当(例:親の40符3翻ツモは子の40符2翻を参照して2600オール)

20符(ツモ平和)は40符の1翻減、25符(七対子)は50符の1翻減、60符は30符の1翻増、70符は50符+20符、80符は40符の1翻増、90符は50符+40符、100符は50符の1翻増、110符は50符+60符(120符以上は必ず満貫以上)(切り上げの都合上、50符で足さないと点数がずれることに注意)。

点差表

ツモ ロン 直撃 親かぶり

1000 1400 1000 2000 1600

2000 2500 2000 4000 3000

3900 5000 3900 7800 6000

7700 9900 7700 15400 11800

8000 10000 8000 16000 12000

12000 15000 12000 24000 18000

1300 1900 1300 2600 2000

2600 3400 2600 5200 4000

5200 6500 5200 10400 7800

1600 2000 1600 3200 2400

3200 4000 3200 6400 4800

6400 8000 6400 12800 9600

左端は子のロンアガリ打点、平和ツモの場合は1300~5200の項を参照。

供託リーチ棒、積み棒がある場合は別途計算



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