第十期天鳳名人戦牌譜検討第57回

第四節一回戦卓3

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 5sを残すことで先に1458mツモなら3467sツモの平和変化を残すことができます。仕掛けがきく満貫手ですが中が残り1枚なので、1s西ポンから入って山の深いところに中があるケースや他家に止められることでアガれなくなるリスクも大きく、序盤なら変化を残した方がよいとみます。次ツモが西で結果的にアガリ逃すことになりますが、致し方なしとみます。中が生牌なら打5sでしょうか。マンズ部分にカンチャンがあるなら今度はカンチャン落とし。西ポンからソーズホンイツに移行する手順も残ります。

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 メンツ手3シャンテン、チートイツ2シャンテン。ドラ3mを切ってもさほどアガリやすくならないのでチートイツに決めそうですが、東家の78mリャンメン落としからアガリが近くタンピン形の高打点があるとみて先切りの意図もありそうです。実際に東家はドラかつ234三色目で24mを78mより優先して残した1シャンテン。鳴かれて5800テンパイを入れられることになりますが、3mを止めた結果6000オールをツモられるケースも有り得るので、アガリが厳しいこの手牌なら鳴かれても良しと言うところでしょうか。

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 打9pなら23sツモでも1シャンテンに取れますが、9pはほぼ共通安牌。これくらいなら先手を取られた場合に押し返しやすい手組に構えておくのも有力そうです。

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 良形テンパイになる受け入れだけでも4p2sツモがあるので1シャンテンなら打9pとしそうですが、結果的には既に3sが西家の当たり牌。テンパイ打牌を9pにできるメリットもあるのでこの辺りの兼ね合いが難しいところです。

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 高め3900で現物3pのみと考えるとまだ押してもよいと考えがちですが、西家も8s切りで押してきているのもあって降りを選択。結果的に4sは西家に7700の当たり牌。ギリギリ押していいかもと思った場合は、降り寄りの要素を見落としてないか注意したいですね。

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 233sの形からはまだ鳴かずともよさそうですが、3900でオーラス2着、満貫ツモでも2着となればメンツを完成させて少しでもアガリやすくしておくに越したことはないという判断。役牌から切り出してきた南家がいきなりドラそば4sを切ってきたので既にアガリが近いとみたというのもありそうです。結果的に南家のリーチを交わして1000−2000のツモアガリ。

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 メンゼンならリーチツモ平和ドラでもトップに届きますが、鳴くとトップが難しくなります。しかしラス目東家のヤオチュウ牌整理からいきなりドラそば6sトイツ落としも中々に異様。実際に東家の手牌は1枚目の6s切りはテンパイ外し。ツモ7pで中ぶくれができて2枚目の6s切り。既にかなりアガリに近い形でした。単に中張牌の出やターツ落としが早いという理由で手牌進行が早いと考えるのは早計ですが、特定の手役狙いに見えない切り出し&特定の手役狙いでも無ければアガリに遠いところから切られない牌の組み合わせとなれば相応に意識して然るべきでしょう。

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 北家に逆転手が入りましたが、ダブロンになったので2着を守ることができました。平場ではやや早急に見える仕掛けも、「終わり」が近い(他家のアガリが近い、残り局数が少ない)時は特に重要になることを知らされる一戦でした。

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